>>176

 (ふと、漂ってくる香ばしい匂いに興味を覚えた恵子が、参考書から顔を上げて、天道に訊ねる)

恵子 「ところで、それ 何なの?」

天道 「俺が作った 焼きそばパンだ」

恵子 「(頷きながら) ふーん…。 美味しいの? (疑いの眼差し)」

 (天道は 手を止めて、自信ありげに 力説する)

天道 「次元の違う美味さだ」

恵子 「ハハッ、(天道の大言壮語に 思わず吹き出す) 凄い自信 (苦笑)。
     ま、気が向いたら 買ってあげるよ」

天道 「……… (微笑)」

 (ひねた言い回しながらも、年相応の屈託のない笑顔を見せる恵子に、 天道も笑みがこぼれる)


       (カブト 第37話より)