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新人職人がSSを書いてみる 32ページ目 [転載禁止]©2ch.net
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0001通常の名無しさんの3倍
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2015/06/10(水) 23:22:24.50ID:aZv8IpUP0
新人職人さん及び投下先に困っている職人さんがSS・ネタを投下するスレです。
好きな内容で、短編・長編問わず投下できます。

分割投下中の割込み、雑談は控えてください。
面白いものには素直にGJ! を。
投下作品には「つまらん」と言わず一行でも良いのでアドバイスや感想レスを付けて下さい。

現在当板の常駐荒らし「モリーゾ」の粘着被害に遭っております。
テンプレ無視や偽スレ立て、自演による自賛行為、職人さんのなりすまし、投下作を恣意的に改ざん、
外部作のコピペ、無関係なレスなど、更なる迷惑行為が続いております。

よって職人氏には荒らしのなりすまし回避のため、コテ及びトリップをつけることをお勧めします。
(成りすました場合 本物は コテ◆トリップ であるのが コテ◇トリップとなり一目瞭然です)

SS作者には敬意を忘れずに、煽り荒らしはスルー。
本編および外伝、SS作者の叩きは厳禁。
スレ違いの話はほどほどに。
容量が450KBを越えたのに気付いたら、告知の上スレ立てをお願いします。
本編と外伝、両方のファンが楽しめるより良い作品、スレ作りに取り組みましょう。

前スレ
新人職人がSSを書いてみる 31ページ目
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/shar/1429885679/

まとめサイト
ガンダムクロスオーバーSS倉庫 Wiki
http://arte.wikiwiki.jp/

新人スレアップローダー
http://ux.getuploader.com/shinjin/ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:669e095291445c5e5f700f06dfd84fd2)
0102三流F職人
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2015/07/16(木) 01:18:22.50ID:KfB38atD0
>>101 乙ありです。そして忘れてましたが>>98 支援乙です。

では、24話、いきまーす。

ガンダムビルドファイターズ side B
第24話:止まれ!

「検問にも、税関にも引っかからないはずだ!犯人はあれからずっと
 この会場内に潜伏していたんだ!」
ニルスが吐き捨てる。まさかの犯人の居場所、完全にウラをかかれた。
「この会場のどこかにいるはずだ!必ず探し出して、トリックスターを取り返せ!」
命令一下、慌しく動こうとした役員を別の声が止める。
「待ちたまえ!今動くのは得策ではない!」
声の主は出入り口に立っていた、タキシードに身を包んだ初老の紳士。
「あ、あなたは・・・サー・レヴィントン!」
ガンプラバトルのメインスポンサーの一人にして、スイス大企業の会長、
ファイナリスト、エマの父親でもある。
「見たまえ、観客はまだこの現状がセレモニーの一環であると思い込んでいる、
 ここで君たちが物々しく動くと、またテロを悟った観客がパニックを起こすぞ。」
「で、ですが・・・」
「大丈夫だ、僭越ながら手は打ってある。今は待つのだ、ニルス君。」

 月面基地に特攻していく大地のヅダ。グレコの呂布トールギス以外の全員を追い越し
台座のトリックスターに迫る。
「バカ野郎!『コイツ』が見えてないのかっ!」
グレコが声を張り上げる。見上げるほどの巨体が、トリックスターと一緒に
ドームの中に収まっていた、ジェネラル・ジオング。
3つのモノアイがヅダを捕え、その口に周囲の粒子がかき集められる。
「なっ・・・!」
世界の全てを破滅させる主砲・デスレイン。わずか0.01%のエネルギーをチャージするのに
膨大な時間を要する主砲が、4度放たれようとしていた。
「さっきまでのビームの正体はアレかっ!」
「デスレインを・・・ビームライフル並に連発するんじゃねぇっ!」
そのエネルギーとなるのは無論、ジェネラル・ジオングの脇で高速回転し、粒子を増幅し続ける
トリックスターに他ならない、そしてサテライト送信を通じて、他のSD軍団にも
粒子を送り込んでいたのだ。
「させるかあぁぁっ!」
発射寸前、ジェネラルの首に渾身の体当たりを食らわす呂布トールギス。
首がずれ、同時に放たれたデスレインはヅダの脇をかすめ、その先の宇宙を駆け抜ける。
交錯したヅダはよろけながらも着地、トリックスターに駆け寄り、手を伸ばす。
が、ヅダの手は、そして体は、高速回転するトリックスターを通り抜けた。
「なっ!・・・なんだと!?」
まるで立体映像のように、ヅダに重なって存在するトリックスター、
確かにそこにあるのに、触れることができない。
粒子はどんどん製造され、SD軍団に送り込まれているというのに・・・
0103三流F職人
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2015/07/16(木) 01:19:07.52ID:KfB38atD0
「ハッキングによる遠隔操作か!」
観客席でアランが叫ぶ。ガンプラ・マフィアのよく使う手。光通信などを使い
バトルシステムに不正に乱入、フィールド外のガンプラを参加させる方法だ。
「しかし、相手に触る事が出来ないのはおかしい!遠隔でも機体に攻撃はできるはず・・・」
矢三布監督が返す、その疑問にアランが答える。
「ハッキング側がダメージレベルCなら可能です!」
「あ・・・」
機体をトレースし、立体映像に転送することで、仮想戦闘を可能にしガンプラを壊さない
ダメージレベルC。
実際に粒子でガンプラを動かし、機体にそのままダメージを転移するダメージレベルA、
本来、この2つの形式を混在してのバトルは出来ない。しかしハッキングによる参戦なら
こんな不具合を併用しての実現もありえなくはない。
「なんというコトだ・・・目の前にいるのに触れることもできんとは。」

「うわぁぁっ!」
ジェネラルの張り手で吹き飛ぶヅダ、リーオーが体ごとキャッチするが、そのまま飛ばされ
月面を転がる。
 オッゴ以外の全てのガンプラが月面に到着、それを追ってSDの6体も降りてくる。
SD軍団はトリックスターとジェネラルジオングを守るように取り囲み、なおかつ至近距離から
トリックスターの生み出す粒子を次々に吸い込んでいく。
「いかん!射線から離れろっ!!」
メイジンが叫ぶと同時に、閃光斬が、グレートバスターキャノンが、サザンクロス・ソールが、
炎凰獄焔燐が、アルティメットメガバスターが、鳳凰無限界が、そしてデスレインが、
放射状に発射される。

 月に巨大なえぐれが生み出され、余波を受けたア・バオア・クーは完全に消滅、
エネルギー嵐が荒れ狂い、直撃を避けたガンプラ達はその余波だけで月から吹き飛ばされる。
「みんな、無事?」
宇宙空間にいたエマが問う。最初に答えたのは大地。
「グレコさんが・・・やられた。至近距離で殴りかかって、鳳凰無限界に飲み込まれるのを、見た。」
リーオーにかつがれたまま、ボロボロのヅダがそう告げる。
「・・・来るぞ。」
メイジンが高揚のない言葉で呟く。月面ではもう『次の一撃』の発射準備が完了している。
愕然とする暇さえ与えられず、反射的に動いて逃げる機体たち。
 再度、破壊光線が四方に乱れ飛ぶ。光の嵐に包まれた宇宙空間で、ファイター達が運に任せて
生き残ろうとする。
その努力が無駄になった機体、ネーデル・エンド・オブ・ザ・ワールド。その羽根だけが
宇宙空間を漂っていた。
0104三流F職人
垢版 |
2015/07/16(木) 01:19:56.97ID:KfB38atD0
「もう、やめろーっ!!」
絶叫したのは宇宙だ。その悲鳴に似た声に、観客が息を飲む。
「こんなコトのために、僕は・・・僕達は、トリックスターを作ったんじゃあない!」
視線の先には、先ほどよりさらに高速で回転しているトリックスター。
その回りのSD達は、すでにその粒子をたっぷりと吸い込んで、3発目の努級攻撃を
放とうとしていた。
世界が3度目の悪夢の光に包まれる。それが晴れた時、ルーカスのコックピットは機能を終えた。
残っているのはエマのオッゴ、メイジンのレッドウォーリア、フェリーニのトレミーラ、
リーナのリーオー、大地のヅダの5体。
その全員の、そして観客全員の目にはもう、絶望の色しか写らなかった。
SD達は早速、高速回転するトリックスターの粒子を存分に吸い込んでいる。
「止まれ!トリックスター、止まるんだっ!」
回っている、いや、エネルギーを絞るためにだけ『回されて』いる、
まるで遠心分離機のように。
「そうだ、止まれっ!こんなチートあるかよっ!」
「止まれ!お前の主人の命令だぞっ!」
観客からも、宇宙に答えて次々に声が上がる。
「お前は『緑の彗星』だろうが、停止して回転だけしてどうするっ!」
「止まれってんだ、このスダチ玉っ!」
里岡応援席から、隣の九州、関東応援席から、スイス応援団から、フェリーニ被害者の会から
次々に『止まれ』コールが上がる。
その声も空しく、4発目の業火がフィールドを包む。光が晴れた時、リーオーが頭だけになって
漂っていた。顔に『祝』のシールを貼り付けたまま。

「止まれっ!止まれっ!止まれっ!止まれっ!」
宇宙が必死に声を絞り出す、答えて観客も一斉に『止まれ!』コールだ。
しかし無常にもトリックスターは回転を続け、粒子を生産する。
その時、一人の少女が宇宙の横に駆け寄って、彼の手を取った。
「君は・・・レイラさん?」
「これ!願いの叶う石、これを持って!」
小さなペンダント状の石を手渡される、青緑に輝く自然石にみえるそれは、
どこか見覚えのある色だった。
「それを握って祈って!きっと願いが叶うから!」
「わかった。やってみる。」
石を握り締め、画面のトリックスターを見据えて叫ぶ宇宙。
0106三流F職人
垢版 |
2015/07/16(木) 01:20:34.61ID:KfB38atD0
「止まれっ!トリックスター、もうやめるんだっ!」
−とーまーれっ!とーまーれっ!とーまーれっ!−
「僕と一緒に決勝を戦うんだ!そんな酷いことをやってる場合じゃないだろ、止まれ!」
−とーまーれっ!とーまーれっ!とーまーれっ!−
「エマさんとの約束を忘れたのか!ネーデルの風車を乗せた時はどうだったんだ!」
−とーまーれっ!とーまーれっ!とーまーれっ!−
「そんな使われ方をして気分がいいのか!止まれっ!そして戻って来いっ!」
−とーまーれっ!とーまーれっ!とーまーれっ!−
「とまるんだあぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 粒子が発生していた。それも膨大な量で。トリックスターからではない、宇宙の手の中から。
「うわっ!?」
手の隙間から吹き上げるように飛び出した粒子は、そのままバトルフィールドに吸い込まれていく。
それと同時に、SD達の5発目の攻撃が、残ったガンプラを飲み込もうとしていた。
フィールドが光に覆われ・・・そして、晴れる。

 ヅダも、レッドウォーリアも、トレミーラも、オッゴも・・・無事だった。
球状のバリアが彼らの機体を包み、破壊光線から防いでいたのだ。
そして、同じようにバリアに包まれている機体が1機、月面のトリックスター。
そのバリアに圧迫されるように、その回転が徐々にゆっくりになっていく・・・。
「そうだ、止まれっ!」
仁王立ちでトリックスターを見つめる宇宙、周囲も観客も息を呑んで見守る。
やがて、縦と横の回転運動を終了し、宇宙の正面を見据えて停止する。

「あれは、アリスタかっ!」
イオリ・セイが叫ぶ。宇宙の手に握られた石、それは『こちらの化学』ではまだ解明されない
異世界の産物、奇跡を起こす宝石。
「止まった!」
「やった、止まったぞっ!」
観客から声が次々と上がる。拍手と口笛と歓声で充満する会場。

