2.自己中心性の障害
 古くは想像性の障害と呼称されていたが、不適切
 多くの人間は主観で判断するという自己中心性を持つが、ASDは極度に客観的思考に偏る
 そのため他者の主観を理解することに困難を伴う
 結果、ASDは文脈の流れを受けずに突然「あれ」「それ」といった指示代名詞を使いたがらず、
 他者が脈絡無く指示代名詞を使うと伝わらない
 また自尊心が無いか極度に低い要因にもなっていて、他者を見下そうとする発想が無いことにつながる
 逆に、自己中心性が極度に強いことで生じる障害は「自己愛性パーソナリティ障害」として実在する
 ASDと自己愛性パーソナリティ障害とでは多くの点で正反対の性質を持ち、対極関係の一つと言える
3.感覚過敏という障害
 外部からの刺激を、脳内で軽減する処理機能に障害がある。例外は無い
 特に日常面で不利に働くのが聴覚過敏による、会話相手の音声と周囲の雑音が混ざって聴き取れない現象
 カクテルパーティー効果の欠如とも言う
 感覚過敏が行き過ぎて回線がシャットダウンを起こし、感覚鈍麻として発現するという話もあるが、
 自分は感覚鈍麻を持つASD当事者を見たことが無く、実在性には確信を抱いてはいない
 なお、ASDと対極関係にある反社会性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害には、
 ASDとは逆に感覚鈍麻が現れやすい。特に反社会性には顕著に出る
 反社会性が全員持ち、自己愛性の多くが持つ「サイコパス」という特質が、
 自閉症とは対を成す存在なのだろうかという、興味深い課題が浮かぶ