認知症診断にも、認知症介護にもほとんど関わらない精神科医が、
認知症をみると、向精神薬ばかりを投与して、時に廃人のような人間を作り出す。

認知症治療に精神科医は関わるべきではない。実際アメリカのFDAは認知症患者に向精神薬を投与すると、
生命予後が短縮するので、認知症への向精神薬投与に対して注意勧告を出している。

しかし精神科に紹介すれば、向精神薬が処方されるのは当たり前である。それが彼らの仕事だから。
しかし驚いたことに、最近は認知症進行遅延薬の投与を受けている患者の多くに、セロクエール、リスペリドン
あるいはコントミンが併用されていることが多くなった。

これ等の向精神薬には抗コリン作用があって認知障害を増悪させる可能性がある。
しかし向精神薬を使うと、患者が穏やかになって家族が喜ばれるので、
認知症治療に評判がいい先生ほど、向精神病薬の併用を行っている。

精神科医の処方がいつも型通りで、以前は精神科医に紹介していたが、内科医も自分でもできると処方を始めた
のであろう。1,2年前はBPSDを取るために止むおう得ず処方した向精神薬をしばらく投与するよう主治医に情報を
提供すると、そんな薬は聞いたことも、使ったこともないと精神科に回されていたときと様変わりである。

現在、認知症治療はやりたい放題である。認知症進行遅延薬で進行を抑え、向精神薬で障害を増悪させる、
認知症患者の頭の中は大変であろう。これから医師になる若者は、わたしたちが理解している認知症とは
違った病態を認知症と理解するようになるかもしれない。