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【ラノベ】初めて小説書いてみたから読んでクレメンス
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0001ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 19:50:22.56ID:MFoEa1HY
我ながらいい出来だとは思うんだがなんせ友達いてないんだわ
0002ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 19:51:22.55ID:MFoEa1HY
吐息が白く染まる夜。そっと包み込んだ君の手は、かすかに震えている。
「もうすぐだね。」
 自分の手が震えていることを僕に隠すかのように、君が唐突に口を開く。
「そうだね。ここまで長かったよね。ほんとに。」
 そう言って君の手を強く握り締める。

1歩…2歩…3歩…
 ゆっくりながらも、君は決してペースを緩めずに足を運んでいく。それに比べて僕は、足が鉛のように重い。足が思うように動かない。これほど歩くことに苦痛を感じたのは初めてだ。

 足取りの重い僕に気づいたんだろうか。鼻をすすりながら君が話し出す。
 僕にはわかる。君が恥ずかしがっている時の仕草だ。
「私ね、ずっと楽しみにしてたんだよ。今日のこと。」
「え?どうしてだい?」
 咄嗟に聞き返してしまう僕の悪い癖。
「ひっどい。ずっと見たかった景色を久しぶりに見れるんだよ?また来ようねって言って何年経ったと思ってんのよ…」
 次は左手でピアスを触る仕草。また君の機嫌を損ねてしまったようだ。

 本当はわかっている。君が今日をどれだけ楽しみにしていたのか。どんな思いでここまでやって来たのか。
 わかっているからこそである。これから起こることを思うと、その重圧が重くのしかかってくる。覚悟はできているはずだった。土壇場になって怖気付くとは情けない。

『大丈夫。いつだって君とならどんなことでも乗り越えてこれたじゃないか―――。』
 そう自分に言い聞かせて奮い立たせる。
0003ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 19:52:33.86ID:MFoEa1HY
「それにしても、本当にいいのかい?よりにもよってここでだなんて…」
「よりにもよって…って何よ。私はここがよかったの。」
 また君を怒らせてしまった。長い間連れ添っているはずなのに、いつになっても学習できないままだ。
「だってね、私が人生でいっちばん好きな場所なんだよ。」
「へぇ〜、そうなんだ。」
 また適当な相槌をしてしまう。
 呆れたように溜め息をつきながら君は続ける。
「私ね、思い出の場所ってここしか残ってないんだ。」
「え?どういうこと?」
「私の思い出の場所はね、おばあちゃんちと、おばあちゃんとよく行った遊園地だったの。でも、もう随分と前になくなっちゃった。」
「あれ、君ってそんなにおばあちゃんっ子だったっけ?」
 咄嗟に疑問がこぼれた。そういえば、君の家族の話ってちゃんと聞いたことなかったな。

「今日だけ、私の話聞いてもらってもいい?」
 君が不安そうに僕の方を見つめる。
「もちろんだよ。聞かせて。君のはなし。」
 嬉しそうに微笑む君。

久しぶりだな。君が笑う姿を見るのは―――。

 それから君にいろんなことを聞いた。
幼い頃に両親が離婚して親から虐待を受けていたこと。小学校にもまともに通えずに、養護施設でも馴染めずにいじめられていたこと。どこにいっても、君は打ち解けることができなかった。話すことが苦手だった。周りの人間は、そんな君に後ろ指を指す。殻に閉じ篭って、周りに背を向ける。君にはそうすることしかできなかった。ずっとひとりぽっちだった。
 そんなときに里親となってくれたのが、さっき話してたおばあちゃんだった。小学3年生の冬、君はひとりじゃなくなった。何を言っても、頷いてくれた。何を愚痴っても、叱ってくれた。何を怒っても、一緒に怒ってくれた。何回泣いても、優しく頭を撫でてくれた。いつしかおばあちゃんは、君にとって、家族でも友達でも計れないほどの、特別な存在になっていた。

 おばあちゃんは、君が高校生の頃に天国へと旅立った。高校生になってからも、君には友達と言える存在ができることはなかった。いくつになっても、この世の中の人間は変わらない。いつだって君のことを嫌うやつらが束になって君のことをいじめてくる。唯一の理解者であり、心の支えとなっていた大切な人の死によって、君はまたひとりぽっちになってしまった。

 君はその頃から自暴自棄になった。自分をお金で売るようになった。人から求められているときだけ、愛されていると錯覚する。いつしか、愛情とは何なのかがわからなくなっていく。自分を見失っていく。どす黒い底の見えない沼へと、ずぶずぶと体が蝕まれていく。どれだけ人から求められても、君はひとりぽっちのままだった。

 僕と出会うまで、君は本当の愛情を知らないままだった―――。
0004ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 19:54:05.09ID:MFoEa1HY
ちな題名は「ふたりぽっち」な。
0005ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 19:55:25.41ID:MFoEa1HY
とまあここまでは他のラノベサイトにもあげてるんだが、もしここで読んでくれてる奴がいるんなら先行して公開しようと思う
0006この名無しがすごい!
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2023/01/07(土) 19:56:02.79ID:MFoEa1HY
てことで読んでる奴いたら反応してくれや
0007この名無しがすごい!
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2023/01/07(土) 20:00:58.94ID:MFoEa1HY
まあこんな無名な作家の小説なんて誰も見るわけがねえわな。気にせず続き上げてくわ。
0008この名無しがすごい!
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2023/01/07(土) 20:01:56.07ID:MFoEa1HY
鼻をすすりながら君はそっと背を向けた。これは恥ずかしがっているんじゃない。泣いているんだ。それくらい僕にだってわかる。
「そうだったんだ。ごめんね。辛いこと思い出させちゃって。」
「ううん、辛くなんかないよ。この思い出がなかったらきっと今の私はいないし、ぜんぶ大切な記憶だから。大事に心の中にしまってあるの。」
 君は本当に強い。僕だったらとっくに耐えられなくなっている。今まで、本当によくがんばったんだね。すごいよ。君は。
 寒空の下温もりを分け合うように、そっと君を抱き締めた。
「ごめんね、こんな話。きっと幻滅しちゃったよね。」
 僕の腕の中で君が呟く。
 そんなことないよ。君は本当にすごい。ずっと一人で抱え込んで、誰にも打ち明けずに背負ってきたんだ。
 そう言ってやりたいのに、言葉が出ない。君の言葉に応える代わりに、ぎゅっと胸に強く君を抱き寄せた。
 眼に溢れる泪を僕の袖で拭って、君が話を続ける。

