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第4期叡王戦スレ part66より
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だが、永瀬は攻めない。なにしろ大山の再来である。
▲8五桂は受けの手。△1五歩が急所の攻めだが、 永瀬はやはり▲5八銀の受けだ。
途端に菅井が「なんやーっ!」と叫び、 自分の頭をゴンゴンと叩く。 そしてネクタイを外し、座布団の後ろにすっ飛ばした。
隣の戸辺は「昭和のタイトル戦を見ているみたいだった」と言う。
(中略)
盤上にある菅井の攻め駒は2枚だけ。いわゆる全駒態勢。 これは夢ではないのか?そんな投了図である。

終局後、菅井は叫んだ。
「1万回勝ち逃した!」「10秒将棋みたいな寄せやった!」 「これを負けちゃいかん!」「こっちのが、隣より先に終わらせるつもりだったのに!」

鈴木大介八段、豊島七段、戸辺六段らが顔を揃えた感想戦では誰もが度肝を抜かれた顔でその投了図を眺めていた。
静かに笑っていたのは勝った永瀬だけだった。