>なんで借りた金を貸方にかいて、貸した金を借方に書くのか?
って質問は、たしかに簿記学習初心者の誰もがいだく素朴な疑問だな。

そもそも、簿記は高利貸しが使っていた記録法を、他の業種にも応用されて
一般に普及したものらしいが、その主たる目的が債権者や出資者などに
財務内容を報告する書類をつくることであるのは、パチョーリの時代から変っていない。
そのため、当初から財務諸表は「作る側」の立場ではなく報告書(財務諸表)を「読む側」の立場、
すなわち「事業者の立場から見る」のではなく、「債権者(出資者含む)の立場から見て」
わかりやすいように記載する必要があった。(その余計なおせっかいが仇となっているわけだが)
たとえば、事業者が債権者から「借りた金」は、債権者から見れば「貸した金」となる
そこで、負債や資本などを書く右側は、債権者側から見て「貸した人と貸した金」のリストとなるので
「貸方」と名づけて表示をした。
反対に、事業者が出資者・その他の者に金を貸せば「貸した金」は、それらの者から見れば
「借りた金」となる
そこで、債権などの資産を書く左側は、それらの債務者にとって、「借りた人と借りた金」のリストとなるので
「借方」と名づけて表示をした。

要するに、「借方貸方」は仕訳をする側ではなく、取引の相手側から見たものなので、仕訳をする者から
見ると逆になるわけだ。