「覚えてる?ここで君が私に言ったこと。」
 クスッと笑いながら僕に問いかける。
「もちろんだよ。僕の恋人になってください。でしょ?」
「違うよ。その前。ほんとに頼りなかったんだから。」
「あれ?なんだったっけ?忘れちゃったなあ。」
 本当は覚えているのに、忘れてしまったふりをした。
「もう。またそうやってとぼける。そういうところが、君の可愛いところだよね。やっぱり君は出会った時から何も変わらないね。」

 出会った頃?君と出会った頃って、どんなだったっけ?
0009ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 20:02:43.35ID:MFoEa1HY
僕と出会ったのはおばあちゃんが死んでから数年経った後だった。初めて会ったとき、明らかに人慣れしていない僕を見て『可愛い』って思ったらしい。僕も同じだった。
 僕は出会った瞬間から君に一目惚れをしていた。今まで出会ったどの女性よりも君は美しかった。
 僕らはマッチングアプリで出会った。マッチングアプリというものは、お互いの好きな人の傾向や趣味とかを入力して、条件に合った人が自動的に表示される。時代の進歩とはすごいものだ。そうやって出てきた相手が、間違いであるはずがなかった。メッセージを何度かやり取りし、一週間もしないうちに僕らは直接会うことになった。
 その日は、僕がデートプランを考えた。ラーメン屋さんに行って、カラオケに行って、都会の人間の群れに紛れて街を歩いた。正直、デートなんて人生で初めてだ。どこにいけばいいのかなんていうものは、僕にはまるでわからない。その代わりに、どこに行っても、僕は君へ迷うことなく想いを伝えることにした。
『可愛い。』何回その言葉を口にしただろうか。不器用な僕には、そのくらいしかできなかった。好きな人を目の前にして言葉が出なくなるのは、昔から変わらないままだ。
0010ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 20:03:35.41ID:MFoEa1HY
歩き疲れたと君が愚痴をこぼしたとき、あとひとつだけ行きたいところがあると伝えて君の手を引いた。僕がずっとあたためていた場所。都会のど真ん中。雑居ビルの階段を上がって辿り着いたのは、真っ暗な屋上。周りの高いビルに遮断されて、都会のネオンは一切ここには届かない。スマホの灯りがなければ、自分の足元さえ見えないほどだ。気になることは、隣のビルの換気扇から出てくる焼き鳥の臭いと、室外機の音くらいだろうか。普通の女の子なら、こんな場所怖くて逃げ出してしまいそうだ。
「わぁ!すごい!星がいっぱい見える!」
 君が子犬のようにはしゃぎ出す。その姿を見て、僕は君にどんどん惹かれていく。
「もうちょっとだけ待ったら、もっと綺麗な景色を見れるよ。」
 咄嗟に出た嘘。口から出たでまかせだ。本当は、心の準備ができていないだけだった。慣れない初めてのデート。僕からすれば、人生で初めてのデートだ。マッチングアプリでやり取りをしている瞬間から、君に告白をする場所をずっと探して、やっとの思いで見つけたこの屋上。ここまで辿り着いたのに、肝心な所で勇気が出ない。
「少し横になって、2人で空を見ようよ。」
 そう言いながら、君の手をそっと握り締め、ゆっくりと地面に背をつける。少しでも時間を稼がなくては。僕に勇気が出るまでの間だけ。焦りと鼓動で汗が止まらない。僕の手は大丈夫だろうか。湿ってはいないだろうかと、君の顔を見つめる。君は夢中で空を眺め続けている。そんなことを考えているうちに、刻々と時間は過ぎていく。瞳が暗闇に慣れるのに、そう長くはかからなかった。
「見て。星がすごく綺麗だよ。」
 さっきまでのはしゃぎようが嘘みたいに、君が落ち着いた声で呟いた。
 そこには、さっきまでとは比べ物にならないくらいに、たくさんの星が眼前に広がっていた。周囲のビルに遮られ、四角く切り取られたかのような空。描かれた絵画のように綺麗だ。
「綺麗だね。」
 君の方に目を向ける。君の瞳はまだ空を向いたままだ。時がようやく僕に味方をした。君の手を強く握りしめ、そっと君に問いかける。
「君の、恋人にしてくれませんか。」
肝心な時にまで、頼りない。なんて情けないんだ。
「ちゃんと、言って。」
鼻をすすりながら、君の瞳が僕を見つめる。光のない君の瞳は、僕を更に引き込んでいく。
もう一度君の手を強く握り締め、僕は深く呼吸を整えて言い直した。
「僕の恋人になってください。」
 君からの返事を待つ時間。静寂が息を殺す。どれだけ時間が流れたかはわからない。きっと一瞬だったんだろう。とてつもなく長く感じた静寂は、君の一言で終わりを告げた。
「私でよければ、お願いします。」
 君からの返事に、思わず胸が高鳴る。尻臀を地面に打ちつけて喜ぶ姿を見て、君がまた口を開く。
「君はほんとにかわいいね。」
 かわいい。その頃はその言葉を聞いてもあまりいい気がしなかった。でも、それが君なりの愛情の表現方法なんだということはわかっていた。
 また黙り込んで空を見つめる。あまりの絶景に体が吸い込まれそうになる。もうそろそろ帰ろうかと思ったそのとき、流れる星の群れが空を覆った。
0011ミソラアイラ
垢版 |
2023/01/07(土) 20:04:18.17ID:MFoEa1HY
「見て!流星群だよ!願い事しなきゃ!」
 君がまた子犬みたいにはしゃぐ。そういうところがまた可愛い。
「ねえ!なに願ったの?」
 君が丸く大きな目で僕の方を見つめながら聞いてくる。
「うーん、恥ずかしいから内緒。君は?」
「君が言わないんだったら、私も内緒かな!」
「えー。聞きたいなあ。君の願い事。」
「じゃあさ!2人で一緒に言わない?そしたらお互いの恥ずかしさも、ちょっとはマシになるんじゃないかな!」
 あたかも名案を思いついたかのように誇らしげに言った。2人で言ったところでお互いの願い事は聞こえるんだから、恥ずかしさなんて一緒に決まってるじゃないか。とそんなことを言えるはずもない。
「それはいい案だね!そうしよう!」
「やった!じゃあさ。せーので一緒に言おうね!いくよ!」

