五輪=フィギュア年齢制限、15歳ワリエワの薬物疑惑で再注目
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[15日 ロイター] - フィギュアスケート女子、カミラ・ワリエワ(15、ロシア)のドーピング問題をきっかけに、現在は15歳となっている同競技の年齢制限が改めて取り沙汰されている。

ワリエワは北京冬季五輪のフィギュアスケート団体に出場し、ロシア・オリンピック委員会(ROC)の優勝に貢献した。しかし、その後に昨年12月のドーピング検査で禁止薬物に指定されている狭心症の治療薬「トリメタジジン」に陽性反応を示していたことが判明。個人シングル出場が危ぶまれたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が許可したことで15日のショートプログラムに出場した。

今回の問題を発端に話題となっているのが、以前から指摘されているフィギュアスケートの年齢制限。北京大会の金メダル最有力候補とされるワリエワも15歳だが、女子シングルでは過去7回の五輪のうち6回で10代の選手が金メダルを獲得している。

特に近年、ロシア勢の10代選手の台頭が著しい。生体力学の専門家によると、若いスケーターは腰と肩の幅が細いために空中で速く回転でき、4回転ジャンプで有利。ワリエワのコーチを務めるエテリ・トゥトベリゼ氏を中心とした育成システムにより、ロシア選手は4回転ジャンプを武器に高得点を上げている。

ただ、メダル獲得のために厳しく鍛え上げられる一方で選手寿命は短く、思春期になって体が変化し、成績が落ちるとすぐに姿を消す傾向にある。

米国代表マライア・ベルは年齢制限を17歳に引き上げるべきかとの質問に「私は絶対に年齢制限はあるべきだと思う。自分の経験から、成長期には多くの変化が起こっていることが分かる」とコメント。

一方、スウェーデン代表ヨセフィン・タリエゴルトは「ワリエワは演技がうまくないわけではない。ジャンプしかできないのならそうかもしれないが、全部上手なので何とも言えない」とし、「年齢制限よりも、もっと長く競技ができるように奨励するのがいいかもしれない」と語った。