検察官「あなたは〇時〇分頃、××にて、Aに対して嫌がらせで、Aの前を通り過ぎた時に、クシャミをするとBらと謀議しましたね」
学会員C「その通りです」
検察官「どうしてクシャミをすると嫌がらせになるのですか?」
学会員C「アンカリングと言って、特定の行動をする事で、ターゲットが、我々が監視している事実に気付かせる方法があります。
    クシャミがそれです。一度の外出で、すれ違った人間達が、連続で5回も6回もクシャミをすれば、大抵はわざとやられていると気づきます」

気持ち悪りぃ……傍聴席から男性の声がボソッと聞こえて来た

検察官「裁判長、参考資料として、謀議の際の音声テープを聞いて頂きます。これは捜査員が録音したものです」
音声テープが再生されて、法廷内に設置されたスピーカーから、人の話し声が流れ始めた

 B『○○さんはどうする?』
 学会員C『じゃあ俺はあいつの前を通り過ぎた時にクシャミをするわ。あいつから睨みつけられた事があるけど、最高に傑作なんだよね、あの顔』
 学会員Cの笑い声がこだまする
 B『やり返せないからな(嗤)。殴ってきたら傷害の現行犯で警察にパクって貰えて丁度いいしな』

傍聴席がざわめく
頭おかしいんじゃねえか、最悪、どうかしてるわ、気持ちが悪い……傍聴人達が口々に言葉を漏らす
みな、薄気味の悪いものでも見るかのような表情を浮かべている