『『せーの!!』』

 流れる星に願いを込めた。願い事なんて初めてだ。人生に特に期待なんかしていない。君がそばに居てくれたらそれでいい。小さいけど、幸せなこと。咄嗟に出た願い事だった。

『『いつか、また2人で星を見に来られますように―――。』』

これが、僕と君の物語のはじまり。その日から僕らはひとりぽっちじゃなくなった―――。
0012ミソラアイラ
垢版 |
2023/01/07(土) 20:04:54.65ID:MFoEa1HY
そうだ。僕は出会った時から今まで、頼りないままだった。肝心な時に逃げてしまう臆病者だ。今日は絶対に逃げない。絶対にやり遂げるんだ。そう腹を括って来たんだった。
 いつの間にか、足が軽くなっていた。気持ちが落ち着いたんだろうか。覚悟が固まったんだろうか。
 色々と君と話す内に、目的の場所に着いてしまっていた。ここは、僕と君の物語が始まった場所だ。
「やっと。着いたね。」
 君が言ったその言葉には、色んな感情が含まれている気がした。
「あの時の流れ星のおかげだね。」
「なんだ、ちゃんと覚えてくれてたんだ。」
 また君が鼻をすすりながら話す。
「あの後2人で約束したよね、絶対にこの願いを叶えようねって。あれからもう5年も経っちゃったんだね。」
「5年か。あっという間だったね。」
 気の利いた言葉が見当たらない。今から大事な時だって言うのに。苦し紛れに、君に声をかける。
「あの日みたいに、横になって星を眺めようよ。」
「それ。いいね。そうしよう。」
 そういって僕らは地面に背をつけた。
「懐かしいね。この感じ。」
 空を見つめながら君が続ける。
「コンクリート、冷たいね。」
「真冬だもんね、しょうがないよ。」
「人間ってさ、死んだらどうなるのかな。」
「うーん。どうだろ。星になるんじゃないかな。」
「星かあ…なんかロマンチックでいいね。」
 そう言いながら僕の目を見つめて抱きつく君。僕はそっと君の頭を撫でる。寒さで手がかじかむ。君の感触が薄れていく。
「もう、心の準備はできたかい?」
 瞳が暗闇に慣れたころ、君に問いかける。
「ううん。まだ。もう少しこうしていたい。」
 そういって顔を隠しながら丸く背を曲げる。顔を見られたくないのだろう。微かに声が震えている気がした。
0013ミソラアイラ
垢版 |
2023/01/07(土) 20:05:48.07ID:MFoEa1HY
そこから何時間か経っただろうか。僕らは時計を持ち合わせていないから、正確な時間はわからない。夜が更けて街が静寂に包まれるころ、君が口を開いた。
「本当に、これでよかったのかな。」
 僕に話しかけた、というよりも、自分自身に問いただしているような口ぶりだ。僕の前では強いふりをしながら、君はずっと迷っていたんだろう。僕の言葉が、答えになるかはわからない。ただ、君を認めてあげたかった。
「もう、充分だよ。君は本当によくやった。やり切ったよ。」
 腕の中で君が鼻をすする音が聞こえる。照れているのだろうか。泣いているのだろうか。そんなことは関係ない。君が確かに隣にいる。それだけで充分だ。
「ありがとう。」
 君はそう呟いてゆっくりと立ち上がる。
「お待たせ。もう、準備できたよ。」
 君が差し伸べてくれた手を取って、僕も体を起こす。
「君と出会えたおかげで、僕は強くなれたんだ。」
 君の手を強く握り締める。温かい。
「私も君と出会えたおかげで、どれだけ辛くても乗り越えてこられた。」
 君の手の震えが止まる。気持ちの整理がついたんだろうか。
「ねえ。」
「ん?どうした?」
「昔みたいにさ、一緒にせーので感謝を伝えあわない?」
「いいね。それ。懐かしい。」
「あの時は本当にびっくりしたよね!」
「そうだね。まさか2人とも願い事が一緒だなんて」
「ああいう時って普通男の人はエッチなこと考えるんじゃないの?」
「ばか、そんなわけないだろ。」
「あー。この隣にいる超絶美人で可愛い女の子とヤリてー!とかさ!」
「それは、思う。ていうかそれは、願い事じゃなくて常に思ってる。」
「ばか!なにそれ!さすがは、私と出会うまでDTだっただけあるね。」
「それは余計だろ!ったくもう…」
 2人の笑い声が壁に反射してこだまする。いつまでもこうやって笑い合える日々が続けばいいのに。そんなことを考えるも束の間、笑い声が聞こえなくなった頃、君は重たい口を開いた。
「じゃあ…」
「うん…」

『『せーの』』

そう言った瞬間、今までの想い出が一瞬でフラッシュバックしてきた。幸せな瞬間も、不安でどうしようもなかった日も、怖かった日も全部。本当に色んなことがあったんだ。この5年間という年月は、絶対に無駄ではなかった。楽しかったよね。本当に。

『『今まで、ありがとう。』』
0014この名無しがすごい!
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2023/01/07(土) 20:07:49.54ID:MFoEa1HY
とまあこんな感じなんだが、一旦ここまでにしとくわ、見てくれてる奴いたら反応してくれ。続き上げてほしいって奴いたら更新するわ
0015この名無しがすごい!
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2023/01/07(土) 22:04:45.26ID:Ps+ScpZv
ええやんおもろい
けどなんか目が滑るわ
0016この名無しがすごい!
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2023/01/07(土) 22:25:53.56ID:MFoEa1HY
>>15
コメントありがとう。1人でも見てくれる奴がいてくれただけでも安心したわ。
なんせ学がないもんだから語彙力が欠落してるんだよな。素人なりに頑張ってんなって目で見てくれたら助かる
0017ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 22:27:21.23ID:MFoEa1HY
全力で笑いながら見つめ合う2人。君の眼には涙が溢れている。僕はうまく隠せているだろうか。ちゃんと笑えているだろうか。

「プッ…変な顔。」
「え?なんだよそれ」
「だって、わんちゃんみたいな顔してるんだもん」
「わんちゃんって…」
 犬のことをわんちゃんと呼ぶ君さえ愛おしい。本当に君と出会えてよかった。
「ちなみに何犬?」
「うーん、オールド・イングリッシュ・シープドッグ?」
「いや、なんだよその長い名前。普通そこは柴犬!とかトイプードル!とかかわいい名前の犬を言うところだろ」
「オールド・イングリッシュ・シープドッグもかわいいよ?」
「あ…かわいいの?んー。じゃあまあいいけども。」
 初めて聞く犬の名前。だけどそんなことはどうでもいい。やっぱり君と話している時間は楽しい。君と1秒でも長く話していたい。だけど、もう遅い。僕らには、もうなにも残っていない。君の手を握りながら、ゆっくりと足を前に運ぶ。
0018ミソラアイラ
垢版 |
2023/01/07(土) 22:28:39.57ID:MFoEa1HY
1歩…2歩…3歩…
 ゆっくり。ゆっくりと二人三脚で歩いていく。もう、進みたくない。このまま足を止めて引き返したい。そう考えている間に、気がつけば端に立っていた。

