木村花さんの悲劇から1年余「侮辱罪」厳罰化 芸能人へのSNS誹謗中傷は減るか|日刊ゲンダイDIGITAL
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バカ、ブス、ハゲもアウト

「『侮辱罪』は『名誉毀損罪』に近い犯罪ですが、相違点があります。名誉毀損罪の構成要件は、“公然と”“事実を摘示し”“人の名誉を毀損している”の3つですが、侮辱罪の構成要件は、“事実を摘示し”が必要ありません。例えば、SNS上で『あの人は薬物中毒だ』『前科がある』などと書き込んだ場合は、具体的な事実を摘示しているとして名誉毀損罪に該当する可能性があります。ただし、ここでいう事実とは、その真偽を問いません。一方で、侮辱罪が適用される可能性があるのは、いわゆる『バカ』『ブス』『死ね』の暴言の類いです」

攻撃的な書き込みは増加の一途

 では、SNS上で散見される、芸能人に対する暴言はどこまでがアウトなのか。

「『消えろ』『ウザい』『ハゲ』『殺したい』など、いずれも侮辱罪が成立する可能性があります。『殺す』は脅迫罪になる可能性もありますね。侮辱罪について、法定刑の上限として懲役刑が定められたとしても、その表現内容の辛辣性、回数、程度などが考慮され、初犯から実刑になる可能性は高くはないと思われます。しかしながら、懲役刑すらあり得るということ自体が広く世間に周知されれば、違法な投稿を抑止する効果はあると思われます」(井川弁護士)