宇野昌磨、ファンの期待を力に…昨年の悔しさ胸に頂点へ【沢田聡子】
更新 2018/12/5 16:00 aera dot.

 平昌五輪フィギュアスケート男子で銀メダリスト、宇野昌磨は“ある課題”に苦しんでいた−−。 
 昨季、地元・名古屋で行われたグランプリファイナルで、0.5点差でネーサン・チェンに惜敗した。
「0.5負けたっていうのは、そういう日だったんじゃないかな」とあっさりと片付けた宇野。彼の頭を占めていたのは、「4回転トーループ」だった。
練習では9割ぐらい跳べているが、なぜか、試合だとそれを失敗してしまうという。
「試合でよく失敗するジャンプは、トーループなんですよ。跳べるジャンプだからこそ失敗しやすい。
簡単に跳べるからこそ、いろんなことができちゃうから失敗するんじゃないかな。
ギリギリのジャンプはもう力を100パーセント入れる、それ以外にはないので。だからかなとは思うんですけど、それは本当に課題ですね」
 その課題は、今季も宇野を悩ませていたが、11月に行われたグランプリシリーズ2戦目のNHK杯で“解決の糸口”をつかむ。
ショートプログラムでは、4回転トーループで回りすぎて転倒しまったが、体が動きすぎるのが原因ならば、ショートの4回転トーループを疲れが出る三つ目(最後)のジャンプにもってくることも考えたそうだ。
しかし、宇野はフリー当日に“ある境地”に達する。
「構成を変える前に、やはりもう数回このまま調整したいなと……。
自分の気持ちをどうコントロールするか、コントロールできないなら、ちょうどいいところに持っていくにはどうするか。
やはり向き合っていきたいなと思いました」