「もう一回、せーので一緒に言わない?」
 本当にもう。せーのが好きだな君は。
「またせーの?次は何を言うんだい?」
「だって私、絶対最後の最後で勇気が出ないからさ?せーの!って言ったら、1人じゃないんだ。大丈夫。って思えるじゃん?」
「そうだね。それなら前向きな言葉の方がよさそうだね。」
「前向きな言葉!いいねえ!それにしよう!」
「うーん。それじゃあね、"いこう"ってのはどう?」
「いこう?何なのそれって前向きな言葉なの?」
「なんだか、前に進むって感じがしないかい?かっこつけた言葉言うのも僕らの柄じゃないしさ。そのくらいシンプルな方がいいんだよ。きっと。」
「そっかあ。そうだよね。それにしよう。」
 ごめんね、本当は前向きな言葉が見つからなかっただけなんだ。どうしても怖かった。だから、君にいこうって言ってもらえたら、踏み出せる気がしたんだ。
0019ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 22:29:39.55ID:MFoEa1HY
「もう、準備はいい?」
「もちろんだよ。いつでも、大丈夫。」

『『せーの』』

 暗闇の中に2人の声が響き渡る。静寂が2人を包み込む。僕はそっと口中の唾を飲み込み、再び口を開いた。

『『いこう』』

 君の口から聞く最後の言葉。その言葉と同時に僕らは足を踏み出した。やっぱりこの言葉にして正解だった。何も怖くない。きっとここからまた僕ら2人だけの時間が動き始めるんだ。仕事なんてしなくてもいい、他人に気を使わなくてもいい2人だけの世界で、毎日笑い合って暮らすんだ。
 君はずっと手を握ったまま、僕の方を見つめる。最後まで笑顔は絶やさないつもりのようだ。僕が怖がっていたことに気がついていたからだろう。ありがとう。最後まで気を遣ってくれて。
 空と地面が逆さまになる。頭では処理しきれないほどの情報が流れ込んでくる。横断歩道から聞こえるかっこうの音、コンビニでたむろしている若者の笑い声、ビルの排水管から垂れる水の音まであらゆる音が僕の脳に語りかけてくる。
0020ミソラアイラ
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2023/01/07(土) 22:30:36.63ID:MFoEa1HY
 全ての音が鳴り止んだ時、僕は気づけば地面に横たわっていた。隣では君が目を閉じたまま笑っている。相変わらず手は握ったままだ。君に話しかけたい。君の声が聞きたい。なのにどれだけ声を出そうとしても声が出ない。胸を強く打ったせいだろうか。手を強く握り締めていたい。なのに腕に力が入らない。それどころか、全身の感触がない。
 近くから若い女の子の悲鳴が聞こえる。どうやら耳はまだ無事なようだ。すぐにあたりはざわつき始めた。救急車でも呼んでいるのだろうか。もうこのままほっといてくれよ。そう心の奥底で思いながら、残された唯一の五感である耳を澄ます。
『こんな所で死ぬなよ気持ちの悪い』
『小さい子供もいるんだから、場所くらい考えてよね』
『うっわ、すげえ。人死んでんぞ。写真撮っとこ。』
 所詮人間なんてこんなものだ。世の中なんて腐り切っている。人の気持ちに寄り添うことができない人間。他人を思うふりをして、自分の考えを押し付ける人間。何事にも無関心で、世界で起きていることは全て他人事だと思っている人間。本当に心から心配してくれる人間なんてひと握りしかいない。僕にとって、それは君だけだった。
 寒い。溢れ出す血と共に、身体から熱が失われていく。遠くから救急車のサイレンの音が聞こえる。都会だから道が混んでいるのだろうか。一向に近づいてくる気配がない。
 眠い。僕の身体はもう限界を迎えるようだ。瞼がとてつもなく重く感じる。君の姿はもうぼやけてしまって、ほぼ見えなくなっていく。次第に耳も聞こえにくくなり、気づけば自らの鼓動の音しか聞こえなくなっていた。心を落ち着かせるように、どんどん遅くなる鼓動の音に耳を傾けながら、ゆっくりと僕は眠りについた。
0021この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 22:32:50.54ID:Ps+ScpZv
ファッ
0022この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 22:33:50.51ID:MFoEa1HY
とまあこんな感じだな。最後まで見てくれてありがとう。
0023この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 22:34:52.56ID:MFoEa1HY
どうだった?見返してみると僕の心境とマッチして面白いんじゃないかなとか思うんだが
0024この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 22:36:55.54ID:MFoEa1HY
ちなこの作品はこのままで終わらないぜ。まだ話には続きがあるんだが執筆途中なもんでな。
0025この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 22:38:12.55ID:Ps+ScpZv
ヒェッ......心中したん?コイツら
なろうで連載してるんか?
0026この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 22:38:49.75ID:MFoEa1HY
全部書き終わってから上げろやって話なんだが、ちょっとでも早くこの作品を見てもらいたかったんだ、いうなればただの自己満だな
0027この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 22:43:39.90ID:MFoEa1HY
>>25
そういうことだな。途中まで読んでも気づかないように、素人なりに知恵絞ってたわけさ。それが余計に目が滑る原因になってただろうがwwwww
なろうには今日初めて上げて、冒頭の2,000字くらいだけあげてみた。まあそっちはのんびり更新していこうかなって思ってる。続きも執筆したいしな。
0028この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 22:47:01.93ID:Ps+ScpZv
>>27
はえ~読んでてすっごいビックリした
なろうの方でブックマークしとくわ
0029この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 23:35:34.77ID:CgINxG2H
俺も小説書いてるからかなんか親近感湧く
友達がいないんじゃなくて見せる友達がいないんちゃう?
0030この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 23:54:26.49ID:MFoEa1HY
>>28
ありがとう。一応続きできたらまたスレ立てるからまた見かけたら覗いてっておくれ。
0031この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/07(土) 23:57:26.34ID:MFoEa1HY
>>29
それ。誰も小説を読む友達なんていないもんでな。見せたところで薄っぺらい返事しか来ないわけさ。
そこでスレ立ち上げたんだよ。
ところで小説書いてるんだな、よかったら作品教えてくれよ。読んでみたいんだが
0032この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/08(日) 00:04:56.31ID:BwH5Q/NC
>>31
いいけど、どこにもだしてないんよなw
ネッ友に見せたことくらいしかない
どこにあげればいいかい?
0033この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/08(日) 00:54:58.43ID:fyrI0jZK
>>32
そうだな、ここの板に書き込んでいくっていうのはどうだい?
0034この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/08(日) 00:58:52.05ID:BwH5Q/NC
いいよん