「ならもう、チートビームは撃てないってこったな。」
「借りを返させてもらうぞ、SD軍団!」
いつの間にかトレミーラとレッドウォーリアがSDの輪の中に紛れている。
「早っ!」
宇宙と大地とエマの声がハモる。ワープでもできるのかあの2機は・・・

 SDの剣を奪った2機は、そのままジェネラルジオングに斬りつける、
バツ字斬りにより4つに分断されたジオングは、頭だけ残して爆発する。
脱出した頭部分が上から2機を睨む、見上げるメイジンとフェリーニは薄く笑う。
「ま、年貢の納め時だろう。」
フェリーニがそう呟き、レッドウォーリアは親指を立て、下に突き下げる。
ジェネラルが最後のレスレインを発射しかけたその時、上空から全力で突撃してきたヅダが
火の玉となってジオングの頭部をブチ抜いた。
 木っ端微塵に砕けたジオングヘッド、それと同時に6体のSDも動きを止める。
「どうやらメインに操縦していたのはジオングのみのようだな。」
0107三流F職人
垢版 |
2015/07/16(木) 01:25:50.03ID:KfB38atD0
 主催席、レヴィントン卿の秘書が使っていた電話を切った。
「会長、判明しました。賊はあのバトルシステムの真下、舞台の空洞部分です。」
「だそうだよニルス君、ちょうど戦闘も終わったし、整然と取り押さえてくれたまえ。」
「わ、分かりました、僕も行きます!」
ニルスが10数名の警備を引き連れて舞台に向かう、目指すは犯人とトリックスターの確保。
「にしてもサー・レヴィントン、一体どうして分かるんですの?」
キャロラインが不振そうに呟く。
「私が、あの粒子の秘密を買ったからだよ、裏ルートを使って、ガンプラマフィアと取引きをしてね。」
「え!?」
「娘に頼まれてね、あの粒子発生装置のガンプラのデータを法外な値段で買ったのだよ、
 今日の決勝戦が始まるまでに、とう条件付でね。」
「えええええっ!」
「彼らも焦っただろう、多分大会終了まで会場に隠れてるつもりだったんだろうが
 この条件でそうもいかなくなった。それでこの決勝直前のセレモニーで
 あのガンプラを起動させて、この騒動を起こしたのさ。」
もはや言葉も出ないキャロライン。
「このセレモニーであのガンプラを動かしながら、私の会社に光通信でそのデータを
 せっせと転送してきたよ、発信源がここだと知ったので逆探知をかけて
 賊の居場所まで割り出せたがね。」
「なんとまぁ・・・しかし、どうしてこの会場だと?」
「ニールセン・ラボに私の部下を張り付かせておいたのさ、エマージェンシー、だったかな?
 あのガンプラが起動するとラボに連絡が行くんだろう?」
「なぜそれを!」
「娘が3日前、ここの屋根裏で盗み聞きをしたそうだよ。・・・くっくっくっ。」
「あ・・・あ・・・あの娘が・・・」
「まったく、とんだお転婆娘じゃわい、貴方を見習わせたいものじゃ。」
今ここにニルスがいたら豪快な苦笑いが見えたに違いない、キャロラインにも
10年前にそんな武勇伝があったから。
0108三流F職人
垢版 |
2015/07/16(木) 01:27:17.07ID:KfB38atD0
警備員が舞台の袖に到着した。観客を囲むように配置し、ニルスが警告を
発しようとしたその時、
−ドカン!ドン!ドンッ!−
舞台の下、側面の板が激しい打撃音を立てて揺れる、内側から蹴り壊そうとしているようだ。
−バカァン!!−
側板が消し飛び、ラメ入りの黒靴とともに足が出る。そしてその空いた隙間から
一人の男がのっそりと出てくる、左手にノートPC形のハッキングシステム、右手に
トリックスターを持って。
その風貌、貫禄、体格。どこから見ても堅気ではない。
「ヤツは・・・10年前の!」
主催席、つまり対策本部からラルさんが呟く、見知った顔のガンプラマフィア。
正面に立つニルス、いやアーリー・ジーニアスがサムライの目をして見据える、
「大人しく・・・しろ・・・?」
男はニルスを完全に無視して、舞台横から階段を上がっていく、その先にいるのは、宇宙。
「くっ!」
大地が前に立ちはだかる、その周囲を14人のファイター達が囲む、グレコなどは今にも
鉄拳を見舞いそうな形相と姿勢で。
「大丈夫だよ、兄ちゃん。」
宇宙が大地の肩に手をおき、そのまま大地を押しのけて男の前に立つ。
宇宙の右手には、レイラから預かった『願いが叶う石』
その石にこう祈った、「止まれ、そして戻って来い」と。

男がトリックスターを宇宙に差し出す、穏やかな顔で。
「子供の頃に見た『ガンダム・フォース』大好きだったよ。君はいわばシュウト君だな。」
トリックスターを受け取る宇宙、ついに、ついに戻ってきた愛機。
「いい機体だ。決勝戦、頑張ってくれたまえ。」
宇宙の肩をぽんぽんと叩いて階段を下り、ニルスの前に歩みより、両手を差し出す。
傍らにいたガンプラGメンが懐から手錠を出し、その両手にはめる。
「ひとつ、頼みがある。」
「頼み事ができる立場だと思うか?」
睨み返すニルス、すぐにでも豚箱に、いや裁判にすらかけたいくらいの心境だ。
「この決勝戦だけ見ていきたい、それだけだ。」
「・・・」
ニルスの頭に困惑が生じる、もし即警察に引き渡せば、現場検証やら事情徴収やらで
しばらくこの舞台はつかえなくなる、しかしもしそれを後回しにして脱走でもされたら・・・
「いいですよ、見て行ってください。」
壇上から宇宙が答える、右手にアリスタ、左手にトリックスターを持って。
隣でエマが柔らかく微笑む。ホント、甘い子ね、と呟きつつ。
0109三流F職人
垢版 |
2015/07/16(木) 01:29:01.77ID:KfB38atD0
 −決勝戦は、システム再構築のため、今から1時間後に開始いたします−
ニルスが携帯でそうアナウンスさせる。通路を引き上げながら、セレモニー失敗の愚痴をこぼす
「せっかく用意したホワイトベースとグレートデギンは全壊、折角の決勝なのに
 普通に試合開始せざるをえないとは・・・」
その愚痴を観客席で耳ざとく聞きつけた丸坊主の少年、ガンプラ心形流の松岡が声をかける。
「俺に作らせてください、一時間もあればなんとかなりますって、それ!」
「おいおい、『俺たち』だろ、そこは!」
「ボールなんだからホワベよりサラミスがいいんじゃないか?」
「相手はオッゴだから、ヨーツンヘイムで決まりだよな。」
周囲のビルダー達が次々に名乗りを上げる。そう、今ここは世界のどこよりも
その手の達人が集結しているのだ。
「スイスのエマ応援団もいるはずだ!彼らにも声をかけろ。」
「まかせろ、俺なら彼らの母国語も全部喋れる!」
キジマ・ウィルフリッドが席を立ち、反対側のスタンドに走る。

波紋のように広がるこの流れは、やがて特別作業室に集結し、2機の母艦を生み出すことになる。
そして、プラフスキー粒子の隠された機能が、まもなく発動するー


24話でした。いよいよあと2話、よくまぁここまで書いたもんですw
支援どもですー
0111通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/07/17(金) 13:42:58.92ID:zRB0RAQ00
乙デース!

かつて戦った強敵、同じ志を持った仲間が手を貸してくれる展開王道ですが燃えますね〜
そしていよいよ決勝戦!完全燃焼期待してます!
0112三流F職人
垢版 |
2015/07/18(土) 02:26:59.88ID:jKPOQiXD0
>>110-111
感想&乙どもです。
25話を書いている間、ずっとエンドレスでコレ見てました。
ttps://www.youtube.com/watch?v=yyOhSHgl7dQ
よかったら予習もかねて見てくださいw

25話、明日投下です。
0113三流F職人
垢版 |
2015/07/19(日) 00:24:59.38ID:Fj532rbN0
では、25話。そろそろ名残惜しくなってきたw

ガンダムビルドファイターズ side B
第25話:夢轍

 月軌道の地平線に、お互いの艦が光点を捉える。
「敵艦発見!サラミスタイプです。」
「敵艦接近!・・・あれは、輸送艦の改造戦?」
エマと宇宙が開始のセリフを吐く、と同時に会場内では一斉に携帯やスマホの
発信ボタンが押される。
『決勝兵器・・・コレが?』
『この時を・・・この時をずっと待っていたぁ!』
『待たせたな、ヒヨッコ共!』
『この気持ち・・・まさしく愛だ!』
『モビルポッド乗りは大好きです』
『奇跡を見てやろうじゃないか』
『死んだばあさんに見せたかった・・・』

 両艦のアナウンスから様々な人の、好き勝手なセリフが飛び出す。
決勝やり直しのの突貫サービス、宇宙の乗るサラミスとエマの乗るヨーツンヘイムが
登場から交錯するまでの3分間、用意した10の電話回線に繋がった人に
3秒間だけセリフを喋れるという、まるでラジオ番組のような企画。
案の定、回線はパンク状態だ。
『ヒャハハハハ!囲え、叩け、ぶっ壊せ!』
『さぁて、今回神はどちらを選ぶ?』
『まずい、興奮がダンチだ!』
『悲しいけど、これで今大会終了なのよね。』
『今日はガンダムさんはお休みのようですね。』
 主催席でニルスが頭を抱える。もう少し緊張感のある展開になると期待したが
好き勝手なセリフの嵐に完全にカオス状態だ。
0114三流F職人
垢版 |
2015/07/19(日) 00:25:27.76ID:Fj532rbN0
「出撃許可を!この接近戦では先手を打ったほうが!」
「無茶だ!パイロットのほとんどは昨日着任したばかりだぞ!」
エマと宇宙が『残り1分』をつげるアナウンス?をする。
サラミスとヨーツンヘイムの距離が詰まっていく・・・

『体で覚えるんだよぉーっ!』
『人類の存亡をかけた、対話の始まり!』
『頑張れよ、ポンコツ』
『出ろぉぉぉぉぉ ボォォオーールッ!』
『もはや語るまい。』
『あえて言おう、カスであると!』
『僕らが求めた決勝だ。』
『我が世の春が来たぁー!』

「両艦交錯まで、残り10秒!」
宇宙が、エマが、コックピットのコントローラーを握り、相手の艦を見据える。

『あたしのドキドキを感じてほしいから』
『ハッハーン、目移りしちまうぜ』
『ふはははは怖かろう!』
『守ったら負ける!攻めろ!!』
『私は世直しなど考えていない!』
『事は全てエレガントに運べ』
「残り3秒・・・、にい、いちっ!」
『良い決勝を!!』

「日本第1ブロック代表、サトオカ・ソラ!トリックスター、テイクオフします!
 行くぞぉーっ!ドラム缶の化け物ぉーっ!」
「スイス代表、エマ・レヴィントン、オッゴカスタム、行きます!覚悟なさい、
 アジアのスイカぁーっ!」
両艦が交錯し、その瞬間にボールが、オッゴが艦から弾き出される。
すれ違い、退場する戦艦。残された2機のモビルポッドが白金の月を背景に対峙する。
会場からは割れんばかりの大歓声。喋れた人も喋れなかった人も皆、携帯を握り締めて
大はしゃぎだ。

と、その歓声を一瞬で黙らせる『歌』が、会場に鳴り響く・・・
0115三流F職人
垢版 |
2015/07/19(日) 00:26:14.15ID:Fj532rbN0
 −夢放つ遠き空に 君の春は散った−

