https://www.sankei.com/life/news/191014/lif1910140020-n1.html

15日から始まる「新聞週間」を前に、将棋棋士の羽生善治九段に新聞に対する思いや魅力について聞いた。

 将棋を始めたのは小学1年生だった。時を同じくして新聞を読むようになった。
新聞には「将棋欄」があり、プロが指した次の一手を考えることが日々の楽しみだった。
最初は将棋欄だけだったが、次第に社会面の漫画、スポーツ面なども読むようになった。
「更迭」とか「玉虫色の決着」とか、子供の時にはわからなかった言葉の意味が大人になるにつれわかるようになり、
新聞の活字に触れながら自然に語彙力がついた。

外国で対局をしたり、海外旅行をしたりするようになった20歳ぐらいからは国際面をじっくり読んでいる。
最近ではサウジアラビアにある石油施設攻撃の記事が気になった。
インターネットニュースは速報性が最大の武器。
それに対して新聞は、ニュースを俯瞰(ふかん)的にみることができて、世界でいま何が起きているのか、
動向を把握しやすいという良さがある。

新聞紙面は限られたスペースや、ある程度決まった文字数で記事がまとめられているので、
読んでいるうちに理路整然とした文章力が身につけられると思う。ロジックを積み上げるという意味では、
将棋の「読み」と共通するところもある。小中学生は、自身が興味を持っている分野の記事から新聞に触れることで、
まとまった文章を読む力がつくのではないか。
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