その時突然暖かくなった
私は小説を書いている手を止め、窓から外の景色を覗いた

「冬も、もう…終わりか」

所々に桜が咲き始めていた

そして、空を見上げると、そこには底が突き抜けていて、どこか頼りないあの青い空が広がっていた

この時期になると、私は何年も前の学生時代の記憶が蘇る

私の人生の中で
何よりも楽しくて
何よりも自由で、
何よりも辛くて、そして何よりも大切な、あの時の記憶が


ふと淋しさや、孤独が、私の心の奥底でつぶやいた
「雨…降らないかな…」

〜20年前〜
「いってきます」
親にそう挨拶し、私は家を出た

そして私は自分の行く高校へ悠々と歩いていた
今日は入学式

校舎に着くと、
門の近くには多くの学生がいた

待ち受ける新しい学校生活、高校生活に思いを馳せている学生がほとんどのように思えた
私もその内の1人だった

門に溢れる学生の背景に
快晴の空と、咲き乱れる桜が添えられていた
入学式にはもってこいの日だな

私は校舎へ入り、受け付けを終え、自分の教室へ向かった
0035この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/08(日) 01:08:41.30ID:BwH5Q/NC
階段を上がると教室の前の廊下で戯れている学生を見かけた

少し歩くと自分の教室に着いた
その教室を見ると、既に数人の生徒が自分の座席に座っていた

廊下で中学時代の友人を待っていてもよかったのだが、焦ったくて、教室へ入った

席に着くと、小中でも感じた入学当初の、あの独特で、新鮮な教室の匂いがした

しばらくすると中学時代の友人が話しかけてきた
「川本じゃん?ちょっと前振りだな」
「涼か、思い返すと君とは卒業式から会ってなかったな ところで同じクラスのメンバーは見たかい?」
「うん、中学から一緒の奴結構いてなんか安心したよ」
「そういえば君がよく話してた悠太もいたね」
「あぁ、悠太の奴…」

そう呟いて彼は表情を曇らせた

「悠太が、どうかしたのか」
「いや、なんでもねぇんだ
ただ連絡がつかなくてさ」

そうこうしている内にクラスの担任と思われる先生が入ってきた
涼は席に戻った
それと同時に今まで廊下で戯れていたクラスメイト達が教室に入り、ガラ空きだった席がどんどん埋まっていった

皆が座席に着くと教室は一気に静まり返り、まだ顔も見合わせてない者同士の空間に初々しさと緊張を感じた
「こんにちは皆さん、これから1年間クラスを担任させてもらう前田智明、と申します
よろしくお願いしますね」
先生は透き通った声にスラリと長身で分厚いメガネをかけていた。そしてどこか頼りなさげだった
先生とクラスメイトの簡単な自己紹介を終え、入学式の説明が始まった

そしてしばらく経つと放送が入った
私達は廊下にでて並ぶよう指示された

皆が廊下に出て、お互い顔と名前が一致してない中、協力して出席番号順に並んだ

私は体感中学時代よりかなり前の方になった気がした
振り返ると涼は後ろの方に並んでいた
一方、悠太の姿はどこにも見当たらなかった
風邪でも引いたのだろうか
そう思っている内に前の人が動き出した
私もそれに続いた

声ひとつしない空間に学生達の足音が響く

見慣れない校舎を歩きながら
第二体育館という表札を目にした
どうやらそこが会場らしい

会場前の廊下に着いた
すると、ガタイのいい体育の先生らしき人から、静かに待機してろとの声が聞こえた
0036この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:09:27.36ID:3AWjpTXZ
>>34
情景が浮かびやすくていいな。これは自伝になるのかい?続きが気になる。そのまま続きものっけてクレメンス
0037この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:12:07.93ID:BwH5Q/NC
少し時間もあったようで、あたりを見回していると職員室前に綺麗な長い髪をした女の子がいた
制服を着ていて、同じ学生であることは察したがあまりにも仕草が大人びていて、3年生なのかなぁと私はしばらくその子を見ていた
すると、視線を感じたのか
彼女は私と目を合わせた
その時なぜか、その顔に、見覚えのあるような懐かしさを感じた
すぐに私は目を逸らした
誰だろう…
しばらくして、入学式が始まった
前の方から入場曲が聞こえる
その音に吸い込まれるように
新入生が入っていく
前に続いて私も入場した
体育館はほんのり暖かく感じた
全員入場すると
国歌斉唱が始まった
卒業式以来だが、あまり上手く歌えなかった
歌い終わると、中年の、校長らしき人物が壇に登っていくのが見えた
壇に登ると、式辞を始めた
「満開の桜と木々の新緑、美しい草花がうららかな春の日差しに映えております。この生気がみなぎる春の日にーーーーー」
ここで、そうか、もう高校生か
という実感が湧いた
冗長たらしい校長の話が終わると、それに流れるように
教育委員会、PTA、来賓等
が祝いの言葉を披露した
担任紹介も終わり、
あっという間に入学式は終わった
長く、貴重になるであろう3年間の高校生活の始まりは、あっけないように思えた
教室に戻り、ホームルームを終え、私はなんだか疲れたので友達とも話さず早めに家に帰ることにした
階段を降り、下に着くと私のロッカーが見えた
ロッカーまで歩き、荷物を出す時、横から視線を感じた
私が目をやると
そこにはさっきの女の子がいた
…………
お互いに見つめ合ったまま、黙っていた
なんだ…この人
すると
「ねぇ」
女の子から話しかけてきた
「あなた、テニス部の川本尚希君でしょ」
私は少し動揺した
見ず知らずの女子に、名前と部活まで知られていたとは
「なんで知ってるの?」
「内緒」
「君は、誰?」
「私は波坂心優っていうの。
てか先輩なんだから敬語使ってよね」
彼女はそう言うと、まるで少女のようにはにかんだ
「すみません…」
「まぁ尚希君ならいいけどね」
一体誰なんだ
その子が不思議でしょうがなかった
私は何が何だかわからなくなって、玄関の方へ急いだ
校門まで行くと、彼女が私を追ってきた
「ねぇ!あのさ…」
「うん?」
「前田先生知らない?」
「あー教室にいたけど、4組の」
「そっか、ありがとうね」
そう言い残し、彼女は玄関の方へ消えていった
0038この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:15:16.63ID:BwH5Q/NC
>>36
見てくれてありがとう

まぁ自伝っちゃ自伝だね
最初らへんは結構退屈

ちな最後まで書き終えてないけど、とりあえず続き載せる
タイトルは「向日葵の思い出」
0039この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:16:21.00ID:BwH5Q/NC
ほんとに…誰なんだろう…
思い出そうとしても、記憶の中には、どこにも彼女はいない

