猿回しの猿は反抗の雄叫びをあげようとも
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音楽が鳴り始めれば、結局、教えられた通りの踊りを踊ってしまう。 踊って笑うか、全てをやめるか ふたつにひとつしか無い事を知っているから。 俺らと同じだな。 Adv.4 キャットウォーク OPテーマ 鳥山雄司 - Lumberjack https://youtu.be/03hhT19xiyU メガランチャーからデブリ帯に大きな開きの出来た宙域へ、EWAC仕様のクゥエルから報が飛ぶ。 「デブリ群が寄ってきています! このままだと...」 「ナワテ現象か!」 太陽風で掃き溜められた無数のスペースデブリは、磁場やミノフスキー粒子の干渉で細い一本道を紡ぎ出すことがある。 その件は敵方、ムーロム側でも察知するところであった。 「狭い戦域の正面突破では数の少ないこちらが押し負ける... 向こうが集結する前に各個撃破だ、行(ゆ)けぇッー!!」 ~ スタッズ・ロニガンGCR ~ 「ナワテだ...逢魔が時だな」 ドロイド・シーカーの分析結果から流れを見抜いたカロルは 早速準備もそこそこにギガンとベサント隊で経った。 「この一帯のデブリにも来るか?」(カロル) 「距離があるからいつもと変わらん」(ポスカ) 「いつも通りの運任せか」 一息おいて 「さっきの無差別砲撃でこっちに流れてきた機体もあるはずだ。 督戦隊は深追いせず追い払え。 穏便に回収すること、でなくば介助してグイグイ双方に貸しを作れ!」 「極端だな...」「離反する?」 「俺ぁアクシズもティターンズも嫌だね、胡散臭い」「ここだって大概だけどな」 戦場へ近づくに従い、MSの首や足やポッドの漂着が徐々に増えていった。 ~ 『根城』ホジェンド 「猿の手」モニター室 ~ 「部隊はあと5分で戦域に到達します。 ...今後も、このような『兵器』を使い続けるのでしょうか?」 フォルガナは今回のような作戦に好意的ではないようだ。 「ジャンギャリーの人口は多すぎる、そして戦力確保のためにはニタ研のあぶれ者連中も食わせねばなるまい。 それとも、連中が食うに困って新しいサイコガンダムを作るところでも見たいか?」(ジェスネン) 「いいえ、全く」 フォルガナたちの指揮するJr.MSは全身に高推力のスラスターを備え、デブリ帯を効率的によく動いた。 ~~~~~ BGM Luisa Maita - Fulaminha https://youtu.be/B45oWpQK_Uc ナワテの狭まりを阻害するように扇状にナックルバスターの光線が広がり 次々に竜騎兵(チャイカ)たちが向かってくる。 武警(クゥエル)もビームランチャーやハイパーバズーカで迎え撃ち 督戦に出ていたJr.MSも盾になるデブリを集積し始め、 広がる爆発が少しずつ、だが確実にナワテの中に封じ込まれていく... 「おい、まだ息をしているか」「直ぐSFSが来るからな」 「使い物にならねぇ足は切るぞ、いやMSのだよ!」 一方、レスキューに来たカロルの部隊は 機体の軽量化、デブリへの干渉を防止するために不要な部位をカットする場面もあるが 基本は専用のカッターや溶断機で機体へのダメージを最小限に留め、 それらの不足時にはビームサーベルの出力を調整して応用する。 (ベサントのサーベルは不測の会敵時のものだ、余計な出力は削いであるが...) 「待て待て、そんな手付きじゃ生きてる配線を何本切っても足らんから」 カロルもギガンのクローアームで器用にサーベルを握る。 「回収したクゥエルの第1便、出します!」「よし頼む」 そしてクリアになってきた戦域までの空間を、実戦を担うドーガ系やジェモ隊が飛び出していった。 ~ アレクサンドリア級 トプカピ ~ 「司令、ここは撤退を...」(艦長) 「メガランチャーまで撃って、出戻りでは済まんのだ! このルリフォト・サハリン、前線指揮を摂る!」 カタパルトを滑り出していったクゥエルは肩アーマーがアクトザク、両腕にバーザム用ライフルをマウントし 膝下はネモIIのバーニア装備を移植して推力を向上していた。 「艦長! 我々はどうすれば...」 「...各ポイントの哨戒に出している部隊をここに集結させる。 こうとなったら一点突破しかないだろう」 「間に合いますでしょうか」 「その為の督戦隊だろう!」 戦線は混沌としていた。 ~~~~~ 「横にも目を付けろーっ!!」(タマニー) 迫りくるデブリに双方何機かの爆発が観測される中、 ルリフォトのクゥエルは颯爽と現れ、数機を瞬時に爆発させる。 「タマニー大尉(中佐)、無事か!」 「C,Commander! 