技術と芸術性のバランスが難しいです。
私がオリンピックに 最初に出たのは2002年のソルトレイク。 2002年って今から16年も経っているんです。
私が今教えている生徒たちはまだ生まれていない!おかあさんやご家族が「村主さ んのあの演技」と熱く語ってくれるんですが、娘たちはぽかんとしてます。

それまで私はスケートの芸術性をわかって いませんでした。
私は4歳から6歳くらいまでアラスカに住んでいたのですが、日本に帰っ た後、母は子供達がアメリカで体験したこと を続けられたら幼い頃の思い出が残るんじゃないかと
スケートに連れて行ってくれたのがきっかけです。おてんば娘だったので、くる くる回ったりするのが楽しかったという具合でした。特別な英才教育は受けていないんです。

スケートは、芸術性より技術が先行し ます。特にジャンプ。ジャンプの配点が一番高 いです。ですから、とにかく飛ばそう、とにかく回そうという傾向になってしまいます。

私は正直なところ、スケートの基礎練習や身体作りを始めたのが遅かったので、も う少し早くから基礎トレーニングをしていたら、違う結果になったかもしれないとは思います。
私はジャンプがすごく苦手だったんです。それを補うために芸術的な部分を頑張るしかなかった。
でもその振付師との劇的な出会いで、そこから真剣になりバレエも始めて、そのおかげで頑張れたという気がするし、出会った先生たちのおかげで奥の深いものを身につけられたと思います。