私はますます疲れたので、近くの自動販売機へ、飲み物を買いに行った

すると、自動販売機の近くに50半ばの中年男性が立っていて、
頭を抱えていた

「どうかしたのですか?」

私が声をかけると、その男性は少し驚いたようだったが、すぐに落ち着いて言を返した

「千円札を両替しようとしたのだが、入れたところで詰まってしまってね…困ったもんだよ」
「でしたら、ここへ電話すればいいんじゃないですか?」
「いやぁ助けってのはなるべく足掻いてから求めるもんだわさ、だから、どうしようかなって、だっはっはっは」

今時の大人は困ったらすぐに苦情を言うものだと思っていが、そうでもないんだなと、ませガキながら感心した

しかし彼は不器用そうだったので、思いつかないなら私がやってやろうと思った
よく見ると返却レバーがついているじゃないか、私は咄嗟にそこに手をかけ、回した
すると、見事に千円札が返ってきた

「やるじゃないか、最近の若者は賢いんだね、ありがとさん」
「いえいえ、どういたしまして」

その後彼は私に飲み物を一本、奢ってくれた
元々業者に頼めば戻ってくるようなものを
私は彼の太っ腹っぷりに感謝し
その後家に帰っていった
0040この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:17:45.05ID:/8NX33vq
>>38
いや、むしろ全然退屈に感じないぞ。すごく勉強になる。向日葵の思い出か。いいタイトルだな。
0041この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:19:49.15ID:BwH5Q/NC
家に帰ると
母親が入学おめでとうと、
めでたく出迎えてくれた
家に帰る頃には私はぐったりしていたので
中途半端に返答し、部屋に行こうとすると
「ねぇ、尚希」
と母親が私を呼び止めた
「なに?」
「最近近所で空き巣被害が多いらしいから戸締まりとか、気をつけるのよ」
「わーったよ」
戸締りも何も私は虫が大の苦手で換気目的以外で窓を開けることがないので気にも留めなかった
その後、自分の部屋にてしばらく休憩し、夕飯を食べ、そのまま風呂に入って寝た
今日は、私の性に合わない
とても濃厚な時間を過ごした
翌日

私が教室に着く頃にはほとんどの生徒が座っていた
そう、私は朝に弱い
チャイムと同時に私は着席した
私が座ると、すぐに前田先生が来て、朝礼が始まった
朝礼が終わると、涼が私の元へ来た
今度は私から話しかけた
「悠太、また来てないね
本当に君は何も知らないのかい?」
「う、うん」
そう発した彼の声はうわずっていて瞬きも多かった
明らかに動揺している様子が見て取れる
彼のその様子とそれに付随する台詞はまさに
し、知らね〜の代名詞であった
「そうか、連絡がつかないのは何か理由があるのかい?」
「実は…さ」
涼は話を切り出した
「俺…悠太と喧嘩したんだよね」
私は驚いた
小中、涼と悠太はずっと仲が良く、登下校もほとんど一緒で
あった上、二人とも平和主義者で喧嘩や争い事を起こすような人柄ではなかったからだ
「喧嘩なんて珍しいな、仲直りする気はないのかい?」
「うん」
その彼の返答からは、強い意志を感じた
そういえば涼と悠太は平和主義者故か、お互い、強い正義感も持ち合わせていた
もしかしたら、その正義感が、何かいたずらでもしたのかもしれないと、
私は勝手に考察した
「そういえばこの前借りた漫画がさぁーーーー」
その後、私達は何事もなかったかのように、好きな漫画やらアニメやらの話をして盛り上がった
休み時間が終わり、チャイムが鳴り響く
高校に入ってから、初めての授業だ
授業の内容は、オリエンテーション的なものが多かった
初めての授業を終え、
昼休みに、私は涼と、もう二人の友人と昼食を共にすることにした
昼食を終え、その後の授業も終わると、私は無性にあるところへ行きたくなった
終礼が終わると、私は教室の中の誰よりも早く校舎から出た
周りには数人の生徒しか見当たらなかった
私は通学路と反対方向の道を進み、物凄い勢いでその道を駆け抜けた
目的地にはすぐに到着した
そう、悠太の家だ
0042この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:22:13.45ID:BwH5Q/NC
>>40
そう言ってくれるとありがたいぜ
結構あるから投稿する
0043この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:25:39.70ID:BwH5Q/NC
私は躊躇なく呼び鈴を鳴らした
呼び鈴の鳴る音を聞いて小学校時代に、涼と、悠太を呼びにここへ来たことを思い出して少し懐かしく感じた
そんなことを考えていると悠太がでてきた
「あ…尚希か、どうかしたの?」
「ちょっと話がある、時間を頂いてもいいかい?」
「…………うん、じゃあ…あがる?」
今の悠太の状況にしては、
ウェルカムな対応だな、と思った
「ありがとう」
と私は返し、悠太の家に邪魔した
その時間は、親も誰もいなかったようで、どこの部屋も暗く、静かだった
リビングには父か母か、飲み干された酒が何本か転がっていた。そういえば彼の父親はギャンブル好きだったな、と私に思い出させるような光景だった。私は2階の、悠太の部屋に案内された
随分と狭い部屋だった
「学校には、来ないの?中学時代の人は、みんな心配してると思うよ」
「来ないよ、もう…退学したからね」
「え」
私は、数秒、頭が真っ白になった
「なんで…なんでだ?まだ入って間もないのに…あんだけ受験勉強してやっと入れ」
と、私が言いかけたところで
悠太は仁王のような顔をして怒鳴った
「うるせぇ俺が決めたことなんだ他人にぐちぐち言われる筋合いもねぇし黙っててくれ」
彼の人柄はもう、中学時代とはうってかわっていることをここで認識した
私はこれ以上彼を刺激しないように、無駄な詮索は避けようと思った
「そうだね、ごめんよ」
それにしてもたった数ヶ月やらでこんなにも人は変わってしまうのかと、私は少しショックを受けた
「本題に入るけど、涼と喧嘩したんだよね」
「…」
少し時間を置いて彼は
「うん」
とだけ答えた
「仲直りする気は、ないの?」
「できないよ…でも……」
できない、という言葉から彼は自分の非を認めていて、涼と仲直りしたいと思っていることがなんとなく伺えた
「でも?」
「あと、7年…」
「7年後には、仲直りできる状態になるということ?」
「そう…かもね」
私には理解ができなかった
なぜ7年なのか
1年、いや、1ヶ月じゃだめなのか
そもそも時間の問題なのか
しかし、さっきの彼の怒号もあって、
それ以上、問い詰めることはできなかった
「なら、いっか」
「…」
気まずい沈黙が続いた
「それにしても驚いたよ、まさか涼と悠太が今更、喧嘩するなんてさ」
「まぁ…ね」
「小中の頃は、毎日のように遊んでたよね」
私は、この地獄のような空気を変えるべく、思い出話に持ち込もうとしたが
彼は黙り込んだ
そして口を開いたかと思えば
「すまない、帰ってくれ」
私を、突き放すようなその言葉はもう、悠太とは思えなかった
もう少し聞きたいことがあったのだが
「そうか…なんか悪かったね」
と、私は返して家を後にした
彼のことは、忘れよう
そう思った。そして、この日はもう、それ以上何も考えれなかった
0044この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:27:23.80ID:BwH5Q/NC
悠太の一件からしばらく経ったある日
午後の授業が終わると、涼が何やら楽しげな表情をして私に話しかけにきた
「尚希は何部に入ることにしたの?」
そういえば今日は入部届の締め切りだった
私は碌に部活動見学やら体験やらに行ってなかったが、入る部活はもう決めていた
「多分、テニス部になるのかな」
「まぁそうだよな、大体の人中学からの部活継続するし、俺もバスケ続けようかな」
そう、私は中学時代はテニス部涼はバスケ部に属していた
「あ、じゃあまたね
早く顧問に入部届ださなきゃ」
「そうだな、じゃあまた明日」
涼と別れた後、私は入部届を顧問に出しに行った
顧問は担任の前田先生だ
私が入部届を出すと
「じゃあ、早速練習に参加してみるか」
と提案された
私はその提案を呑み、練習に参加することにした
更衣室に着き、部活用のジャージに着替えて
私は部室に向かった
部室には、顔見知りや、友人も何人かいた為、その場に馴染むのには困らなかった
しばらくすると先輩が来て
体育館の上にあるランニングコースで10周程走るよう指示された
この時期、新入生は実践的な練習に参加させてもらえないのは
皆が暗黙の内に認める了解だった
外を出て、体育館に着くと
ホワッと学生達の熱気が伝わった
ランニングロードに着くと、皆無言で走り出した
私もそれに連れて、コースを走り出した
久々の運動だったが、不思議と足は付いてきた
あっという間に10周が終わり、その場で休んでいると
「尚希君?」
見覚えのある声がして、私が振り返ると、そこには入学式の日に出会った女の子がユニフォーム姿で立っていた
「あ、うん心優、だっけ」
その時は気づかなかったが、私はいつのまにか彼女に対して常語になっていた
「この前は、いきなりごめんね」
彼女がそう返すと、私を見つめてきた
よくみると彼女は目がうるっと大きくてとても端正な顔立ちをしていた
気のせいか、その時心臓の鼓動がいつもより早くなっていた
そして何故か、その状況に懐かしさを感じた
私が目を逸らして外の景色に目をやると、彼女からの視線も消えた
「君は、誰なの?」
「…覚えてない?」
「記憶にはないかなぁ」
「まったく?」
心優の方に目をやると、彼女は少し悲しげな表情をしていた
「…うん」
そう返す私は、何か嘘をついている気分だった
「そっか…まぁ小さい頃だったから、かもね」
「何歳くらいの時?」
その後、彼女は少し黙り込んで
「忘れちゃった」
と返した
お互いまた目を見つめ合って
今度は笑い合った
0045この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:29:04.44ID:BwH5Q/NC
そうこうしていると、下校のチャイムが鳴った

「あ、うちらもう帰らないとね」
「そうだね、じゃあまた」
「またあしたね」

外に目をやると辺りはすっかり暗くなっていた
私は部室へ戻り、着替えてから、何人かの先輩に挨拶をして帰っていった
なんだかその日は、体が宙に浮くような、そんな気分になった
0046この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:31:49.75ID:BwH5Q/NC
それからしばらく経ったある日

今日は学校もなく、涼達とカラオケで遊び、まだ日は出ていたがその日は解散することになった。
帰りはバラバラなので一人で帰っていると

「尚樹君〜?」

と突然声をかけられた
振り向くと、そこには制服姿の心優がいた
心優とは、学校やら部活やらで会うたびに、軽く挨拶をするような仲になっていた。

「心優、今日も学校に行ってたの?」
「うん、勉強!」
「そっか、受験生だもんね」
「そう!なんだけどさ、私
中学の頃は勉強できてたんだけど、なんかできなくなっちゃったんだよね、特に数学とか…」
「理論科目は難しいよね」
「尚樹君って結構得意だったりする?」
「まぁ、得意かも」
「教えて下さい!」
「え? …でも、俺高1だよ?」
「それくらいやばいの!」
「う〜ん、じゃあ、夜になったら帰るけど、いい?」
「おっけー!ちょっと来て!」

