>>768
asm.js は、JSの「subset」とされる。だから、JSでサポートされてないことは、
asm.jsでも本質的には出来ない。JSは、
・sleep()関数が存在せず、wait()関数も今のところサポートされているブラウザが
 かなり限定されるので、原則的には、関数の途中で無限ループ以外では停止する
 ことは出来ない。
・関数callを使わずに、アセンブラの単純な(大域) jmp のようなことは
 出来ない。だから、スタックポインタだけを元に戻しても、命令ポインタ(IP)
 を元に戻すことが難しい。
・LLVMでも、原則的にはコードは個別の関数としてだけ作ることが出来て、
 関数の外にコードを書くことはおそらく出来ない。
・ただし、LLVMの場合は、longjmp やスタックポインタなどのサポートが
 色々と有るのでそのあたりを利用すれば何らかの方法があるかもしれない。
・だから、Emscriptenのemsripten_sleep()は、非常に高度なことをやっており、
 「待ちたい時」は、いったんそれまでの呼び出し連鎖の全ての関数を逆に戻って、
 「システム」にまで戻る。原則的には、全ての関数は、なんらかのイベント
 からスタートしているので、これは、イベント・ハンドラの処理をいったん
 終了して、ブラウザに制御を戻すような事になる。
・一定時間が経過すると、設定しておいたresume用のハンドラがシステムによって
 起動されるので、そのタイミングで、呼び出し連鎖の全ての関数を再度、
 「再起動」する。この仕組みを使わないと「EIP」を元に戻すことが出来ない
 ためである。なお、スタックポインタについては、独自のグローバル変数を元に戻す
 だけで済む。スタック自体は、巨大な「配列」をCPUのメモリー空間のように
 して、スタックポインタに該当する変数を配列の添え字としてアクセスするような
 事をしている。