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 「宿題がいくつか残っている。山梨、長野両県に流れてしまう水の問題も結論が出ていない」。
合同会議を終え、地質構造水資源専門部会長の森下祐一・静岡大学術院理学領域教授が厳しく指摘した。
JRは昨年10月に「原則として湧き水を全量戻す」と表明したが、ここに来て南アルプストンネル工事で
一定期間、湧き水が県外に流出する問題が明らかになり、解決が難しそうな課題となっている。
 静岡工区は隣接する長野、山梨両県より標高が高く、トンネル内の湧き水は標高の低い両県に流出する。
JRは静岡工区の湧き水をポンプでくみ上げて大井川に戻すとしている。
一方、長野、山梨両工区の一部は静岡県境をまたいでいる。
JRは湧き水をくみ上げるために使われる先進坑が静岡工区と山梨、長野両工区を貫通するまでの間、
県境付近の湧き水は県外に流出すると説明する。