時折、病んでいるのではないかと心配になる。

ベッドに入るときのこと。
いつもなかなか寝付けず目を閉じて暫くすると、大抵は大きく広く響き渡る断続音(ガーン・・・ガーン・・・ / バシーン・・・バシーン・・・)のようなものが聞こえるような気がし始め(よく無音状態の際に「キィー・・・・・・・・・・・・ン」という音が聞こえるような気がするのと同様のものの気がする)、程なく短い“明晰夢”を繰り返す。これは何の脈略もない他愛もないもの。
とにかく落ち着かない。眠りたいのに全く心休まらない。しかしそのうち疲れて寝てしまっている。
これがベッドに入って眠りに落ちるまでのほぼ決まった流れ。

ただ昨夜は違った。
自分がベッドに入る際、妻は既に同じベッドで就寝していた。
はじめに先に書いたいつもの流れを経て、その後かなり長い夢を見ていた気がする(内容は意識がはっきりした直後に忘れてしまった)。
が、気付くと目を閉じているが自分の周りがはっきり見渡せている(もちろん目を閉じているので見えている筈など無い事は判っている)ようで、周辺で低く圧迫感を伴う不快な音がずっと鳴っている(水中に居るような感覚)。そして次第に体の様々な部分を上から強力に抑え込まれるような感覚に襲われ始めた。
特に左側の肩や首周辺が物凄い圧で抑え込まれはじめ、そのうち首がおかしな方向に強力にねじ曲げられ呼吸が出来なくなる。苦しいが起きられない。自ら息を止め精神を集中し藻掻こうとするが、体が全く動かない。

低く圧迫感を伴う不快な音はどんどん大きくなり、首を変な方向に捻じ曲げている力も増々強くなる。流石にこのままでは良くないと考え『苦しい・・・苦しい・・・』と声に出した。涙が出てきた。いつも夢を見ている最中に声を出そうとしても大抵かすれた様な声しか出せないのだが、この時ははっきり発声は自分ではっきり聞き取れた。つぎに左で寝ていたはずの妻が『あああぁぁぁぁぁー・・・』と泣き声のような悲鳴を上げた。驚いた。妻は悪夢か何かに怯えているのだろうか。そんな事を考えながら、ひたすらこの状況に耐えていた。