「差別は悪い」という大原則

『仮面ライダー BLACK SUN』をまだ観ていない人に忠告しておくが、この作品は「差別は悪いので、なくさなければいけない」いう大原則の上に成立しており、異論は認めていない。まずその前提に共感できなければ作品を楽しむことはおそらくできない。

なぜ差別が悪いのかを一から説明しないと分からない人にはこの作品はおすすめしない。差別はなくならないと考えている者にもおすすめしない。差別する者の背景も理解してこそ差別問題を立体的に考えられるのではないか、と「冷静に」差別の相対化を主張する者にもおすすめしない。『仮面ライダー BLACK SUN』は、レイシストに優しくない。政治家であれ民間人であれ、抑圧する者への一切の歩み寄りをみせていないのだ。 


https://www.newsweekjapan.jp/fujisaki/2022/11/-black-sun.php