「・・・っ?」

 −最果てのこの地に 響き渡った−

「・・・夢轍(ゆめわだち)!!」

 スピーカーからではない、筐体からでもない、まるで粒子が歌っているかのように
会場全体を包む歌。

 −宙仰ぐその目に 写る輪廻たち 行方知れぬ明日を どこへ運ぶのか−
 −銀色に 光る海を渡って 吹く風に 揺れる小船たちよ−

「(特別BGM!この2機にもあったのか・・・)」
 通常、バトルシステムでは状況に合わせてBGMが奏でられる。その中でも
素組みのRX-78ガンダムとMSN-02ジオングがア・バオア・クーで対戦する時のみ
特別に『めぐりあい宇宙』がBGMとして流れることが知られていた。
他のケースは一切発見されていないこの『隠し歌』に、観客も選手も主催者も
宇宙も、エマも思わず聞き入る。

 −果て無き夢轍 照らすわが運命 燃え尽きることを知らず どこへ向かうのか−
 −あてどなく彷徨える愛しさよ この胸を射抜く光となれ−

 まるで月明かりのような、優しく、壮大な歌。
その声が、歌詞が、二人に様々な思いを去来させる。
「(夢轍、つまり夢の足跡・・・僕の夢、宇宙飛行士の足跡に、今日のこの舞台は
 残るのだろうか・・・)」
「(私の夢、家を継ぐしかない私の未来は、もう決まっていた。チェス、
 フェンシング、飛び込み・・・みんな私の夢の轍になった、今日この日も・・・?」

 −哀しみの地図なら 幾多風に散って 故無き日々の傷も 瞬く彼方よ−
 −終わらぬ夢轍に 君の影揺れた−

「(君の影・・・)」
エマが、宇宙が、相手の機体を見て微笑む。生い立ちも人生もまるで違う二人、
いわば違う夢轍を刻んできた人が、今、縁あって目の前にいる。
その縁は・・・ガンプラバトル!
0116三流F職人
垢版 |
2015/07/19(日) 00:26:45.21ID:Fj532rbN0
「行きますっ!」
トリックスターがきりもみ回転をしながらオッゴに突撃する、余裕で上にかわすオッゴ。
そのまま無軌道のランダム移動で駆け回り、粒子をチャージする。
粒子が溢れ、緑色の尾を引く彗星となるトリックスター。
「603試験飛行隊用観測ポッド、射出っ!」
オッゴから6機のメカが発射される。それはオッゴを軸に、X、-X、Y、-Y、Z、-Zの方向に位置取った。
「何だ?ビットでもファンネルでもない、あれは・・・?」
観客がいぶかしがる、モノアイのみを備えたその機械は、二人のエリアを囲んでいるにすぎない。
「配置完了、いくわよソラ君、トリックスター!」
無軌道飛行を続けるトリックスターを追撃するオッゴカスタム、それは幾多の対戦者が
その激しい飛行に操縦士が付いて行けず、疲弊して破れた愚策。
「何を考えている、エマ・レヴィントン・・・」
メイジンが呟く。ジャイロ搭載のトリックスターに付き合えば、やがて三半規管に悪影響を及ぼし、
いわば乗り物酔いのような状態になる。
ソウルドライブ全開のトリックスターが動くごとに出力を上げているのに、追いまわす側は
当然エネルギー消費による機体の出力低下は免れない。
それでもトリックスターを追撃するオッゴカスタム。

 −ガキィンッ!−
「なっ!」
宇宙が叫ぶ、オッゴのマニュピレーターが振ったヒートホークが、トリックスターの盾に
正確に傷を入れる。
「当てやがった!」
大地が叫ぶ、そしてそれがまぐれではないコトを証明するかのように、マシンガンの弾が
次々にトリックスターを追いかけ、喰らいつく。
「くっ、ええいっ!」
必死でオッゴの追撃から逃げるトリックスター、しかしオッゴは常にトリックスターを捕え
接近すればオノの一撃、離脱すればマシンガンやバスーカで次々にダメージを与えていく。

「まさか・・・バードアイ!?」
主催席でニルスがこぼす、エマの操縦席には6方向からの映像を合成した、いわゆる
トップビュー・フロントビュー・サイドビュー視点の画面が表示されていた。
「バードアイ?何ですのそれは。」
「自分を、第三者からの視点で見ることさ。自身の狭い視野を広げ、周囲の状況をより
 正確に把握する技術だよ。」
キャロラインに説明するニルス。優れた格闘家や競技者には、ごいくまれに
こいうった感覚を持つ天才もいるという。
彼女はそれを人為的に作り出し、エリア内での2機の動きを完全に把握していたのだ。
0117三流F職人
垢版 |
2015/07/19(日) 00:31:49.54ID:Fj532rbN0
「それにしても、なんて大会ですの・・・」
キャロラインが呟く。思えばトリックスターの粒子増幅、ネーデルの粒子移動、
リーオーのサブリミナル、チョマーのコロニー落とし、オッゴのダメージ転送
そしてこのバードアイ・・・ここ何年も無かった新しい発想の数々。
昨年まではネコも杓子もトランザムで、機体の速さのみが追求されてきたというのに・・・

「オールレンジモード!」
変形したオッゴが回転しながら四方八方にミサイルを撒き散らす、普通に追撃するのに
疲れが見え、楽な方法を取ったかに見えた。
「ここだ、勝機っ!!」
トリックスターがオッゴに向き直る。動きが止まっている今ならと、ビームダガーを灯し
ドリル回転でオッゴに突撃する。
「スパイラル・ドライバーっ!」
「だめだ!やめろ宇宙ーっ!」
大地の絶叫も空しく、時既に遅かった。あれだけ激しく回転していたオッゴはもう停止し
主砲、ヨルムンガンドへと変形を完成していた。突っ込んでくるトリックスターに正確に
砲を向けて。
「なぁっ!!」
大蛇の咆哮が火を放つ、かろうじて機体を逸らしたトリックスターであったが、盾を片方
えぐり取られてしまう。反動で回転しながら横に飛ばされる機体、その先にはもう
別の形に変形したオッゴが待ち構えていた。
「読まれてる・・・弾かれる方向まで!」
スネークモードに変形したオッゴが飛んできたトリックスターに巻きつく、
まるで抱きしめるように。
「昨日言ったでしょ、少し先の自分をイメージ、って。」
0119三流F職人
垢版 |
2015/07/19(日) 00:39:53.50ID:Fj532rbN0
瞳に悦の色を浮かべながらエマが言う。
「あれは!俺の∀ガンダムを破った技・・・」
ルワン・ダラーダが叫ぶ、密着状態での全包囲ミサイル攻撃。
まして今のトリックスターは片方の盾が無い状態、万事休すだ。
「(さようなら宇宙君。君といた時間、楽しかった。)」
引き金を引くエマ、密着した2機が爆風に包まれる。外側のオッゴが吹き飛ぶように
爆風から離れ、トリックスターの盾だけが飛んでくる。
「終わった・・・のか?」
「さすがにあれじゃあ・・・」
選手たちが舞台を見下ろす、逃れる術は無かったかに見えた。

「いや、まだだ!」
そう言ったのはヤンだった。自分との対戦時に見せたアレを覚えている。
ジャイロの役目をする内部のボール、それが脱出できていれば・・・しかし爆風が晴れても
その姿は見えなかった。
だが、バトル終了を告げる音声は鳴らなかった。
エマのコックピットに敵を告げるアラートが鳴り、そちらの方向に向き直る。
先ほどの盾が飛んでいった方向。
そこには、横倒しになった盾の上に乗っかっているミニボールの姿。
「ま、まだですよ・・・エマさん。」
ミニボールの腕を盾に差し込んでオッゴに向き直る。盾というよりはサーフボードに
乗っかるビーチボールのようだ。
「対応が早かったわね、吹き飛ぶ盾に捕まって脱出してたのね。」
「一度見た技ですからね、こうするしかなかったですよ。」
とはいえもう粒子のチャージはおろか、身を守る盾すら無い、その小さなボールの砲塔で
とてもオッゴに対抗できるとは思えない。
「それじゃ、いくわよ!って、ええっ!?」
突撃したのはオッゴではなくボールだった、盾のバーニアを捜査し、まるでエンジン付きの
船で突進するようにオッゴに体当たりを食らわす。
0120三流F職人
垢版 |
2015/07/19(日) 00:40:33.52ID:Fj532rbN0
「きゃっ!」
スネークモードのワイヤーに盾が絡みつき、そのまま2機もろともバーニアに任せて
突き進む。向かう先は月面、つまり猛スピードによる落下。
「このっ!離しなさいっ!」
マニュピレーターで殴りかかるオッゴ、しかし本体のミニボールは盾の裏側、
空しく盾を殴るオッゴ。
「離しませんよ、ここで離れたらもう完全に負けです!」
「・・・っ」
落下しながらミニボールの小さい砲塔がオッゴを狙い打つ。致命傷にはならないが
確実にダメージが積み重なっていく。

 やがて月面がいよいよ迫ってくる、図らずも両者の脳裏に相手の言葉が浮かぶ。

−少し先の自分をイメージするの−
まもなく月面落下、その着陸姿勢をイメージし、生存の可能性を図る宇宙。
「(生き残ってみせる!)」

−離しませんよー
4つ年下の少年の言葉に、柔らかい温もりに浸るエマ。
「(いいわ、このまま落ちましょう、耐久力ならこちらが上のはず!)」

 そして、月面に2機のモビルポッドが激突する。



25話でした。夢轍の部分は実際に曲を流しながらお楽しみくださいw
次回、ついに感動の最終回!たぶん。
支援感謝です。
0121通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/07/21(火) 22:13:11.76ID:twU5jMgl0
乙デース
ボール、オッゴ、夢轍…

上手く言えないですが職人さんの想いが伝わって来ますね
思えばこのSSも職人さんの夢の轍ですよね

祭が終わるのは寂しいですが最終回楽しみに待ってます!
0122通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/07/22(水) 11:36:45.38ID:ogg6DDkBO
ボール対オッゴとかアニメでは絶対見られないよな…
ガンプラが売れんからw
0123三流F職人
垢版 |
2015/07/23(木) 01:04:10.23ID:vDAHQthL0
>>121-122
感想どもです、最終回はもうちょっと待ってください。
構想は出来てるんですが、ここ数日仕事が忙しくて帰宅>バタンQな状態なので。
決勝がボールVSオッゴになるのは最初から決めてました。
0125三流F職人
垢版 |
2015/07/24(金) 02:15:33.51ID:qkbuoaY80
最終回完成しました、明日投下します。

>>124
そですねー、無理はよくないけど、鉄は熱いうちに打たないと・・・
多分半年後に読み返したら、恥ずかしくて死にたくなるかもしれんwww
0126三流F職人
垢版 |
2015/07/24(金) 23:28:06.98ID:qkbuoaY80
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
最終回です。

ガンダムビルドファイターズ side B
最終話:夢の先

 月面にひとつの塊が落下し、落下物の破片と地表の岩砂が巻き上げられる、
重力の弱いその地では、まるで火山の噴火のように高々と、そしてゆっくりと。
それらは落下点を煙となって覆い、今しがたまで戦っていた2機の姿を覆い隠す。

「ど、どうなった・・・?」
「両機は無事か!?」
静寂の月面空間、バトルエンデッドの音声も無い。少なくとも両機体とも
終わってはいないようだ。
やがて砂塵が晴れ、景色が鮮明になっていく・・・。

