2009年11月11日
 まず、4年前の棋士会で、小林宏六段が
「対局で携帯電話、パソコンを持参するのは問題ではないかと、私は以前から思っていました。
 こうした電子機器を使えば、公式戦の棋譜を検索することができます。表現は悪いですが、対局中いわゆるカンニングも可能です」
 と問題提起しました。
 そして、これに対して3つの考え方(対処法)を示しました。
@全面的に禁止(持参することを禁止)
A条件付で持参を認める(対局場の管理者が預かる)
B持参を無条件で認める(現状維持、使用を認めるわけではない)

 で、翌月の棋士総会の議題にも上がり、「電子機器の持ち込みは原則として止めるべきだ」という意見が多かったが、議論はそれ以上進展せず、理事会一任で継続審議となった。
 しかし、その後、棋士会や総会で論議されたことはない。


 ところが、田丸八段は、この後の文章で、
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 私は対局の昼休みに、将棋会館の事務所に保管されている棋譜ファイルをそっと見て、対局中の戦型の参考にしたことが以前にあった。ほんの1、2分の短時間なので、許容範囲だろうと思った。
 携帯電話に順位戦の棋譜を検索できる機能が付いたころ、対局の昼食で外出したときに1局だけ見たことがある。そのときは少しばかり後ろめたい気がした。
 年をとると記憶力が落ち、自分の将棋さえ忘れてしまうことがよくあるが、ある局面や指し手がわかると思い出せるものだ。
 対局中に棋譜を調べることは、倫理的に好ましくない行為だと思う。ただ、連盟が定める対局規定では、
 禁止事項になっていない。それから将棋雑誌を読んだり、他者の棋譜を眺めるのまでは規制できない。棋士たちの良識に任されているのが実情である。
 対局中に何らかの方法でこうした電子機器を利用できたら、とても力強い武器になる。
 電子機器の不正使用は、棋士の存在価値を貶めて自殺行為に当たる。
 実力のある棋士や研究熱心な棋士は、そんな手助けが必要ないことは言うまでもない。

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全文は無理なので抜き取りだが…この記事も面白いな