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俺は今大学一回生だ。
学歴的には大したことないが一応国立大学なのでそれなりの学部は揃っている。
つまり、大学内で理系文系の区切りが付いているということだ。
大学一回生であるためか専門的な知識をつける講義が少なく教養的な科目が多い。
そのために他学部の生徒と交わってグループ活動を行うことは珍しくない。
ある日、俺は法学部の生徒とグループワークをすることになり、互いに簡単な自己紹介をすることとなった。
先に触れておくが、俺は文系の奴らを見下していた。
なぜなら女子と遊んだりチャラチャラした見た目をしている連中が多いからである。
俺は名前、学部、出身地などの面白みもないテンプレート式な答えで、そして最後に趣味としてプログラミング、と放った。
別にさして俺のことに興味なんかないだろうに。と心では思っていたが、法学部の連中は思った以上に食いついてきた。
だが、この『食いついてきた』というのは俺に興味があったから、ではない。
ただ揚げ足を取りたかったのだ。
法学部の連中の中の一人が「プログラミングなんてもう消える職業でしょ。」と言い放った。
俺は聞き捨てならず、半ば反射的に理由を問うと
「だってさ、プログラミングって文字でしょ?簡単にコピーアンドペーストできるし。コードだっけか、それをみんなで共有する流れを作れば一切の手間もかからないし技術・時間・人材・ノウハウ・安全・管理の面から見て合理的じゃん。
機械力学みたいに形あるものを作るなら未来はあるんだけどね...。それにこの流れを作るのはこっち側、つまり俺たち経済学部とかの文系側だからプログラマーはお株がないってわけ。
まぁもうよくて10年ってとこだろうね(笑)。」

俺はその日初めて論破された。
しかし、その主張はあまりにも非の打ち所がなく論理的だ。
俺はプログラミングに対する意欲がその日から薄れ、これからプログラマーになろうとしてる人間に警告をしたいと思っている。