「オッゴ!無事だ、とは言えない・・・か。」
落下点のすぐそばで、相当に破損した状態で、それでもかろうじて機体の形を
維持しているオッゴ。
「ボールは・・・?」
「いた、あそこだ!」
少し離れた場所にミニボールもいた。腕は取れ、機体もかなりのダメージ。
しかし砲塔はかろうじて致命傷を逃れたように見える。
「戦えるのか?あれで。」
チョマーが言う。オッゴもボールも、もう自力で移動することすら厳しいほどの
ダメージが見て取れる。
となれば、勝敗を分けるのはお互いの武器、発射できる飛び道具があれば
先にそれを当てた方が勝ちなのは明らかだ。
「残ってるのは・・・シュツルムファウスト(ミサイルランチャー風の武器)だけね。」
エマが操縦席で呟く、マシンガンもヒートホークもバスーカも今の落下で失ってしまった。
唯一残った武器を左肩に装填し、モニターのボールを見据える。
0127三流F職人
垢版 |
2015/07/24(金) 23:28:38.35ID:qkbuoaY80
「ここが・・・月面。」
宇宙が周囲を見渡してそうこぼす、闘争心の無い、感慨深い声で。
武器の確認もせず、オッゴを見ようともせず、荒涼たる月面と、地平線の彼方の
青い地球に次々目をやる。
「あれはケプラーとコペルニクス・・・すごいな、富士山も真っ青の雄大さだよ。
 ってことは、ここは・・・雨の海あたりか。」
粒子によって忠実に再現された月面を堪能する宇宙。
「むこうが虹の入り江で、あっちがアルキメデス。その遥か向こうが静かの海・・・」
「・・・ソラ君?」
エマが声をかける、落下の衝撃で呆けているのかと、多少心配なニュアンスを込めて。
「ああ、エマさん。すいません、つい見入ってしまいました。」
その返答に口をぽかんと開けてしばし硬直するエマ。
「こっちはもう動けません、砲塔は生きてるけど、残弾数1です。」
言ってオッゴに砲を向けるミニボール。
ふぅ、と息をついて操縦桿を握り直すエマ。
「こちらもシュツルムファウストの1発だけよ、これが最後の勝負になるわね。」
「勝負・・・そうですね。」
言葉とは裏腹に、再び周囲の景色に見入る宇宙。
ガンプラバトルにまるで身が入ってないその態度に、エマが口調を強める。
「まだ呆けているの!?っていうかちゃんとこっちを見なさい!」
こんな時でもお約束のセリフを交えて説教するエマ。
それに答えてモニター越しにエマに向き直る宇宙、真っ直ぐに彼女の目を見つめる。

「じゃあ、行きます。」
言って砲塔を上へ上へと向けるミニボール、とうとうほぼ直上を向いてしまう。
オッゴは正面、水平方向にいると言うのに・・・
「え・・・?」
「お、おいおい」
「どっちに向けてるんだ!?」
エマが、選手たちが、観客が、その行為をいぶかしがる。その行為の真意を掴む前に・・・
0128三流F職人
垢版 |
2015/07/24(金) 23:29:08.09ID:qkbuoaY80
 ズドォォーーン!

「えええーーーーっ!!」
「ちょ、ドコ撃ってるんだよ!」
「メカの暴走?最後の1発だろーっ!」
観客の悲鳴とは裏腹に、満足げに目を伏せる宇宙。ひとしきり黙祷した後
顔を上げ、再度エマに向き直る。
「ソラ君、一体・・・」
心配と不満の入り混じった表情でエマが問いただす。
「エマさん、昨日話しましたよね、僕の夢のこと。」
「え、ええ。宇宙飛行士になりたいって言ってたわよね・・・」
「はい。」
一度言葉を区切って、話す内容を頭の中でまとめ、再度語りだす宇宙。
「宇宙を目指す者にとって、この『月』は特別な場所なんです。」

エマが、大地が、選手が、主催者たちが、観客が、皆宇宙の話に聞き入る。
「地球の影響を離れ、宇宙の空間を乗り越え、最初に到達する別の天体、
 あらゆる宇宙開発者の目標であり、憧れであり、そして出発点でもある
 ここはそんな所なんです、僕らみたいな人にとっては。」
無論ここは本当の月面ではない、プラフスキー粒子によって生み出された仮想空間、
ガンプラバトルのステージに過ぎないのだが。
「そんな場所で『破壊活動』や『戦闘』をすることが、僕にはどうしてもできません。
 それをやっちゃうと、自分自身の夢を裏切るような気がして・・・
 もう二度と、『ここ』には来られなくなるように感じるんです。」
なるほどねぇ、と頭をかく大地。そういや実家の宇宙の本棚は月の図鑑がぎっしりだった。
「これが世界大会の決勝だという自覚はあります、今まで倒してきた方々に
 申し訳ない気もあります・・・ガンプラファイター失格ですね、僕は。」
薄い笑顔を見せる宇宙、それを見てエマも笑顔を返す。
「ほんっと、呆れるくらい純粋ねぇ。ロワイヤルの時から思ってたけど。」

 しかし観客からは徐々に不満の声が上がり、やがて会場を揺るがすブーイングとなる。
「ふざけんな、軟弱者!」
「浸ってんじゃねぇよ、戦え!男だろっ!」
「ヤル気が無いなら、はなっから出てくるんじゃねぇよ!!」
0129三流F職人
垢版 |
2015/07/24(金) 23:29:41.05ID:qkbuoaY80
−彼の行動に、思うところがある−
場内アナウンスから声がする、ニルス・ヤジマの声だ。

−機動戦士ガンダムの世界、それは戦争の世界。争いがテクノロジーを生み
 それが新たな争いの火種になる世界でもある−
−だけど、ガンプラバトルは違う。例え戦っても、それは平和な遊び、
 それに世界中からあらゆる人種が参加し、競う、そんな遊びだ−
−そんな僕らだが、もし将来、モビルスーツのような武器を携え、あの月面に到達した時
 僕らは彼のように、争うことを拒否できるだろうか−
世界のあらゆる国籍、人種の違う人々が集うこの会場に、問うように話すニルス。

−争いが間違いとは言わない、時にはそれも必要だろう。主義、正義、利権を守るために。
 だけど、満足に到達することもできない未開の地でまで争うのは、いささか
 醜くないだろうか−
−彼は自分のポリシーで、ここでは戦いたくないと言っている。世界大会の決勝であっても、だ。
 見ている者には不満もあるだろうが、少なくとも私は、彼のポリシーを支持する−

 選手席でメイジンがサングラスを直し、場内放送用のマイクを掴んで言う。
「その通りだな、そもそも彼の行為が不満なら、ここまでに彼を倒せば良かったのだ。
 地区予選、世界大会予選、決勝トーナメント、機会は幾らでもあった。
そこに届かなかった者に、届いた者の行為を否定する権利は無い。」

 ブーイングは止んでいた。ここにいる人々は全て機動戦士ガンダムを心から愛する人々、
しかし、それらの兵器が他人の意思を無視して争うことを押し付けるのを是とはしない。
アニメを見ているノリで、戦闘行為を期待しヤジを飛ばす自分達を恥ずかしく思った。

「だけど、ギブアップは許さないわよ。ここまで上がってきた者として『責任ある最後』を!」
オッゴが砲を向ける。唯一、今の宇宙の行為を否定する権利を有する、決勝戦の対戦相手、
エマ・レヴィントン。
ええ、分かってますと言いかけて、慌てて言葉を引っ込める宇宙。代わりの言葉を繋ぐ。
「分かった・・・抵抗・・・しない。」
「良く出来ました。」
満面の笑みで返すエマ。ようやく宇宙の『お約束のセリフ』を聞けたことに満足し、
コントローラーの引き金に手をかける。
その指に力を込める直前、彼女は一言、こう発した。
0131三流F職人
垢版 |
2015/07/24(金) 23:49:25.57ID:qkbuoaY80
「優勝おめでとう、ソラ君。」

 シュツルムファウストが点火した瞬間、オッゴは肩口から崩壊、砲の反動だけで千切れ飛ぶ、
支えを失ったロケット砲は的を失い、あさっての方向に火を噴いて飛んでいく。
「エマさん!!」
千切れたオッゴの船体が次々爆発、四散する。既にオッゴは『死に体』だったのだ、
たった1発のロケット弾の発射の反動にも耐えられないほどに。

 −BATTLE ENDED−

会場にいる全員が、その衝撃的な結末に息を飲んだ。
アナウンスすら勝者を告げることを忘れて−

 エマが壊れたオッゴを回収し、宇宙の方に歩いてくる。
「エマさん・・・」
「あなたの優勝はもう決まっていたのよ、あの月に激突した時から、ね。」
宇宙の横に立ち、オッゴカスタムをトリックスターの横に置く。
「見事にボロボロですね、どっちも。」
「ねぇソラ君、ガンプラ交換しない?」
「あ・・・いいですよ。っていうか是非お願いします!すごく嬉しいですよ。」
「ふふ、ありがと。」
言って右手で宇宙の左手を掴むエマ、そして大きく息を吸って・・・宇宙の手を上に掲げ、叫ぶ。
「第17回ガンプラバトル世界選手権!優勝!日本第1ブロック代表っ!
 サトオカー・ソラァーーッ!!!」
お嬢様らしいソプラノで、そして会場中に響き渡る大声で叫ぶエマ。
それに答えて、会場が大歓声に包まれる。
ようやくの勝ち名乗り、大地が舞台に向けて駆け出す、選手たちも続き、
顔見知りの観客たちも、舞台に殺到せんと席を立つ。
0132三流F職人
垢版 |
2015/07/24(金) 23:50:19.47ID:qkbuoaY80
 そして彼らが舞台の袖にまで到達した時、エマが宇宙の左手を上げたまま
残った左手で宇宙を抱きかかえる。
「・・・え?」
 そのまま、宇宙にキスをするエマ、かなり密接に、濃厚に。
「うわあ・・・」
「ちょ、おいいいいっ!」
至近距離でえらいもん見せられた大地以下、言葉にならない悲鳴を上げる。
観客も一瞬にして沈黙。
 数瞬の後、唇を離し、真っ赤になった宇宙の背後に回り、両脇を抱き上げて宇宙を持ち上げ
肩車に持っていく。
いきなり抱え上げられた宇宙は完全にパニックだ。
「ダイチさん、オッゴカスタムとトリックスター、回収してくださる?」
そう言って宇宙を肩車したまま通路を退場し始めるエマ、観客は口笛と冷やかしの嵐だ。
「よっ!この色男!!」
「リア充爆発しろーっ!」
「青少年保護条例違反だぞー!」
「優勝おめでとーっ!」
「ここに教会を建てようぜ!」
「あああ尻が痒いぃぃぃいっ」
祝福と、冷やかしと、紙ふぶきが舞う通路を、手を振りながらゆっくりと退場する二人。
それを見送った大地が、オッゴとトリックスターを回収しながら呟く。
「やれやれ、宇宙をかつぎ上げるのは俺の役目だろーに・・・」

 主催席、手錠をかけられたガンプラマフィアが感慨深く呟く。
「いい決勝だったよ、いいツル(入獄土産)話になりそうだ。」
その隣ではレヴィントン卿が頭を抱えている。無論、娘のはしたない行為に対して。
脇で秘書がさらに物騒な一言。
「早い所あの少年を引き離したほうが良いですね、エマ様の異常集中力が
 あの少年への恋愛感情に傾いたら・・・少年が悲惨です。」

顔面蒼白になりながら命令一下、レヴィントン卿の部下がエマを取り押さえたのは
宇宙をお姫様抱っこしたまま行き先不明のタクシーに駆け込む3歩前だったとか・・・


−こうして、宇宙達の夏は終わりを告げた−
0133三流F職人
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2015/07/24(金) 23:52:06.58ID:qkbuoaY80
 −4年後。
 徳島の片田舎、あの夏を思わせる盛夏、日照り対策に田んぼに水を張る大地。
「大地さん、そろそろじゃない?宇宙君。」
傍らにいる女性が声をかける、細い腕時計をほらほら、と見せながら。
「ああ、そうだな。」
大地は去年結婚していた。米どころである秋田の農家の三女、
表向きは農協のツテで知り合った、という事になってる。米作本場の秋田美人に、
両親は諸手を上げて賛成した。
・・・が、実のところは彼女もガノタで、全国交流戦で3年前に知り合ったのだが。
 軽トラックのダッシュボードの上に鎮座するガンプラ、ヅダを手にとり
寄り添って青い空を、その先にある宇宙を見上げる。

