·・・言っては何だが、技術も減ったくれも無いな。 

 焼き方は合ってるのだが、ただ火を通しただけで全体に熱が行き渡る様に回転をさせてないから半分の面が焦げかかってて、半分が生煮えだ。 

 ご飯は流石に普通だが、肉は酷いもんだ。 

 それを皆何も言わずに美味しそうに食べている 

「あのー、少し聞くけど、いい?」 

 俺はなるべく失礼のない話し方で言った。 

「何かな?」と奥さん 

「この肉の焼き方なんだけど、これは何処でもこのやり方?それともこの家だけ?」 

「この焼き方も何も、他に如何焼けと言うの?」とリンナ 

どうやら、本当に分からないらしい。 

「先ず、恐らくこの針の棒を指して竃に入れ込んだだけだと思うんだけど 
竃の上に網か何かを置いてそこに人数分の肉を一旦置いて、程よく焼けたら裏にしてまた焼く。 
 こうすれば両方に均等に熱が加わるんだけど?」 

「・・・なるほど、考えた事も無かったわ。なら君が一度やって見せてくれない?奥さんはそれに付いて見て貰って方法とやり方を盗ませて貰ったらどう?」