パワーを感じさせる坂本の演技。
< 坂本花織『アメリ』 >

A氏:体のラインというかポジションは良いのかもしれないが、エネルギーが体から外に出ていない感じに見える。マリオネットっぽい振付と音楽は、彼女の子供っぽさとマッチしている。
B氏:面白い振付。ただ動きがまだ滑らかではない。パワーは感じるが、もう少し力を抜いて伸び伸びと動いたらさらに良くなるはず。体の伸ばし方が足りない。最後のコンビネーションスピンがいい。全体的に少し力みが感じられる。

まだ幼さの残る彼女に合った良い振付というのは全く同感。体の伸ばし方が足りず、エネルギーを外に出し切っていないというのは、興味深い意見だ。

2人が絶賛した宮原の演技の美しさ。
< 宮原知子『蝶々夫人』 >

A氏:動きは安定しているので、見ていて不安はない。しっかりとしている。膝が柔らかいのだと思う。アラベスクのラインがとても綺麗。
B氏:足元にしっかり体重が落ちているのが良い。バランスの良さ、調和がある。足元が軽やかで、体重移動がきれい。力みがない。音楽性が良く、体の動きとよくコーディネイトされている。
体のラインがよく伸びている。ただジャンプのところで少し縮こまる印象。アラベスクのラインがとてもきれいで情緒的。振付は特にオリジナルではないものの、よく出来ている。

2人とも口を揃えて、宮原のアラベスクのライン、フィギュアスケートでいうスパイラルポジションの美しさを絶賛したのは、さすが英国ロイヤル・バレエ団の元プリンシパル、吉田都に指導を受けただけのことはある。
これらはあくまでも舞踏家として、バイアスのない第三者の目から見てもらった結果。

A氏は、「きつい評価もしましたが、このスケーターたちには頭を下げます。これまで積んできたトレーニングは尋常ではないはず」と締めくくっている。
女子フリーを見るときに、「こんな見方もある」ということで楽しんでもらえたら幸いである。

http://number.bunshun.jp/articles/-/829984?page=4