日本史上最高の歌人って誰?
紀貫之は下手な歌よみにて『古今集』はくだらぬ集に有之候 そうかもしれないが、花鳥風月といったあらゆる「日本的なもの」の源泉が古今にある 良くも悪くも
日本文学に長期に渡って決定的な影響を及ぼしたという意味では定家 東京空襲をある作家が回想している文章
「そこのいぶりぐさい地べたの上に、焦げた紙きれが一枚おちていたので、ひろいとって見ると、それは古今集の一ひらであったという。わたしのもっていた古本の山がぞっくり灰になったあとに、どうすれば古今集の一ひらだけが焼けのこったのか。合理主義繁昌の常識からいえば、これははなしができすぎて、ウソのようにしかおもわれないだろう。しかし決して非常識ではないAがこういうことでウソをつくとは絶対におもわれない。人生の真実のためたに、このはなしはウソではないと信じておかなくてはならぬ。」
この文章の「古今集」の部分はどうしても他の作品では成り立たないね。 日本の古典だったら置き換え可能だと思うが・・・・・といっても『偐紫田舎源氏』とかは無理だが 広く深く日本人一般の感性に影響を与え続けた作品という点において、万葉集や源氏などを差し置いて重要だろうね。
古今集の日本的な感性は具体的に和歌を知らない人にまで陳腐といえるくらいにまであたりまえに浸透している。その本尊は貫之に違いない。 こういうのは爆弾が何千と降ってきて国が滅んでも失くならないんだよねえ 定家と良経と家隆が新古今三傑であるとともに和歌史上の頂点に立つ3人でもあるような気がする