父が認知症に…統合失調症の息子、症状悪化し「親子共倒れ」危機

「電波で攻撃されている」と怯えて…

 当初、息子さんは姿を見せませんでした。Aさんに尋ねると、「電波で攻撃されている」などと怯(おび)えて、外に出なくなっているとのこと。

 私は別室にいる息子さんにも聞こえるように、耳の遠いAさんに向かって話し続けました。

 「Aさんと息子さんが、安心して一緒にご自宅で生活できるようにサポートさせてください。定期的に診察に来ますし、息子さんに必要な薬もお出しできます」

 3回目の診察の日、部屋から出てきた息子さんに、あいさつをされました。しばらくはただ所在なげに座っていましたが、
時間をかけて話をするうちに、「父親に心配をかけている」「父親に負担をかけたくない」などといった気持ちを聞けました。

親の老いを日々目の当たりに…「不安と焦り」

息子さんにもう少し聞いてみると、親の老いを日々目の当たりにする「不安と焦り」を感じたり、
「親の負担を減らすために自分ができることはないか」などと悩んだりしていることがわかりました。

Aさん宅に伺うようになって、2年近く経(た)ちます

長年息子さんを支えていた父親が加齢に伴い認知症となり、息子さんは通院が途絶えて状態が悪化し、親子が共倒れになりかけていました


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