何故に出てきたのです」 「発破をかけてやろうとな、残弾は足りているか?」 「まだまだこれからです!」 「一旦補給を」(アスター) 「よし、中央突破で行くぞッ!」 「ちょ」 余力と活気のある数機が続いた。 (流石に巻き添えを恐れて続かない兵が多いな......ここらが潮時か) アスターに督戦隊を含めて多くの兵がルリフォトを見限り始めていた。 ~~~~~ 「うわっ、何だ?!」 「救難だ、ちょっと大人しくしていてくれ」(カロル) 「ぐゲっ!」 ギガンの左クローアーム掌底部から結束線を打ち出し、右手のハッカーで手早く〆る。 そうやって固定した機体を3-4機、ワイヤーで牽引してSFSに運ぶわけだが...... (荒っぽいな...) 「むっ」 射程外から飛んできたビーム弾を咄嗟に躱すと、それがデブリに着弾して掴んでいたクゥエルを揺らした。 「ひっ!」 ワイヤーが切れて結束した数機がバラバラになり始める。 (不味いな...頼むぞ) ハッカー先端からの光信号でベサントを呼び出し、鹵獲機を任せるとカロルは火線の方へ飛び出した。 「私たちも積極的には介入しないわ。 撃ってきても先ずはダミー射出、それからサーベルを握っておくこと」(ぺぺ) 「早速きた!」(アピア) 高速で左右に離脱するクェル・ドーガとバギ・ドーガ。 雨が降ったら傘を差すように、空間にバルーンが広がっていく。 その幾つかが弾け、向こうから小型の機体が突撃をかける。 「作業用?!」 Jr.MS・ジョックは機体各所にプロペラント兼用の大型スラスターを備えた高機動型だった。 「ここは任せろ!」 「分かった!」(アピア) (この機動力、モビルビットか...? しかし挙動が緻密で、脳波コントロール以上だ) ジョックは追いついたカロルのビームサーベルとハッカーを迅速に避けて 通常の手足を換装したと見られるバルカン砲や小型ミサイルを放ってくる。 一発がギガンのブースターに被弾! 「カロル!?」(ぺぺ) 「大丈夫だ ー 本体は」 即座に切り離したカロルは継戦に突入する。 弾幕を右肩シールドでいなして、挙動が鈍くなった一点を突いてサーベルを一閃。 小型機の臓物が顕になる。 「有人機......だと......?」 機体は虚空の光になった。 ~~~~~ 一方で先行したぺぺは、やはりホジェンドから出たMSグロ・サンジュと対峙。 (全天のCG合成に時間が掛かってる ー 電子戦仕様? 全高は18か9、唯の人型の機動じゃない ー ) やはり俊敏に動くグロ・サンジュはバックパックからビームを放ち、広範囲のデブリを爆散させる。 ビームバイヨネットで反撃を放ちながらデブリ間を縫い、距離を詰めていく。 「!」 それは一見するとザクII、しかし背部から6本指のアームを伸ばす異形の機体だった。 「しまっ」 組み付かれ、その6本の指先にメガ粒子が充填され... 間一髪、ぺぺ背後からのビームで消し飛ばされる。 「ぺぺーッ!」 「アピア!」 背中合わせのドーガ・チームにグロ・サンジュが2機3機と集まってくる。 ナワテは音もなく狭まり続けていた。 EDテーマ Forro in the Dark - Zavebe https://youtu.be/unExUG5Q3TI Adv.4脱稿 ナワテというのはつまり畷(田の間の道)です ジョックは南アフリカの鉄道駅で信号手をしていたとされる猿から、グロ・サンジュは同国に伝わる猿の妖怪からの命名です。 「猿の手」というのはこういうスレを使わせてもらうからにはの言葉のあや、免罪符として考えたものですが 『外部からマニピュレートされるJr.MS』と『サブアームを持つザク』のどちらにしようか決まらず ええいやっちまえ!で両方を出した次第(笑) 後者はマニピュレイションシステム装着型ザクのバリエーションで考えてます (但し背部サブアームはサイコミュ試験用ザクがベース) AMBAC肢の追加とスラスター強化の他、機動力をつけるためにアンデヴ(Andevo, 奴隷)を載せて 脳機能を流用しバイオコンピュータ化するなど結構な外道仕事です。 ハッカーというのは結束線を縛るための工具で、虫っぽくていいなぁと思って取り入れました そもそも反連邦派の寄合い世帯ジャンギャリーで元連邦軍エリートは合わないだろうてんで滅亡が決定したサルトですが 長谷川年表を使えば70年と経たずにティターンズ残党(キュクロープス)は復活します、俺たちの汚名挽回はこれからだ! ではまた次回 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.1 2024/04/28 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる