だからデジタルフィルターを使って、その間を補い、元の連続したアナログ信号に近づける必要がある。
ここで問題になるのがその精度だ。例えば正弦波のトランジェントバースト信号をその開始点付近でサンプリングし、デジタルフィルターで元の波形に戻そうと考えた場合、
「汎用のDAC ICで用いられている単純なフィルターでは、100マイクロ秒程度のタイミング誤差が生じる」(Watts氏)という。そのクオリティーを上げるためには、
典型的なデジタルフィルターひとつである“FIRフィルター”のタップ数を増やし、処理の精度を圧倒的に向上させる必要があるとする。
「普通のDAC ICは100タップで、8倍か16倍のオーバーサンプリング」(Watt氏)だが、
DAVEではFIRフィルターのタップ数が16万4000タップ、256fsオーバーサンプリング(88ナノ秒)単位の処理を166個のDSPで並列処理。
9.6ナノ秒単位のサンプリング精度を実現したとのこと。ちなみにDAC64では1000タップ。QBD76では1万8000タップ、Hugoでは2万6000タップという数字だった。