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租税回避策、税理士に開示義務 拒めば罰則も財務省と国税庁検討 2016/8/23 2:00  財務省と国税庁は企業や富裕層に租税回避策を指南する税理士に仕組みの開示を義務付ける方針だ。
租税回避地(タックスヘイブン)に資産を移すなど悪質な税逃れを把握する狙い。成功報酬を受け取るなどした税理士に具体策を開示させ、拒んだ場合の罰則も設ける。
適正な助言も開示対象に含むが、米国など各国も開示制度を設けており、税制の不公平感の解消につなげる。 租税回避のノウハウを提供する会計事務所やコンサルティング会社なども対象。
複数の基準を満たした場合に租税回避策を開示させる仕組みを検討する。基準としては(1)租税回避によって成功報酬を受け取る(2)納税額を減らすための税務上の損失を生み出す(3)守秘義務がある――などが浮上している。
 9月に検討に着手し、2018年度からの実施を目指す。法人税、所得税、相続税の課税実態を洗い出す形になるが、どこまで点検するかは今後詰める。
 類似の開示制度は米国や英国、カナダ、韓国なども導入済み。
米国では一定の収入を得る税理士が顧客に損失を生み出すなどの租税回避策を提供すると開示を義務付けている。米英は開示を拒む場合に罰金も科しており、日本でも罰則を設ける方向で検討する。  
税務当局は開示された租税回避の仕組みから実態を把握し、抜け穴があると判断すれば対策を練る構え。
国際的な税逃れの実態を明らかにした「パナマ文書」を受け、税逃れに厳しい世論を導入の追い風にする。  企業の租税回避策には海外のグループ会社から損失を意図的に付け替えたり、
知的財産権をタックスヘイブンの実態のないペーパー会社に移したりする仕組みがある。税務当局が把握しきれていない税制の抜け穴を突いた仕組みも多い