 成層圏のさらに上、地上から35000kmの衛星軌道地点、一機のスペースシップから
地上に向けて通信が始まる。
「プラフスキー粒子安定、気密確認、作動問題なし、オーバー」
少年を思わせる若い男の声、その中には宇宙で始めて使われる単語が混じっている、
シャトルの最後尾、格納スペースから球状の機械が出発を待つ。
「OK!射出準備確認、行ってこいよボーイ」
スタッフから激励が飛ぶ。レールが船外に延び、球状の機械が宇宙空間に姿を表す。

その瞬間、世界中のあちこちで歓声と歓喜の声が沸きあがる。
球状の機械、その名は『ボール』。そう、今あの『機動戦士ガンダム』のメカが
初めて宇宙でその勇姿を晒したのだ。
「目標の人工衛星、レヴィントン社製の気象衛星確認。発進まであと15秒」
カウントダウンが始まる。宇宙服を着込んだスタッフがボールから離れ、母船に取り付く。
「5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・イグニッション!プラフスキー・ボール、
 パイロット、ソラ・サトオカ、テイクオフします。」

 里岡宇宙18歳、私立グラナダ学園3年、宇宙飛行士志望の少年。
彼に幸運が舞い降りたのは4年前、プラモデルを使ったシミュレーション
「ガンプラバトル」で知り合った様々な人たち、そして彼が成した世界大会優勝の快挙だった。
 あれ以来、プラフスキー粒子は特別な存在ではなくなった。が、それは単なる粒子として、
もしくはガンプラバトルの動力として、としか使えなかった。
元々は『奇跡を起こす石』アリスタによってその性質を設定しない限り役には立たない。
昔、ミス・ベイカーがその粒子をガンダム世界の通りにガンプラを動かすように祈った以後は
誰も粒子に思い通りの性質を持たせることは出来なかった。

「それなら、実用できるガンプラを作ればいいのでは?」
そう提案したのは、プラフスキー粒子の特許を購入したレヴィントン家の一女、エマだった。
機械を全てプラスチックで作り、なおかつ機動戦士ガンダムに登場するメカを作れば
例え実用機械であってもプラフスキー粒子で動かせる、という目論見は正解だった。
機械内部の先端まで空洞を作り、そこに粒子を血液のように流し込めば、内部から
そのプラスチック製のいわば『巨大ガンプラ』を動かすことが出来た。
同時期に運行が始まった宇宙空間到達スペースシップ5で今、その成果が発表されようとしている。
そのパイロットとして白羽の矢が立ったのが、かつてガンプラバトルで世界を制し
レヴィントン家やヤジマ商事にゆかりのある宇宙飛行士志望の少年、宇宙だった。
0134三流F職人
垢版 |
2015/07/24(金) 23:52:41.48ID:qkbuoaY80
「距離、詰まります。20・・・10・・・タッチダウン!」
人工衛星に到達するボール、スタッフから歓声が上がる。
今回は特に作業をするというわけではない、あくまで今回はイベントであり、
宇宙も単なるゲストに過ぎない。が、彼にはやる事があった。
通信を開き、小さなモニターに写る地上管制室に目をやる。
「ねぇ・・・ホントにやるんですか?エマさん」
モニターの上にはオッゴのガンプラ、そしてその中には何故か白いドレスを纏った
金髪の女性が写っていた。レヴィントンファミリー、宇宙開発部門主任、エマ・レヴィントン。
手にボールのガンプラ、トリックスターを持って。
「それが条件だったじゃない、念願の宇宙飛行が実現したんだから、安いもんでしょ?」
意地悪くウインクして返すエマ。
「はぁ・・・これ油性だから、後で消したくても消えませんよ。」
「いーからさっさと書く!できる限り大きくね。」
ボールのアームには大きな油性のマジックが握られている。あーあ、と嘆いてアームを動かし
人工衛星にでかでかと二等辺三角形を書くボール、そしてその頂点から下に線を引く。
その様は全世界に配信されているのだ・・・。
「はい、そこから?」
エマが恋する乙女の表情で宇宙を急かす、逃げられない公開処刑を受けざるを得ない宇宙は
顔を赤らめながら、縦線の右側と左側にマジックを走らせる。
”EMA・REVINTON”
”SORA・SATOOKA”

 巨大な、そして多分ずっと消えない相合傘の完成だ。
それと同時に世界中から祝福のメッセージが送信される。
「こんな結婚式ってアリなのかなぁ・・・」
「あら、夫の願いを叶えるいい妻じゃない。それとも初夜が待ち遠しい?」
投げキッスを放ってからかうエマ、宇宙服の外からでも分かるくらい赤面する宇宙。
「はいはい、家に帰るまでが宇宙旅行なんですからね。新婚早々未亡人にしないでよ!」
ぱんぱんと手を叩くエマ、周囲が笑いと祝福の拍手に包まれる。
宇宙はモニターの上のオッゴをそっと手に取り、一言。

「うん、じゃあ、帰るよ。」



 
これにて完結です、ずっと読んでくれた方、応援してくれた皆様に感謝。
そしてずっと支援を頂きこちらも感謝です。
0135通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/07/25(土) 20:12:08.92ID:wduLolMj0
お疲れ様でした、最後はガンプラとプラプスキー粒子の無限の可能性まで見せて頂き最後まで楽しませて頂きました
月面の下りは職人さんの月への想いが静かに力強く伝わって来ました

良いモノを見せて頂き本当に有り難う御座いました。次も期待しつつROM専に戻りますm(__)m

行き先不明のタクシーに乗ってそのまま行方不明も…アリでした(笑)
0136三流F職人
垢版 |
2015/07/25(土) 22:22:44.38ID:N/GItDbE0
>>135さん
感想有難うございます。こんな駄文垂れ流しを完走できたのも
ひとえに皆様の感想のおかげです、いやマジで。
タクシーで行方不明になるとその先は薄い本の領域にw

月面ネタはあさりよしとお先生の「まんがサイエンスW」が参考元になってます。
他にも結構色んなところから元ネタや参考、パロディを引っ張ってきてます。
グラナダ学園監督の名前を逆さから読むと徳島では超有名な故野球監督に・・・

伏線として気に入ってるのは、
メイジン敗北>ヤン激怒>ネーデル非情戦法>トリックスター粒子増幅発覚>
トリックスター盗難>大地ピンチヒッター>憧れのチョマーとの対戦、の流れ。
そう、メイジンは犠牲になったのだ(酷ェ)

さて、EXSEED氏やユーラシア氏、他優秀なSS書きさん、後はお願いします。
>>135氏も一筆いかがですか?
0137通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/07/25(土) 23:57:10.35ID:Q50+T79pO
乙でしたー。
SSと言うよりは、一話ずつのアニメ話って感じでしたね。
ビルドファイターズネタはそのへんやりやすそう。

完結記念age
0138通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/07/26(日) 23:15:58.21ID:N2MXAA6K0
完結乙です、ボールを主役に持っていくような暴挙
・・・アニメじゃ絶対にできねぇ、スポンサーの怒りが天元突破してしまうし
0139三流F職人
垢版 |
2015/07/27(月) 22:02:15.04ID:gpL4aKPb0
>>137-138
こちらも乙ありですー。
そそ、アニメみたいに1話完結だと話が切りやすいし
構成をまとめやすいんですよね。区切りなしの長編書ける人は凄いと思う。
いつかボールがガンダムを無双するアニメが出たらDVDとガンプラ全部買いますw
0140MB(無職ぼっち)
垢版 |
2015/08/02(日) 16:00:32.29ID:xhL43UdU0
CE85年

ザフトの議長ラクス・クラインは機動兵器ガンダムの玩具「ガンプラ」を発売。
「ガンプラ」はまたたくまに大流行した。
そしてガンプラを使ったガンプラバトルを開発。
これにより国家間の問題や争いにはガンプラバトルを使用することとなり、戦争による犠牲が出ない平和な時代となった。
「あークソ、最悪だ。」
夜の街を走る俺はオーブに住む普通の高校生。
趣味はガンプラバトル!腕には多少自信がある。
今何故俺が急いでるのかというと、駅で電車を待ってる最中に眠ってしまって
そのまま夢の中を彷徨い終電を逃してしまったわけだ。
スマホの電源を入れて時間を確認するとママからの不在着信を示すマークが画面左上に表示される。
なんて言い訳しよう……。
「よぉ、てめぇコーディネイターか?」
路地からいかにもな不良青年が三人現れる。
「え?あっはいい」
どうしようやばいって……、この人達ナチュラルだ。
遺伝子操作を施されて生まれたコーディネイターと遺伝子操作されてない人類のナチュラル
この2つの人種は十数年前、大きな戦争で争い互いに殺し合った。
しかし聖母ラクス・クラインとその剣聖キラ・ヤマト、それから忠義の騎士アスラン・ザラにより撲滅された。
以後ナチュラルは過酷な強制労働を強いられ、ミュル街という街に隔離されている。
もっともミュル街は厚く堅い壁で囲まれており、厳重に警戒、監視されており
このようにコーディネイターの街に出てくるはずはないのだが…。
「おいおい、俺達以外にナチュラルが居るってのか?」
「それもそうだな」
二人が視線を合わせ微笑みながら語るが、ゆっくりとその場を立ち去ろうとした俺に気付き鋭い視線を向ける。
「あ……あの……何か用でしょうか?わ、私はそろそろ家帰らなくてはならないのですが……」
「俺達を見た以上、生かしてはおけねぇ」
「おっと、声を上げたり逃げたりすんじゃねぇぞ?」
男達の内一人が拳銃を手に取り構える
「ひっ……」
「大人しくついてきな」
0141MB(無職ぼっち)
垢版 |
2015/08/02(日) 16:09:41.03ID:xhL43UdU0
「はあああああああああああ」
突如男の激昂のような声を耳にする。
次の刹那、男達の内銃を持った一人が吹き飛ばされた。
「野郎」
残りの二人がナイフを取り出し辺りを見渡す。
何が……起きた……?
「へああああああああああああああああ」
路地のバルコニーから飛び降りた男のかかと落としが炸裂し男二人が同時に倒れる。
「怪我はないか?」
「は、はい! 貴方は……。」
「失礼した、オーブガンプラ自警団の団長アレックスだ。」
オーブガンプラ自警団、聞いたことがある。
ガンプラで犯罪を取り締まる凄腕ファイターの集まり。
その存在は謎で、ただの都市伝説とも言われてる人達だ。
「ぐっ……てめぇ……」
かかと落としで倒れたリーダー格と思われる男が立ち上がる。
「まだ動けるか」
「てめぇこのままですむと思うなよ!ガンプラバトルだ!」
「え?ええ?!」
こうして二人によるガンプラバトルが始まった
0142MB(無職ぼっち)
垢版 |
2015/08/02(日) 16:18:10.98ID:xhL43UdU0
「俺の機体はこいつだ! ダブルオークアンタ! 」
ダブルオークアンタのプラモを片手で握りしめつつ見せびらかす不良青年。
「うっわ〜何あのガンダムだっさ……対してアレックスさんは?」
「俺はこいつだ」
あっ!あの機体はインフィニットジャスティスガンダム!
十数年前の戦いでは大活躍したという伝説のガンダムだ!
けど確かあの機体は発売されてないのに何で?
「イ…インフィニットジャスティスガンダムだとぉ?!なんでそんなプラモを持っていやがる?!」
「ごちゃごちゃうるさいはじめるぞ」
「アレックス、インフィニットジャスティスガンダム発進する!」
「青年A、ダブルオークアンタ行くぜ!」
二人の機体が出撃しフィールドが表示される。
フィールドは、ヤキン・ドゥーエ……。
「こいつをくらえや! ソードビット! 」
緑に輝くソードビットが縦横無尽に動きジャスティスに襲いかかる。
「武装は強力だな、だがしかし」
インフィニットジャスティスガンダムが四方八方からくるソードビットをかわす。
「はあああああああああああ」
インフィニットジャスティスガンダムのサーベルがクアンタを両断
「ばかなあああああああ」

