テレビ各局が注力する「知事枠」 新型コロナ情報で視聴者の関心も高く

 民放関係者は「知事の取り組みがこれほど生活に直結すると感じたことはなかったのでは。
ステイホームで時間的に余裕のできた視聴者が各知事の発言や経験者の発言をしっかり聞こうという環境ができた」と背景を語る。

 出演すると視聴率に伸びが見られる「知事枠」の名前を聞いてみると、
元大阪府知事の橋下徹氏、大阪府の吉村洋文知事、東京都の小池百合子知事を挙げる報道・情報番組関係者が多い。
元宮崎県知事の東国原英夫氏、元鳥取県知事の片山善博氏、元三重県知事の北川正恭氏へのオファーも増えているという。

 「中でもリモートに向いているのは橋下さん」とあるプロデューサー。実はリモート出演はスタジオ出演よりも難しいという。
「スタジオという同じ空間にいるわけではないから、会話に割って入るタイミングが想像以上に分かりにくい」と民放ディレクターは説明する。

 そんな環境で橋下氏は力を発揮。ワイドショー関係者は「“ちょっといいですか?”っていうように声を挙げて発言の機会を作るのがうまい」と感心。
別の番組ディレクターは「振られた時に一撃があることを言ってくれる人がありがたい。そういう意味で橋下さんの物言いは向いている」と語る。

 発言の中身もポイントだ。弁護士としての知識、知事の経験に加え、吉村知事の後見人的立場として語ることができるなど、幅広いテーマに対応できるのも強み。
民放関係者は「自己主張が前に出すぎるように感じることはある。だけど、リモートだとそれぐらいの方が番組の空気を引っ張れる」と話す。