ついでながら、アラン・ラッドの『シェーン』の
「シェーン」っていう名前は、アイルランドのジャガイモ飢饉で
アメリカにやってきた移民で、北軍に参加して敗軍になって、
行き場がなくなっちゃったガンマン、という設定だそうです。

『椿三十郎』も、愛刀が たしか「同太抜(どうたぬき)」。
戦国時代に使われた太刀を摺りあげて打刀(うちがたな)に
したという、モロに実戦向き(つーか、戦国時代には打刀は
武器としては使われなくて、幕末の頃に暗殺用の武器として
さかんに使われるまでは、無用の長物だったようですが)の、
「太平の世には、居場所がない」、つまり「納まるべき
鞘がない」というのが読み筋のようです。

あたしたちは、「生まれる時代を間違えた」「生きる時代を間違えた」
っていうことなんですかね?

それを言いだすと、松本大洋の『ZERO』(ボクシング漫画)も
「○」になっちゃうんですけどね。たしか、
「あのひと、もっと昔に生まれてきたら、いっぱい人を殺してるよ」
とか言われてるし。(じつは、『ジュラシック・ワールド』も、
テーマとしては同じ。原作者のマイケル・クライトンの出世作、
『アンドロメダ病原体』が そういうテーマで、「病原体」が
「恐竜」に、「P4 施設」が「テーマパーク」になっただけです)