向精神薬は、いわゆるドラッグと同類の物質だといわれる。
そう指摘される理由は、向精神薬が脳内に入る物質を制限するフイルターの役割を担う「血液脳関門」を通過し、ドラッグと同じように脳内神経細胞に作用する機序をもっているからである。

たとえば、覚せい剤やヘロインなど数種類のドラッグを、たとえ少なめだとしても3ヶ月間摂取し続けたとしよう。
そしてある時、ドラッグの問題を自己認識してそれらをいきなりスパッとやめたとする。
しかしたとえ摂取した期間が比較的短いとしても、その後それなりの影響が出ることは想像がつくだろう。
まぁ、それと同じようなことである。

ドラッグにしろ向精神薬にしろ、脳内神経細胞に作用する物質というものは、心身にとってある種の“快感”をもたらすんだよな。
それがすなわち“依存”と呼ばれる現象で、それは“身体的依存”と“精神的依存”に分けられる。
それぞれを簡単に言えば、

・精神的依存は、「あの薬を摂取したときに味わったあの感覚をまた味わいたい」、と意識的に欲求する感覚ともいえる。
・身体的依存は、本人の意思や意識とは関係なく、体自体が「あの物質をくれ」と要求をだす感覚ともいえる。

いずれしろ、そうしたある種の依存を形成する物質が絶たれると、心身に影響を及ぼすのである。