それはともかく、そもそも「寛解」とはどういった意味を持つのだろうか…?

寛解とは、「薬を飲みつつ、それなりに日常生活を送れる状態」のことを指す。

ただ、この寛解に対する考え方は、それこそ医者によって様々であり、明確な判断基準があるわけではない。

たとえば意識不明で昏睡状態にあった患者に意識が戻り、入院中のベッドの上であっても家族と普通に会話ができるようになり、食事も排便も自力で行なえるようになった状態を寛解と考える医者もいる。
一方、そうした状態では寛解とは考えず、退院して薬を飲みつつも、仕事や家事などの日常生活をそれなりに不自由なく送れるようになった状態を寛解と考える医者もいる。
極端にいえば、これくらい「寛解」に対する考え方は医者によってバラバラなのである。

これを精神医療でいえば、常軌を逸した状態の人が、たとえ入院中の隔離室であっても、薬によっておとなしくなった状態を寛解と考える医者もいれば、
薬を飲みつつも、仕事や家事などの日常生活をそれなりに不自由なく送れるようになった状態を寛解と考える医者もいる、ということである。

こうしてみれば寛解とは、医者の考え方次第でどーにでもとらえることができる、ということが分かるだろう。