郷原信郎が斬る

最終局面を迎えた東芝会計不祥事を巡る「崖っぷち」
投稿日: 2016年3月14日
https://nobuogohara.wordpress.com/2016/03/14/%E6%9C%80%E7%B5%82%E5%B1%80%E9%9D%A2%E3%82%92%E8%BF%8E%E3%81%88%E3%81%9F%E6%9D%B1%E8%8A%9D%E4%BC%9A%E8%A8%88%E4%B8%8D%E7%A5%A5%E4%BA%8B%E3%82%92%E5%B7%A1%E3%82%8B%E3%80%8C%E5%B4%96%E3%81%A3%E3%81%B7/

今回の文芸春秋の記事では、東芝社内でやり取りされたメールに基づき、
以下のような事実を報じている。

(ア)会計監査人の新日本有限責任監査法人(以下、「新日本」)が、米国原発子会社の
  減損に関して、東芝に厳しい指摘をしていた。

(イ)田中社長を始めとする会社執行部は、この新日本の指摘を「受け入れがたい」として
  徹底して戦う姿勢であった。

(ウ)新日本の意見を封じ込めようとする東芝側の画策には、同じ大手監査法人の有限責任監査法人トーマツ
  (以下、「トーマツ」)の100%子会社のデロイトトーマツコンサルティング(以下、「DTC」)が
  深く関わっており、新日本が崩せない「工作」を東芝に授けていた。

(エ)田中社長は、厳しい指摘をしてくる新日本に対して、「翌期からの監査法人(会計監査人)の
  変更も辞さない姿勢」で臨むよう財務部長に指示していた。

(オ)DTCは、原発子会社の減損対策等に関する対応助言メモについて、対外的には
  東芝の社内メモのように装うことで、DTCの関与を隠蔽するよう東芝側に要請していた。

(カ)東芝の会計不正の第三者委員会の委員に就任した公認会計士の一人は、直前まで
  トーマツの業務執行社員であったうえ、調査補助者には「
  デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社」が起用された。

(キ)東芝財務部から、監査法人のヒアリング対象になる幹部社員向けに、極秘の
  対策マニュアル(真実を隠蔽するための「想定問答集」)が配布されていた。