アメリは音楽の使い方と要素の配置が非常に良く考えられているね
ちょっと長くなるけど考察

前半はシンプルで雄大に見せる
緊張感のあるオープニングからコンボ直後にオーケストラが入り
坂本さんのエッジの深い伸びるステップと良くマッチしてる
そして1分40秒の段階で前半部分を切り、
観客にもう2分経ったかのような時間的錯覚を起こさせる
少女が再び人形に戻りかけるというミステリアスな振付けで、
その後の展開への期待感を高めつつ
9つものエレメンツをこなす後半の時間を圧縮

流れを切りがちなスピンを入れる位置もうまい
後半開始早々に入れるのは普通はジャンプだけど、アメリはスピン
静の部分が休み目的ならこんな構成にはしない
曲調の切り替わりと合わせるあくまでも曲主体の配置
リショーが大切にしてるのは最後のLa Noyeeの疾走感を
スケーターがダレる事なく滑り切ること、それがこのプロ成功の最大の鍵
魂のない人形が生命を得て色とりどりの世界を飛び回るという物語で
最近の似たり寄ったりのプロにありがちな1本調子とはひと味違う構成
それがディープエッジでジャンプを流れのまま跳ぶ事が出来る
坂本さんの強みと見事にマッチしてプログラムに独特の高揚感を与えてる
奇妙に聞こえるかもしれないけどこのアメリは坂本花織ありきで
他の誰がやっても成功しないと思う
もうその時点で半分以上成功してるとも言えるかも

その上で後半ジャンプは2分30秒まで跳ばず
セカンド3Tを含む三連に至っては3分15秒まで跳ばない超ハードモード
前半にコンボを入れられなければ、終盤にリカバリーする鬼のバックアップ体制
ちっとも楽なプログラムじゃない
そもそもディープエッジでリンク目一杯使って滑るってのは
フラットエッジでちょこまか動くよりずっと足腰に来るし
後半自分のスピードに負けないようにコントロールするのも相当の大変

ショーでのお披露目の時から
「坂本さんはとても良いプロをもらったな」と思ってた
滑りこなせばきっと良いステップアップになると

ここまでの大躍進は予想していなかったけどw