原発避難生徒から金銭、一転「いじめ」認める 横浜市教育長   2017/2/14 0:41


東京電力福島第1原子力発電所事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒(13)のいじめ問題で、
横浜市の岡田優子教育長が13日、記者会見し、これまでの見解を一転させ、
男子生徒が同級生に遊興費などとして金銭を支払ったことをいじめの一部と認め、謝罪した。

 会見の冒頭で深々と頭を下げた岡田教育長は「男子生徒の気持ちをしっかり受け止めていなかった。
認めるまで長くかかったことは申し訳ない」と述べた。その上で「いじめ防止対策推進法の趣旨に沿って、
いじめの一部と認識し、再発防止に取り組む」と発言した。

 また当時の学校関係者と共に、生徒側へ謝罪することも明らかにした。

 市教育委員会の第三者委員会が昨年11月にまとめた報告書によると、男子生徒は小5のとき、
同級生から「賠償金をもらっているだろう」と言われ、ゲームセンターでの遊興費などを負担した。
生徒側によると、総額約150万円に上る。

 報告書はこうした金銭授受について、同級生のいじめから逃れるためだったと推察できるとする一方、
いじめとは認定していなかった。

 男子生徒の代理人が13日、林文子市長に面会を求める男子生徒の手紙を提出。
「どうしてお金を取られたことをいじめとしてくれないのか」などと書かれており、これを受けて岡田教育長が記者会見を開いた。

 両親は「やっと謝罪をしてくれたとの思いしかない。いじめの解決に向けて対応できる組織改革をしてほしい」とのコメントを出した。

 岡田教育長は1月20日の市議会常任委員会で「関係児童らへの学校側の聞き取りによれば、いじめと判断できない」と述べていた。
13日の会見で、発言について「修正したい」とした。〔共同〕


http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13HHV_T10C17A2CC1000/