大人のADHD(注意欠如・多動症)とは?

近年、大人の発達障害※が注目されています。子どものころは、周囲の人や保護者にフォローされて、あまり目立たなかった特性が、社会に出て、自分の責任で生活を営むようになると、
困難として目立つようになるという場合が多いようです。例えば、仕事に集中できない、計画的に行動できない、対人関係がうまくいかない

周囲の方に向けた、ADHDの人との接し方などについてご紹介します。

社会的コミュニケーションや対人関係の問題
・通常の会話のやりとりが苦手であったり、ほかの人と感情を共有することが少ないという特徴があります。
・相手の表情や身ぶり手ぶりから、気持ちを読み取ることが苦手です

「こだわり」の問題
・同じ習慣への強いこだわりがあり、少しの変化にも苦痛を感じることがあります。
・興味の範囲が狭く、特定のものや話題にこだわるという特徴があります。
・聴覚、嗅覚、触覚、視覚など、特定の感覚が非常に敏感または鈍感な人もいます。
・質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう
友だちの質問がまだ続いているのに、それを遮って答えてしまうことがあります。

ADHDは生まれたときからもっている脳の特性であるため、医学的な処置によってADHDの特性を消し去ることはできません。
しかし、適切な治療を受けることで、不注意や多動性・衝動性といったADHDの症状を改善し、その症状が原因で生じる1日を通した困難を軽減することが期待できます。

ADHDの人に向いている仕事、向いていない仕事

職場での困りごとを軽減するためには、ADHDの特性を理解し、能力を最大限に発揮できる職種を選択することが大切です。
向いている仕事:プロデューサー、音楽家、
美術家、ゲームソフトやコンピューターソフトの制作・開発、その他クリエイターなど
向いていない仕事:それ以外の職

ポジティブな感情は言葉にして伝える

ADHDの人は、自分に対する評価が低く、「自分は足を引っ張る存在だ」「役立たずと思われているに違いない」などと気に病んでいることも多いです。がんばっていることをほめたり、
努力に対して「いつも助かっているよ」などの言葉にして気持ちを伝えることで、本人の自己肯定感につながり、良好な人間関係構築の第一歩となるでしょう。