>>867
ジョッシュがデッドセック(主人公らが属するハッカーグループ)に参加し、活動している動機は、
ctOS2を公共機関が採用し普及させつつある流れに対する抵抗と、
ctOS2には重大な欠陥があることを世間に認知させることにある。
ctOS2とは、市民一人一人を監視し、データを収集して今後を予測するプログラムだが、
勝手に将来の犯罪者に仕立て上げられてしまうリスクもあるというディストピアの柱のような存在。
ジョッシュの場合はデタラメな精神障害者に認定され、健康保険が受けられなくなるという不利を被った。
凄腕ハッカーであるジョッシュならサーバーのデータを改竄し、被った不利益を除去することは簡単だが、
自身以外の社会的弱者たちは同じような不利益を被っても抗う手段を持っていない。
そこでctOS2の欠陥を知らしめ採用を撤回させよう、ctOS2がもたらす不公平を是正しようと活動している。
そんな利他的な行動が「まともな価値観」と評されているわけだが、
社会的弱者のために自身ができることをするのが、いかにもアスペルガー症候群というかASDらしいということ。
デッドセックの他のメンバーであるレンチの場合、ctOS2に制御された社会をぶっ壊してやりたいという
破壊衝動以外には語られておらず「まともな価値観」とは見做されていない。

ASDの者達は秩序を好むが、不公平を嫌う。
そして社会的強者に擦り寄ろうとか、他者を蹴落として自分が強者の枠に入ろうという発想が無い。
そんな利己的な考えを持つ者達はプライム8という、
デッドセックとは対立するハッカーグループとして表現されている。