◆身分証明に
 警察庁によると、偽造カードは主に、就労制限のある「留学」などの外国人が、
就労制限のない「永住者」などを装い、日本国内で働くために使用される。

昨年摘発された122人のうち、約9割の113人は中国人で、残りは
ベトナム人8人、インドネシア人1人。中国語の人気チャットサービス
「QQ」を通じて、中国の偽造グループに注文するケースが目立つという。

 「在留カード作ります」。静岡県警が昨年逮捕した中国人の男女は「就学」と
「家族滞在」で入国後、不法残留状態になったため、QQで偽造カードを
注文した。2人はこれを身分証として提示し、同県内の自動車部品製造会社で
働いていた。
 偽造カードがアパートの賃貸契約や銀行の口座開設時などの身分証明として
悪用されるケースもある。
福岡県警が一昨年逮捕した中国人の男は、偽造
カードで複数の銀行口座を開設して転売。一部が、犯罪収益の振込先として
使われていた。