THE END
0143通常の名無しさんの3倍
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2015/08/02(日) 16:22:07.00ID:MHPtYqw5O
評価に値しないレベルですね
小学校からやり直すことをお勧めします
0145通常の名無しさんの3倍
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2015/08/03(月) 06:40:19.60ID:+TTP0BMH0
>>142
凄く面白かった
プロの小説家目指すとかしたほうがいいかも
0147通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/03(月) 13:44:00.59ID:mf/K/94CO
>>142
ひとつアドバイス。
主人公がかっこよくて敵役がダサい作品は面白く
なりませんよ。

シャアもランバラルもギレンも皆、敵方だったでしょ?
0148通常の名無しさんの3倍
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2015/08/03(月) 18:15:21.19ID:l65mA+un0
皆さん荒らしには構わないように
「荒らしに構うものもまた荒らし」ですよ
0149通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/03(月) 20:33:45.49ID:+TTP0BMH0
アニメポケモンのロケット団とか不人気でかっこ悪いだろ
0151ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/08/07(金) 00:09:36.02ID:9PX6lOSX0
投下開始

都市の郊外に点在する森・・・正確には、再構築戦争後の戦後復興、自然保護政策によって作られた自然公園、その森の2か所で爆発が巻き起こった。

次の瞬間、爆音とともにくすんだ鉛色の雲が占領する空に向かって無数の鉄の矢が放たれた。
爆発が起こった場所には、黒い鉄の箱が煙を上げて燻っていた。
その箱は、MLRSと呼ばれていた。
MLRS………元は、西暦末期の超大国 アメリカ合衆国とその同盟国で採用された多連装ロケットシステムの名称で、
CE70年現在では、このタイプの多連装ロケットシステムの総称となっていた。

この兵器は、本来迫りくる敵地上軍にロケット弾の豪雨を浴びせることで制圧するための兵装であり、
上空を飛ぶ飛行兵器に対して使用するような兵器ではない・・・・だが、
地面を進軍する地上部隊と余り変わらない高度で匍匐飛行する
ザフト軍飛行部隊には十分に効果が期待できた。

これまで地球軍が、ザフト軍による地上攻撃部隊による漸減戦術に手を焼かされてきたことを認識していたハンスは
対策の一つとしてMLRSをこれまでのザフト軍地上攻撃部隊の侵攻パターンを
参考にして予想した進路上に向けて隠蔽配置していた。


固体燃料の白煙を引いて高空へと打ち上げられたロケットは、
匍匐飛行で都市に迫っていたエレノア襲撃中隊へと墜ちていった。
0152ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/07(金) 00:11:26.76ID:9PX6lOSX0
「罠か!」
もう遅い、そう言うかの様に空中でロケット弾頭が一斉に破裂し、
内部に封入されていた子弾を撒き散らした。

それは、まるで植物の果実が中の種を放出する光景と酷似していた。
だが、その性質は真逆だ。

後者は、植物の次代に己の因子を繋ぐ為の行為だが、
前者は、万物の霊長と奢る人類が敵と規定した同族とそれが操る人工物を
破壊する為の行為なのである。

「総員散開!」
彼女は、咄嗟に部下に命令を下した。

だが、先程まで濃密な編隊を組んでいた彼女の部下達が一斉にそれを開始したことが悲劇を生んだ。

「わぁ!」
「く、くるなぁ」
「こんなところで!」
パニックを起こしたディンの腰部に直進を続けたアジャイルが衝突する。
中には、地面に突っ込んで大破する機体もあった。
混乱の中、無数の子弾が驟雨の如く彼らの進路上に容赦なく降り注いだ。

「!!」
先頭のディンに乗るエレノアは、己が判断ミスと、
それによって失われる部下の命を、思い、唇を噛んだ。


直後、視界が紅に染まり、今まで感じたことのない強力な衝撃が、彼女を襲った。
着弾点の大地が耕され、醜い土砂色の花が咲き乱れた。
0153ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/07(金) 00:13:53.40ID:9PX6lOSX0
赤外線望遠鏡でその光景を目撃していたゲーレン中尉は、喜色満面に叫んだ。


「やったぞ!」

ほぼ同時に部下の兵士達の歓声が陣地を満たした。

天高く立ち上る爆炎は、市内にいるハンス大尉率いる本隊からも確認できた。

「やってくれたか!」

高層ビルの一室に設置した監視カメラの映像を、
ゴライアスの正面モニターを介してハンスは確認していた。

彼が敵を巻き込んだと判断したのは、地面に着弾しただけでは、
あそこまでの爆発にはならないからである。

そしてそのことは鮮やかな炎の中に揺らめく、舞い上げられた残骸の黒い影が、証明していた。

「総員!!撤収、急げ!」

MLRSの内の一つの設置地点では、先程までそれらの操作に関わっていた兵員達が撤収作業を開始していた。
彼らも指揮官のハンスもこの一撃で空を飛ぶ敵部隊を全て破壊できた等とは判断していなかった。
ゲリラ戦術は敵にその姿を晒さないことが肝心であることは、常識である。

もし圧倒的戦力差がある敵にその姿を見られた場合、ゲリラ戦術を行う側に訪れるのは、死のみであった。
0154ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/07(金) 00:14:50.89ID:9PX6lOSX0
本日は此処までです。
感想、アドバイスお願いします。
0155通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/07(金) 06:16:38.20ID:ZBKLjzOk0
投下乙です!
敵のエレノア襲撃中隊は、戦力でも指揮官と部下の信頼関係も前の話の
バルク小隊よりも上だっただけにこの手の奇策で文字通り一網打尽にされたのは
哀れです
0156通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/07(金) 17:22:21.45ID:BdbwmAbe0
久々の投下、乙でした
本来対地兵器であるMLRSを対空兵器に転用するという行為、連合側の思考の柔軟さと同時に
台所事情の苦しさも伺わせる良い描写でした
一方待ちぶせで一網打尽にされたエレノア隊、敵が近いのに密集して行動するなどあまりにも杜撰なふるまいですが
これも『新兵器で武装したアマチュア』とも言えるザフトの姿をうまく描いていたと思います
0157通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/08(土) 00:06:41.83ID:rNhtH38X0
>>154
レベル低いぞラテ
>>142の人を見習えks
0158通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/08(土) 00:20:19.49ID:KQOnNZdv0
142を見習えってのは、あの程度の小学生以下の駄文を読んで反面教師とせよってことでしょう。

文章書くときの基本

起承転結をしっかりする

風景描写や台詞は判りやすく区切る。

登場人物はモブでも略さ無い
0159通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/08(土) 12:59:01.88ID:z2Xe70CnO
>>157
…言ってて悲しくならないか?

>>ユーラシア氏
投稿乙です。
悲劇と歓喜、両陣営の対照的な反応が
戦争の悲惨さを表せてる気がします。
個人的には視点が中間寄りなので
やや客観的なのが惜しい気がします。
偏ってもいいから、シーンごとに「今回の主役」を決めて
その視点で物語を進めていくと、書き手、読み手共に
感情移入がしやすいかと。

あくまで個人的な感想ですが。
0161通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/09(日) 05:22:03.42ID:doYFqjom0
ユーラシアのSSのどこがいいんだよwwks
地上を攻撃する武器で空中を飛んでる敵なんて撃破できるわけないんだが
ユーラシアのアホはそれを理解してるのか?
0163通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/09(日) 14:44:17.46ID:GgyyczFd0
皆様、どうか荒らしには一切構わないようにお願いします
荒らしに構うことは結果としてこのスレを荒らすことになりますので
0164通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/09(日) 19:55:43.70ID:ttcWwm0F0
投下乙です、して感想を
>>次の瞬間、爆音とともにくすんだ鉛色の雲が占領する空に向かって無数の鉄の矢が放たれた。
この文章が「どのような兵装が使われたか」良くわかりませんでした
鉄の矢という比喩と空へ向かってという内容から高射砲の類なのか
それともガチのニードル兵器なのか(ブリッツガンダムが使ってましたね)
この兵器の描写もまた細かに描く事で深みが出ると思いました
0165ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/18(火) 09:35:18.89ID:0BJZuGWM0
SSを投下します
0166ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/18(火) 09:43:26.17ID:0BJZuGWM0
黒煙に覆われた高熱で燻る大気を引き裂き、有翼の機械人形が2体黒煙の中から飛び出す。

小隊にまでその数を減らされながらもエレノア襲撃中隊は、侵攻を続けていた。
ディンは半数以下の2機に撃ち減らされ、攻撃ヘリのアジャイルは1機残らず全滅していた。

ロケット弾とその破片の直撃を受けたディンは、薄い装甲が災いし、文字通り粉々に破壊された。
部隊指揮官のエレノアの機体もその中には含まれていた。

「なんなの!あの攻撃は、敵の新兵器?!」

乗機の破損個所を確認しつつ、ターニャは敵の姿を求めた。
彼女のディンは、頭部カバーを喪失し、左肩部と右脚部が破損していたが、
幸いなことに飛行能力を維持していた。

また武装も主兵装の対空散弾銃が使用可能だった。

「ターニャ無事か?」その時通信が入った。

「畜生!エレノア隊長も、シャノンも、ピーターソンも、ウィルも、ヘリ部隊の奴らも皆やられちまった!」

通信の相手は、3番機のパイロットのエルマー・アダムスだった。

「そんな!エレノア隊長が!…やられるなんて」
中隊指揮官を務めていたエレノア・チェンバースは、部隊内外からみても優れた指揮官だった。
モビルスーツの操縦技量、部下への接し方、魅力的な容姿…そのどれもがターニャの憧れであった。

そんな人物が卑劣なトラップで撃墜された等、彼女にとっては信じがたいことだった。


…だが、現実は彼女の思いとは真逆であった。
これまでの戦いで常に隣にいた指揮官機の頼もしい機影はそこにはなかった。

「…」
彼女は遠ざかりつつある、後方を映すモニターを拡大した。
背部センサーから取り込まれた映像であるそれは、
中隊の機体の残骸が焼け火箸の様に黒煙を吹き上げて激しく炎上している様が映されていた。

そして高温に曝される残骸の中には、指揮官機の装備していたアークェバスの残骸も転がっていた。
黒く焦げたそれは、火葬場から出されたばかりの遺骨を想起させた。

「………よくも隊長と皆を!許さない!」
白い頬を一筋の涙が流れた。
0167ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/18(火) 09:49:59.20ID:0BJZuGWM0
「ターニャ!敵だ!俺達の右側にいる!」
エルマーが、そういうと同時に彼女のディンの正面モニターに画像が表示された。
NJの影響で画質の荒い画像、そこには市街地へと逃亡する車両の姿が映し出されていた。
ターニャのディンは、それを見逃さなかった。

「あいつか!」
「俺は攻撃してきた敵の兵器を探る!」
この時点で彼らは、戦友たちを一撃のもとに屠った兵器の正体に全く気付いて無かった。
その為、それがまた使用される可能性を彼らは考慮していたのであった。
「わかったわ」
ターニャもそれに応える。

