橋下徹"森友・加計問題が収束しないわけ"
どこで危機管理に失敗したか
http://president.jp/articles/-/24907
 僕は今回の問題の真相は、この両者の間にあると考える。
すなわち、安倍政権に直接的な関与・指示や違法不正がなくても、
国民の信頼を著しく害する事情が存在したのは確かであり、未だその信頼回復ができていないということだ。

 民主政治というのは、論理的な正当性だけではなく、有権者の主観的な満足度を高めることも必要となる。
論理的にいくら正しくても、有権者から嫌われて支持を失えば、政権の力は弱まり力強く政治を進めることができなくなる。
有権者は、論理をひとまず横に置き、「嫌いだ」という感情一つでもって、政権にNOを突き付けることができる。
それを防ぐためには有権者の主観的感情的満足度を高める必要があり、これが良い意味でも悪い意味でも、民主政治というものだ。

安倍政権は、自分たちには何の問題もない、一点の曇りもないと認識しているのであろうが、有権者の信頼を失ってしまえば終わりである。
今、安倍政権に対する有権者の信頼が落ちていることは確かである。
信頼失墜が一定の限度を超えると、安倍さんが何を言っても国民が耳を傾けなくなる状況になる。
こうなれば、もはや政権は維持できない。これがポイント・オブ・ノーリターン(引き返せない地点)で、今それに近づきつつある。