読売ドクター
アルコール依存症 必ず「減酒」で心身回復、重症化予防

アルコール依存症の治療は、酒を全く飲まない「断酒」が基本だが、途中で断念してしまう人が少なくない。
最近、まずは飲酒量を減らし、心身の回復を目指す「減酒」が注目されている。

最終的には「断酒」へ
東京都八王子市の駒木野病院を男性(52)が受診した。
焼酎1升(1.8リットル)を3日で空けるほど酒量が増え、妻子にからむなど家族関係もぎくしゃくした。
「酒をやめる自信はないが、このままではよくない」。担当医に相談すると、減酒を勧められた。

最初に取り組んだのは飲酒習慣の見直し。飲酒の頻度や量などを書き出し、
飲まない日を設けるなどの目標を立てた。酒を飲むと気分が悪くなる薬も処方してもらい、少しずつ飲まない日を増やしていった。

減酒の目安!
1日
ビールなら500ml
日本酒なら1合
ワインならグラス2杯
酎ハイなら1缶350ml
焼酎ならコップ半分

医師の湯本洋介さんは「重症化する前に支援できるのは重要だ」と話す。患者と話し合い、飲酒量を減らす計画を立てる。「一口飲んだらコップをテーブルに置く」
「酒の買い置きはしない」など、飲み過ぎないための指導も行う。

 厚労省が示す「節度ある適度な飲酒」は、アルコール摂取量で1日平均20グラムまで。ビールならジョッキ1杯程度だ。女性や高齢者はさらに減らすことが推奨されている。
湯本さんは「依存症でなくても、1日平均で男性40グラム、女性20グラムを超えていれば、減酒を検討してほしい」と話している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190315-00010001-yomidr-sctch