傷ついた天翔ける機械人形は、二手に別れ、行動を開始した。
それぞれの任務を果たすべく…
0168ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/18(火) 09:58:21.21ID:0BJZuGWM0
「上空に敵機!こちらに食いついてくれました!」

接近してくる機影を双眼鏡越しに確認した連合兵はジープの荷台で叫んだ。
「よし!作戦通りだ」
口元に笑みを浮かべ、ドライバーの連合士官が言う。
その連合士官は、浅黒い肌とドレッドヘアが特徴的で、もし連合士官の衣服を着用していなければ、
大西洋連邦のストリートで楽器を振り回して奇声じみた声を上げているロックミュージシャンと間違えそうだった。
直後、彼らを乗せたジープの真横で着弾の土煙が幾つも上がった。

それは、ディンの主兵装である対空散弾銃から放たれた散弾によるものであった。
土埃を舞い上げてジープは荒野の如くささくれだった道路を疾駆した。
その背後をターニャのディンは影の様に張り付いた。

「糞!烏野郎!」
後部座席に座る連合兵は、自動小銃を乱射したが、
モビルスーツの装甲の前では無意味の等しい行為だった。

対するターニャのディンも中々攻撃を仕掛けることが出来なかった。
万全の状態ならば、鷹が兎を仕留めるかの如く容易く撃破できる標的・・・だが、損傷を受けた現状の機体では、限界があった。
一歩間違えば地面と衝突する。
ディンの主兵装である対空散弾銃は、腕で保持する必要があり、その為に姿勢を空中で変える必要があったためである。
これは、飛行MS ディンの欠点の1つとも言えた。
距離を取って撃とうにも照準センサーが先程の攻撃で損傷しており、更に一定以上に高度を上げることも不可能であった。

また操縦者であるターニャは、撃墜スコアの上では十分エースと呼んで差支えなかったが、射撃の技量は平均レベルだった。
またジープの様な小目標に戦車や装甲車に対してやるようなバースト射撃を行うのは、
弾薬の浪費であるとターニャは、認識していたのである。

やがて市内に林立する高層建築へとジープは逃げ込んだ。
ターニャのディンもそれを追う。ジープは右折した。

「次で仕留める」
獲物をしとめるべく、ターニャはディンを右折させる。彼女は勝利を確信していた。
広い平野と違い、障害物がある市内ではこちらもそうだが、ジープも速度を緩めざるを得ない、
そこを仕留めることは簡単であると判断していたのだ。
0169ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/18(火) 10:07:13.42ID:0BJZuGWM0
今日は此処までです。皆さん今回の投下分の中でぞんざいに扱われている戦友がいます
分かる人いますかね
今までの投下分でヒントが出ています。

>>164
その点に関しては後の部分でロケット兵器だということが説明されているので、そういう説明になりました
分かりにくければすみません
>>159
客観的、を心掛けたのは、自分の癖もありますが、最近見たイーストウッド監督の映画 アメリカンスナイパーの
影響もあります。この作品はイラクゲリラ側のスナイパーにも家族がいることが
描写されていたりします。今後は崩す可能性もありますが

では皆さん今回の投下分への感想、アドバイスをお願いします
0170通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/18(火) 20:53:47.21ID:zm+g08Qm0
投下乙でした
動けるのが損傷したディン2機じゃもう部隊として戦える状態じゃないですね
上層部に報告を行って撤退の許可を求めるような状況だ
だがターニャは感情に任せて罠へ突っ込んでゆく…これは死亡フラグ?

あとアドバイス的なものを幾つか
>>166の最初の所で『ロケット弾とその破片の直撃を〜』とありますが、>>152
『空中でロケット弾頭が一斉に破裂し、内部に封入されていた子弾を撒き散らした。』
という一文がありますので、ここは『撒き散らされた子弾と破片の直撃を〜』としたほうが
良いと思います
それと>>166の後半で『焼け火箸の様に黒煙を吹き上げて激しく炎上している〜』という部分がありますが
火箸は基本的に鉄などの金属で作られるものですので、ここはなにか他の燃えやすいもので例えたほうが
良かったと思います

>ぞんざいに扱われている戦友
うーん、誰だろう……?
0171三流(略
垢版 |
2015/08/18(火) 22:07:09.72ID:earnOZFfO
投下乙です。
いろいろ感想はありますが、先の展開との兼ね合いもありますので
ここでの意見は控えておきます。
続き楽しみにしてますよ。





いいなぁ、感想多くてw
0172通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/19(水) 15:22:48.54ID:NjOMVpim0
ユーラシア氏投下乙です
大損害受けて戦闘続けようとするザフトは勇敢なのか無謀なのか・・・・

>>170
戦友っていうのは戦死したザフトの部隊のメンバーだろうか?
でもぞんざいに扱われてるってのが気になる
0173通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/19(水) 16:22:36.70ID:mtZCaqeL0
>エレノア隊長も、シャノンも、ピーターソンも、ウィルも

エレノア 女性名
シャノン 姓・男女名
ピーターソン 姓
ウィル 男性名短縮型

確実に姓呼びのピーターソンだろうか?
とここまで考えて単純に一緒くたにされたヘリ部隊の奴らのことかも知れないと思いだす
0174通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/20(木) 19:01:01.78ID:GKLfOSbz0
>>173
ヘリ部隊の連中と予想、確かユーラシア氏の最初の方でザフトではモビルスーツ以外の兵科
の人間が見下されてる的な描写がされてた様な気が
0176ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/22(土) 11:32:11.45ID:GDzdxUIQ0
SSを投下します
0177ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/22(土) 11:57:54.82ID:GDzdxUIQ0
右折と同時に、ターニャの視界に飛び込んできた光景は、停車したジープの姿だった。
その荷台には、対空ミサイルランチャーを抱えた兵士が立っていた。
次の瞬間ランチャーが火を噴く。
ディンに向けて高性能爆薬が詰込まれたロケット推進の槍が突進した。


「当ると思って・・・・・ぐっ!!」ディンは、空中で機体を少し傾け、攻撃を回避する。
ミサイルは、ディンを掠めてビルの一つに着弾した。

次の瞬間、ターニャを衝撃が襲った。彼女は、周囲を見渡す。
ディンの左隣には、4門の対空機銃を載せた車両が猛火を彼女の乗機に浴びせていた。

スカイデストロイヤー 対空自走砲………この車両は、元々大西洋連邦軍欧州派遣軍第34歩兵師団所属のもので
故障によって爆破放棄される予定だったものを編入したものだった。

故障の為移動不能だったが、載せられた対空火器は、弾薬の続く限り使用可能で、砲台として運用可能であった。
周囲を高層建築が聳え立つこの場所では、遮蔽物のない空間では高機動を誇るディンは、籠の中の鳥と大差なかった。

高速で豪雨の如く放たれる対空機銃弾が、ディンを撃ち据える。
飛行能力を高めるため、軽量化が施された装甲は、それらの攻撃に無力すぎた。

「こんな・・・ところでっ!」
ターニャは、自身が罠に誘い出されたこと、そして自身がまもなく火箭の暴雨の中で散った戦友の後を追うことになることを
理解して悔しさの余り歯噛みした。
直後、対空機銃弾が胸部装甲を貫き、コックピットブロックを吹き飛ばした。
搭乗者を失ったディンは、胴体部から炎と黒煙を吹き上げながらコンクリートの地面に墜落して砕け散った。

「やったぜ!」
黒人系の連合士官、第22機甲兵中隊所属のドミンゴ・ルシエンテスは、白い歯をむき出しにして笑った。
0178ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/22(土) 12:11:10.28ID:GDzdxUIQ0
同じ頃、エルマーのディンは、MLRSの設置地点の一つに到着していた。

ディンの目の前には、火山の噴煙の様に白煙を上げる四角形の物体とその周囲には、発射時に爆風で跳ね飛ばされたと思しき、
隠蔽用の特殊迷彩塗料を塗布した黒いシートが散乱していた。

「対地ロケットだと……馬鹿な!」

ろくな誘導装置すら付いていない地上攻撃用の兵器に航空部隊である自分達が攻撃され、
多大な犠牲を払ったという事実を彼は受け入れることが出来ずにいた。

追い打ちをかけるかの様に彼に更なる凶報が齎された。

直後、モニターに映っていた僚機を示す光点が消えた。
それは市内に突入したターニャのディンのものであった。

「そんな、エレノア隊長の次はターニャがやられるなんて…」

エルマーは、最初それが、IFF(敵味方識別装置)の故障だと思った。
だが、市内から立ち上る煙は、それがIFFの故障等ではなく事実であるということを雄弁に物語っていた。
「…」

エルマーはディンを反転させた。
もはやエレノア襲撃中隊は、壊滅した。

戦力的にも生き残ったディン1機でバルク偵察小隊を全滅させたと思われる
市内の地球連合軍部隊を撃破することは不可能である……
バルク偵察小隊に続いて壊滅したエレノア襲撃中隊、最後の生き残りであるエルマー自身がそれを何よりも認識していた。

現在の彼に出来ることは、後方より進軍して来るウーアマン中隊を初めとするザフト軍本隊と合流し、
市内に潜伏している地球連合部隊の戦力が油断できないものであると報告すること………ただそれだけである。

だが、その現状認識が正しいということと彼自身の人間としての感情は異なっていた。
0179ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/22(土) 12:28:46.26ID:GDzdxUIQ0
「くそおおおおおおおおおおおお」
エルマーは、ディンのコックピットの中で吼えた。

エレノア隊長を!皆を殺されて一人だけ逃げるのか…俺はそこまで弱虫の屑なのかよ…

戦友の仇を討つことが出来ない無力さとそれを認識し、それを肯定するかのような行動を選択した
自分への嫌悪感の余り、今すぐ死を選びたい心境だった。

もし彼がプラントの都市管理機構の下水処理局員としての3年の労働の経験、
ザフト入隊時の訓練、そして先程まで彼の上官として存在していた指揮官 エレノアの存在によって
自制心を学んでいなければ、
彼は、乗機のディンを下界の雑草が繁茂した草色と土色の大地にぶつけていただろう。

「エレノア隊長…皆、俺は悔しいが、お前らの仇を討てない、
だが、後ろにいるザフトの仲間がきっと仇を討ってくれる。」
両頬を涙で濡らしつつ、かすれた声で言葉を紡ぐ、彼は懺悔しているかのようだった。

背を向けて単機で去っていく、敵機に対して市内の敵は、銃弾一つ撃つこと無く沈黙していた。

恐らくNJ下で誘導兵器の信頼性が低下している今、市内から攻撃する手段がないのだろう。
とエルマーは推測した。

「見ていろナチュラル共、お前らは必ず我々ザフトが殲滅するぞ…」
彼は、憎しみに燃える目で後方を一瞥した。
次にふと彼が考えたことは、ターニャにとうとう最後まで自分の気持ちを
伝えることが出来なかったということだった。


都市を背にし、去っていく黒い影、それを地上から覗く者達がいた…彼らは、
市内にいる戦友達へと自らの得た情報を伝えた。

「偵察兵より連絡!最後のディンの後退を確認、敵襲撃機部隊は、1機を残して撃破されたようです。」
「了解した。偵察活動を続けてくれと伝えてくれ」

有線通信による偵察部隊からの報告を受け取ったパドリオから報告を受けたハンスは、
そういうと通信を切った。
NJ下において有線通信の信頼性は無線通信が使用不能となった今では、距離がある程高まっていた。
0180ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
垢版 |
2015/08/22(土) 12:35:39.95ID:GDzdxUIQ0
今日は此処までです。
ぞんざいに扱われている戦友ですが、>>173 >>174氏の予想通りヘリ部隊の隊員です。
ちなみにエレノア、シャノン、ターニャの3人は最近視聴したアニメのモブから拝借した名前です

