(3)二日制のタイトル戦を直接対戦の成績でも調べてみた
勝率の右側の数字は勝率から換算したレート差を出したものだ

@谷川羽生4-2,11-6,12-14,5-15
 32-37(0.463) −26
A谷川森内2-4,0-0,0-0,0-0
 2-4(0.333)  −121
B谷川渡辺─
C羽生森内27-23,0-4,0-0,6-4
 33-31(0.515)   10
D羽生渡辺0-0,5-8,0-0,3-4
 8-12(0.400)  −70
E森内渡辺0-0,7-9,0-0,0-0
 7-9(0.437)   −44

対局数が多い@谷川羽生戦の勝率から推定されるレート差−26と山下氏が算出した谷川羽生のレート差−160は大きく乖離している
同じく対局数が多いC羽生森内戦の勝率から推定されるレート差10と山下氏が算出した羽生森内のレート差250は大きく乖離している

さらに羽生対谷川森内渡辺連合軍で見ると78-75(0.503)であるから推定レート差はゼロに近い
ところが、山下氏が算出したレートは(1)で紹介したように羽生のレートがきわめて高いものになっている

この事から、山下氏が算出したレートが間違いなのは明らかだ
つまり、山下氏が作った平均悪手からレートを換算する計算式はプロ棋士のレート計算には適用できないという結論になる
もし、理論的に平均悪手からレートを求めることが可能だとしても、高い精度の計算式を作るためには、より高い精度で平均悪手を算出できなければならないのだ