>>134

 (影山に近付くと、その隣に 反対向きに腰を下ろして、両手の指を組み、背中越しに語り掛ける)

矢車 「俺達みたいなロクデナシが、少しでも 光を掴もうなんて思うと、痛いしっぺ返しを喰らうぞ」

影山 「……… (何も否定出来ない)」

 (不貞腐れたように 矢車から目を離し、 水面に 自嘲めいた哀し気な表情を向ける影山)
 (湾内の穏やかな波頭が、夕陽の照り返しで キラキラと眩しく輝いている)

 (矢車も 背後を振り返る。 沈みゆく太陽が、対岸の雲上から僅かに 頭を覗かせている)
 (また 宵闇の刻が訪れる……)


       (カブト 第37話より)