アンケート調査の問題は、人は質問されれば答えるということです。

「新添加物『ヘルサマサラ』に賛成か反対か」と質問すれば、回答が返ってきます。そんな添加物は存在しないのに。

今まで意識していなかったのに、質問されることで意識してしまうこともあります。

「東京は緑が少ないですね」と言われても「多いでね」と言われても、人はどちらにも「はい」と答えたくなります。

質問の仕方によって、回答は変わるのです。新聞社によって内閣支持率の差があるのは、このためです。

アンケート調査の歴史に残る失敗として有名なのが、電話アンケートによる大統領選挙の予想(当時電話を持っている人は一部の階層だけだった)、高価なビールと安価なビールの好みの調査(回答者は見栄を張り高価なビールと回答)などがあります。

アンケート結果が出ると、しばしば数字が独り歩きします。そこから新たな偏見や風評が出てはいけません。