では、みなさん感想、アドバイスの方お願いします。
0181通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/22(土) 19:39:32.47ID:oU2e02NH0
投下乙
ターニャに気持ちを伝えてたら自分にも死亡フラグが立っていたと考えるんだエルマー君
0182通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/23(日) 12:22:02.85ID:ZyJnPyZaO
投下乙。
兵器の解説に尺を取りすぎて、テンポが均一なのが気になります。
途中の流れはもっとテンポよく進めて
見せるべきシーン(ターニャの最後とか)に
もっと凝ってみるといいかと。

あと、ここで書かれたツッコミのフォローを
後の話でする必要はないですよ。
0183通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/23(日) 23:00:43.21ID:YygTFoBh0
必要最低限のアッサリ描写に拘る書き手もおられるでしょう
それが無情に命が失われる戦場を舞台としているなら尚更かも
即死ではなくのたうち回って死ぬ結末なら描く必要もあるとは思いますが
0184通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/08/27(木) 16:50:04.55ID:78g1zx0s0
投下乙
敵も人間だってことが分かる描写があるといいですね
次の敵はどう来るのか・・・
0185新人スレ住人 ◆tOSpv3Q.fqF6
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2015/08/31(月) 21:21:55.25ID:Sp+sFmEy0
どうもご無沙汰しておりました。
また、職人諸氏投下乙であります。

長らくお待たせして申し訳ありません。
読者さん及び職人さん方の交流掲示板を設置しました。

ここでは書きにくいようなSSに関する雑談や、
職人さん方の創作に関する相談などにご利用ください。

また、荒らしやなりすまし対策のため、リモートホストの一部を公開する設定になっております。
ご了解の上お楽しみいただければ幸いです。
次スレよりテンプレ>>1に追加します。

ttp://shinjin-ss.bbs.fc2.com/

また、投下作のwikiへの掲載につきましても、現在遅れております。
申し訳ありませんがぼちぼちやっていく予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
0187通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/09/23(水) 20:04:03.13ID:GCnO8IpS0
>>179
プラントの都市管理機構の下水処理局員としての3年の労働の経験<この1文を見て
ふと思ったが、エルマーって部隊内ではかなりの年長なんだろうか?
0188ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/02(金) 13:45:22.16ID:zR/mxm9Z0
投下開始
0189ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/02(金) 13:47:44.00ID:zR/mxm9Z0
「エレノア隊が全滅しただと・・・?!あの都市の地球連合はどれだけ戦力を有しているんだ?」
市内に突入する予定だったウーアマン中隊指揮官 ケヴィン・ウーアマン中隊長は、狭い車内に大きく響く声で言った。
彼の遺伝子操作の産物であるエメラルドの様な緑色の目は大きく見開いていた。

その発言は、報告者であり、唯一の生存者が目の前に立っているということを考えると余りにも
無思慮であった。
だが、戦場でその様なコミュニケーション上の配慮を求めるのは、酷であった。


彼の視線の正面には、先程帰還してきた唯一の生存者…エレノア襲撃中隊のMSパイロット エルマー・アダムスが反対の座席に腰掛けていた。
その顔は青ざめ、鳶色の双眸は、目つきが刃物の様に鋭くなり、白皙の肌からは艶が失われ、車内の赤い照明と相まって
墓場に埋葬される直前の死体の様に見えた。

それは、まるでB級ホラー映画で使い古された人を生ける屍に変容させる架空の疫病の初期症状を患っているか
のような錯覚を見る者に与えるものであった。

精神面での影響が肉体に及ぼす悪影響は、これ程のものなのか、とケヴィンは、唇を歪めて思った。
0190ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/02(金) 13:54:05.21ID:zR/mxm9Z0
第1次世界大戦以来、科学技術の所産が戦場に投入され、それに伴う戦闘期間が長期化した近代戦によって蒙る兵士の精神面の
ダメージとそれが齎す影響についてはその重大性は、十分軍部にも政治家にも認識されていた。
再構築戦争とその前後の紛争で多くの戦争後遺症患者が生みだすこととなった地球の国家の軍隊は、
対策として専門の心理カウンセラーを置いており、また同様にザフトも心理カウンセラーを置いていた。
精神疾患の発症率では肉体的にナチュラルよりも優れているコーディネイターも変わらなかったからである。

尤も心理カウンセラーのカウンセリングをエルマーが受ける為にはディンを操縦して
後方に展開する陸上戦艦を有する部隊と合流する必要があった。


戦闘中であることを考慮すると精々、医務室で精神安定剤を服用させられるのが関の山だろうが・・・彼自身、
同僚であり、友人でもあったエレノア・チェンバースが部下と共に戦死したことについてはショックを受けていた。

本来なら彼の部下で、同じく戦死が確実視されたバルク小隊が偵察&掃討任務を終えていた筈だった。

彼にとっても現在のザフトの優位を確立した最新兵器のモビルスーツがこうも容易に
失われたということに驚いていた。
直後彼は、エルマーが自分に許しを求めるかのような視線を向けていることに気付いた。
慌ててケヴィンは、質問を続けた。

「それで敵部隊の戦力は?エレノア隊を全滅させたのはどんな兵器だ?」
そしてエルマーは口を開いた。
0192ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/02(金) 14:00:22.91ID:zR/mxm9Z0
「敵は、私の部隊の進路を信号弾でトレースし、予想進路上に多連装…MERSを発射することで全滅させたんです!その後ターニャが市内に突入を図り…戦死しました。
私は敵の兵器の確認しに向かったので、敵は見ていません。」
「対地兵器を転用したトラップか・・・」
「それとターニャを撃墜したのは、恐らく対空戦車によるものだと思われます。」
エルマーは、報告を終えると何度も荒い息を吐いた。
まるで激しい運動を終えた後の様に過呼吸気味になってしまっていた。

「ありがとうエルマー、君が生還してくれたことで我々は貴重な情報を得ることが出来た。
中隊員全員を代表して感謝する。少し休むといい」
前線で休めるとは思えないが。脳裏でそう毒づくとケヴィンは、
いたわる様にエルマーの肩に手を置くと、指揮車の外に出た。

指揮車の周囲には、索敵車、ミサイル車や兵員輸送車等の戦闘車両の姿があった。
それら車両部隊を護衛する様にジンやザウートが展開していた。
なお先程帰還したエルマーのディンは、最後尾の輸送トラック改造の整備車の後部トレーラーで整備兵による応急修理を受けていた。
0193ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/02(金) 14:12:10.26ID:zR/mxm9Z0
少し遅れてエルマーが指揮車から出た。

「君は後方の<リヴィングストン>に帰還後、医務室で心理カウンセラーの所に行くように」
ケヴィンは、エルマーに指示を伝えると、彼を見送るべく、後に付いていった。
整備車両の上には、エルマーの乗機であるディンが立っていた。
破損個所がいくつか整備されており、煤塗れで帰還してきた時の姿より綺麗に見えた。

エルマーは、整備車両に座っていたディンのコックピットに向かった。
そしてコックピットハッチの上に立ったエルマーは、最後にケヴィンの方向に振り向く。

「ケヴィン中隊長、必ずエレノア隊長と仲間の仇を討ってください!」

力強い声でエルマーは言った。
その表情は先程と比べるといくらかマシに見えた。

「ああ、必ず撃破してみせるよ」
直後、胸部コックピットハッチが閉じられ、ディンは空へと飛翔していった。

ケヴィンは、背後にある現実へと振り向いた。彼の視線の向こうには、
ザフトのモビルスーツ部隊を2つ屠った地球連合軍部隊が潜んでいるであろう放棄された都市が、
コンピュータゲームに出てくる魔王の棲む城塞の如く聳え立っていた。
0194ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/02(金) 14:16:22.83ID:zR/mxm9Z0
今日は此処までです
感想の方お願いします
0195ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/02(金) 14:19:36.05ID:zR/mxm9Z0
書き忘れ
>>187
プラントの成人年齢は15歳ですよ〜
エレノアよりは年下とイメージしてください
0197通常の名無しさんの3倍
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2015/10/03(土) 10:51:03.35ID:o2unCIcM0
ユーラシア氏乙
次の敵は油断できなさそうですね
流石にザフトも2部隊も潰されたら油断しないでしょうけど

つプラントの成人年齢
そういえば、15で成人設定でしたね、種の時点でクルーゼ隊の4人は成人なわけか
尤もプラントは民主主義国家ではないですがw
楽しみにしてます
0198ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/06(火) 15:39:39.20ID:r3U869ih0
投下開始

ウーアマン中隊は、10機のジンと25両の装甲車両で編成され、支援を担当するカッセル軽砲小隊と偵察を担当する
バルク偵察小隊を指揮下に置いていた。
現在、バルク偵察小隊は未帰還であり、指揮官であるケヴィンの指揮下にあるのは
ウーアマン中隊とカッセル小隊のみであった。

「バルクとエレノア達の為にも何としても敵を撃破せねばな」
ケヴィンは、乗機のジンに乗り込んでいた。
彼のジンは、頭部のブレードアンテナが大型化され、地球連合軍の戦車の残骸から回収した爆発反応装甲
を胴体部に張り付け、防御力が強化されていた。

「さて、敵の兵力はどれ位だ?」
指揮下の通信車両から無人偵察機が収集した市内の画像が転送される。
それらの画像には荒廃した都市とそこに横たわるモビルスーツ ジンの残骸の姿を映したものもあった。

「バルク…間に合わなかったか」
エレノア隊からバルク機から支援を要請する緊急通信を受けた段階で、
バルク隊が全滅の可能性は考慮していた。そして、エレノア隊の全滅が判明した時、それは確信となっていた。
しかし、いくら覚悟していても、数日前、数時間前に言葉を交わした同僚がこの世の住人ではなくなるということは、
ザフトの前身である黄道同盟時代の武装闘争にも参加していたケヴィンにとっても慣れることでは無かった。

「バルク小隊を撃破したことを考えると戦車1個中隊、支援の歩兵が500〜2000以上居ると考えられます。」
部下の一人が通信で応える。作戦会議は、指揮車ではなく通信を通して行われた。
近距離なら電波障害の影響も少なく、通信車両のサポートもある為問題は無い。
本来なら指揮車で顔を突き合わせて行いたかったが、いつ敵の航空攻撃や少数のゲリラ部隊による逆襲が無いとも考えられない以上
ケヴィンは、安全の方を優先した。
0199ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
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2015/10/06(火) 15:42:59.60ID:r3U869ih0
「歩兵部隊の数が多いな、少なく見積もってもこちらの数倍とは覚悟していたが厳しいな」
モビルスーツは、宇宙、地上、水中、空中で縦横無尽に活動し、現在、最強の兵器と言って差し支えない兵器であり、
ザフト軍の快進撃はそれを証明していた。

しかし、どれだけ技術が発達しても最後に勝利した後にその地域を制圧占領するのは、歩兵なのである。

これは、数千年前にシュメール人がチグリス・ユーフラテス川の近辺に最初の都市文明を煉瓦と青銅と犂鍬で築き上げた頃から変わらない原理であった。
その代替として再構築戦争以降、各国が軍事用ロボットの開発を進めているが、コンピュータウィルスや今次大戦のNJによる電波障害等の影響で
歩兵に代わる存在には至っていなかった。コロニーを国土とする国家故、人口で地球連合側に遥かに劣るザフト軍は歩兵の数で常に劣勢であり、
アフリカ戦線では北アフリカ共同体の兵員で補填していた。

特に都市制圧戦では、モビルスーツや戦車、戦闘機等よりも歩兵の存在が重要になる場合が多く、
稀に市内に立て篭もった敵部隊の連携攻撃にモビルスーツが不覚を取ることもあった。
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