https://www.asahi.com/articles/ASM7Y516ZM7YUTIL01H.html
https://www.asahicom.jp/articles/images/c_AS20190729003146_comm.jpg
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20190729003023_comm.jpg

JR東、記事捏造で広報誌休刊 架空人物にインタビュー
2019年7月29日18時06分
 JR東日本が発行している社外向けの広報誌「JR EAST」6月号に、捏造(ねつぞう)した架空の「教授」への
インタビュー記事が掲載されていた。JR東が29日発表した。同誌の発刊はJR東が発足した1987年4月に
さかのぼるが、最新の7月号を最後に休刊するとしている。
 JR東によると、捏造があったのは、「インフラの海外展開」をテーマに「国際経済学者 浦野正次」に聞いたと
するインタビュー記事。一問一答形式で5ページにわたって掲載されていたが、実際には同誌の2013年3月号
に掲載された浦田秀次郎・早稲田大大学院教授のインタビュー記事「インフラ輸出の条件」を一部改編して再掲
していた。「浦野正次」は架空の人物で、顔写真は浦田教授本人の写真を加工したものだったという。
 同誌はJR東の広報部長名で発行されているが、実際の編集作業は東京都内の編集業者に委託していた。
JR東によると、浦田教授へのインタビューが実現しなかったため、担当者が締め切りに間に合わせるために
過去の記事を改編したという。同誌は過去にインタビューを受けた人に無料で配られており、捏造については
浦田教授本人から指摘があったという。
 同誌の発行部数は2万4千部。一般書店では扱っておらず、官公庁や自治体に無料配布されているほか、
東北新幹線などの「グランクラス」に置かれている。JR東の照井英之広報部長は
「不正によって、読者のみなさまの信頼を失墜させたことをおわびします」と話した。(細沢礼輝)