https://www.dailyshincho.jp/article/2022/11220557/?all=1

「研究時間がこれまでに比べて十分に取れていることが大きいのでは」

 と、さる将棋連盟関係者。

「4年前、羽生先生は東西の新将棋会館建設にかかわる委員会のトップになり、
以後はさまざまな打ち合わせやイベントに忙殺されていました。
それが昨年末にめどが付いた。また、踵を痛め、長時間の正座にストレスを抱えていましたが、それも治ったとか」

「全27局のうち『横歩取り』という作戦を12局も採用しています。これもAIによる評価は低いですが、あえて選択している」
全盛を誇るAIへのリスクを取ったチャレンジが、逆に好結果を生んでいると分析するのだ。
「普通の棋士は、AIが示す答えのみを暗記し、目先の勝利だけを求めているような気がします」
と高川氏が続ける。
しかし羽生さんを見ると時をかけ、AIの発想や思考プロセスそのものを理解しようとしているように見えます。
これまでの経験から得た“美意識”や“定跡”を捨て、AIに果敢に挑んできた。真理探究の歩みを止めようとしませんね」

王将挑戦が決まると、迎え撃つのは藤井五冠。彼に勝ってタイトル100期の新たな伝説なるか。