名人戦に挑戦し、顔の形も駒の形に変化させて将棋に打ち込む稲葉八段が、
ネクタイを長めに結んでバランスを取りながら指す姿が、うな重・特上寿司・
天ぷら定食を平らげた上、板チョコ5枚・バナナ1房を平らげてさらに
夜戦に備えておにぎりを注文する神武以来の天才の姿を彷彿とさせる
平成の天才少年・藤井四段を鮮やかに破った見応えのある一番だった。
輝かしい棋歴・高潔な人格を多くのファンから敬愛された米長永世棋聖の
衣鉢を継ぎ、連盟会長に就任するも、今や男らしくその地位を勇退して、
さらにその名声を高めた谷川永世名人資格保持者の解説もわかりやすかった。
藤井四段を見つめるまなざしが、妖艶な牝の獣欲を感じさせる飯野さんの
棋譜読み上げもよかった。