彼女がそう言うので、着いていくと、二階建てのアパートに着いた

「あれ、家行くの?」
「え、そうじゃん」
「親とかに迷惑かからないよね」
「親いないの」

何か込み入った理由がありそうで、深掘りはできなかった。

「そう、じゃあ、よかった」
戸惑いつつも、彼女の部屋に入った
窓からは一昔前のポーランド映画のように、薄暗い光が差し込んでいて、部屋は驚くほど綺麗だった。
彼女は座卓について数学の教科書を取り出した。
「てか、男の人家に呼んだことあるの?」
「ないけど、どうして?」
「いや、すごい落ち着いてるなぁって」
「いっつも学校で話してるじゃん」
「うーん、そんな人たくさんいそうだけど」
「尚樹君くらいしかいないよ、それに…」
彼女が目を向けたところには、一枚の写真が置かれていた。
そこにはまだ幼い私らしき子と、
彼女がいた。
「これ、覚えてない?」
「うーん、ないかも?」
「そっか〜」
彼女は写真を手に取って、何か懐かしがりながら、当時について語った
「私が小さい頃、ここら辺に住んでたらしくて、よく君と遊んだんだ、けど、私の、お母さんとお父さん、すっごい仲悪くて、
引っ越しちゃったの」
これでようやく、一つ謎が解けたわけだが、彼女は両親が二人ともこの家にいない事については語らなかった
「そうだったんだ、あんまり鮮明には覚えてなかったんだけど、心優を見た時ちょっと懐かしいなって思ったんだ」
「私は覚えてたから、もっと懐かしかったよ?」
「そうだね、まさか同じ高校で、出会うなんて」
「ね…あ、時間なくなっちゃうから、教えて欲しい!」
「よし、じゃあやろっか」
0047この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:34:08.85ID:BwH5Q/NC
「じゃあ早速、どこわかんないの?」
「三角関数嫌い」
「三角関数ね、剛体の吊り合いとかでよく見る」
「なにそれ、物理ならわかんないよ〜」
「問題ないよ、俺も文系だし。こっち理解した方が、早いよ」
「じゃあ、教えて」
「sinっていうのは、自然界に存在するエネルギーの元みたいな感じでーー」
彼女の飲み込みは早く、夕方になる前にはもう教え終わった。
「あ〜疲れた〜、すごい頭いいんだね」
「そんなことないよ、君だって、飲み込み早いじゃない」
「そうだけど…なんか勉強できなくなっちゃったなぁ、世界史とか暗記科目も、苦手になっちゃったんだよね」
「まだ一年生だけど、そういう人よく見る気がする」
「なんでだろう?」
「どっかで聞いたんだけど、中学生くらいまでは意味記憶って言って、みんな丸暗記が得意なんだけど、高校生くらいになるとその記憶能力が衰えるんだって」
「へ〜、やっぱ子供ってすごいのかなぁ、私も衰えちゃったんだ」
「でもその代わり、エピソード記憶って言って、物事を論理的に組み立てながら記憶する能力が、発達するんだよ」
「だから高校生って考え方とか、ちょっと大人っぽくなるんだね」
「そうかもね」
「私一般入試無理そう、推薦入試に切り替えようかな〜、部活とか頑張ればいけるよね?」
「部活もそうだけど、あと定期テストとか?」
「定期テストなら頑張れる!」
「なら大丈夫そうだね、部活は最近どうなの?」
「う〜ん、県大会はいけるかなぁ」
「テニス部だっけ、俺達の学校強いんじゃない?」
「男子は強いけど、女子は弱いよ、負けたら引退して、本格的に受験勉強始めなきゃなぁ…」
この時、なぜかわからなかったが、彼女の本音はそこにはないように思えた
「ねぇ…大会見に来てよ!」
「同じ会場なんだし、もちろんいくよ」
「やったぁ〜」
「さて、勉強も終わったし、解散する?」
「えー、一緒に映画見たい」
「あ、いいよ、俺も映画は好き」
その後、3時間弱の少し長い恋愛ものの映画を二人で見た。
映画が終わると、彼女から口を開いた
「面白かったね、ちょっと気になったんだけど、なんで結婚したら夫のこと、あなたって呼ぶようになるんだろ」
「貴方って漢字で書くと、なんか尊敬語っぽくない?夫への敬意として使ってそう」
「たしかにそうかも、あなたって言い方綺麗だよね〜、ねぇ、尚樹君は結婚するの?」
「う〜ん、良い人がいたら」
「あはは、それできない人の言う台詞じゃん…じゃあ…もし結婚できたら、なんて呼ばれたい?」
「尚樹君でいいかな」
「それ私と結婚したいってこと?」
「じゃあ逆に心優は結婚したらなんて呼ばれたい?」
「え…う〜ん、心優…かな」
「ほら、意外とそんなもんでしょ」
「なんかずるい」
「あはは、ごめんよ」
その彼女の物言いは、子供みたいで、可愛らしく感じた。
「あ、もうこんな時間なんだ、この辺りで俺は帰るね」
「わかった、勉強教えてくれてありがと、楽しかったよ」
「うん、じゃあまたどこかで」
外に出ると、すっかり暗くなっていた。
親も心配しそうなので、今日は家まで走って帰ることにした。
0048この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:36:54.84ID:BwH5Q/NC
翌日
授業を終え、友人達と部活へ向かった。
体育館や、運動場、テニスコート、どこを見ても、いつも以上に生気溢れる練習をしていた
もうそろそろ、3年の引退試合が始まることになる
今日は心優も、練習に没頭していて、私と話すことはなかった
このまま引退したらいつもの会話が無くなるんだ
そう思うと、なんだか寂しくなった
心優の本音も、もしかしたらそこにあったのかもしれない
私は勝ってくれと、願う代わりに、彼女に自分からは話しかけないことにした
そして今日からは私も人一倍頑張ろうと、思い定めた
そんな部活が終わり、下校途中、
偶然、入学式の日に自動販売機の前で窮していた男性と会った
「久しぶりだね、こんばんわ」
「こんばんわ」
「ちょっといいかな、あの月は見えるかい?欠けてるのかわかんなくて…わしの目も衰えたもんだな」
そういえば今日は部分月食だ
「あー、今日月食でしたっけ、まだ明るいし、欠けてるのは私でも目視できないですよ〜」
「そうか、ごめんよ、ありがとうな」
「この辺りに住んでらっしゃるんですか?」
「あぁ、この家だよ」
彼が指を指す方へ目をやると
氷室のように暗く、なんだか冷たそうな木造建築の家があった
「ここには長く住んでるんですか?」
「いや、訳ありで最近引っ越してね」
「なるほど、やっぱりまだここには、慣れませんかね」
「いや、地域柄も言葉も、今追いついたところよ」
「なるほど、なんやかんやいいところですよね〜、ここは」
「そうじゃなぁ…なぁ、お前さんも、月食、一緒に見ないかい?」
「いいですね、実は、私も見ようとしてたところなんです」
この人柄は、言葉では言い表せないが、なんとなく好きだったので、私は月食を一緒に見る事にした
しばらく星座の話をしていると、星を指した彼の指に目がいった。よく見ると結婚指輪をしていた
「あ…ご結婚されてるんですか?」
「あぁ、いや、そうだけど」
そういうと彼は少し顔を曇らせた
バツイチなのだろうか
これ以上深掘りはできないかなと思ったが、彼から口を開いた
「まぁいろいろ訳ありなもんで、妻も子供もいないんだ」
「そうだったんですね…なんかすいません」
「いや、いいんだ、君はここまで時間を潰してくれたんだから」
私は彼になんと返答すればよいか、すぐには思いつかなかった
彼はしばらく黙った後、事の経緯を話し始めた
「妻が亡くなる前、この辺りの、もっと栄えたところに、私と妻と娘とで、一緒に暮らしていたんだ」
この時の彼の表情は、当時を思い出しているかのように、幸せそうだった
「でもある日、妻とささいなことで意見が別れ、わしだけ元いた田舎町に戻り、妻と、当時5歳の娘は、東京に引っ越したんだが…」
そう言うと、彼の表情は、みるみる曇っていった
「娘が高校受験を控えている時期に、交通事故で妻が亡くなって…」
「そうだったんですね…」
「あれから、娘とは顔も合わせることができないでいる。なんせ、何年も会ってないんだから、わしは赤の他人だろう…」
彼はまた、悲しげな表情をした
娘には責任を感じてもいるのだろうか、問いたかったが、反応もできず、少し空気が悪くなったかな、と思うと気を利かせてくれたのか、彼から口を開いた
「でも最近な、この指輪をつけてると、亡き妻の、夢を見るんだよ」
「それだけ好きだったんですね…あなたの想いはお子さんにも奥さんにも届いてると思いますよ」
「そういってくれるとありがたいよ」
かなり重たい話だったが、彼は私に話してくれた。
それだけで、彼との距離が縮まった気がした。
その後、部分月食が始まり、夜遅くになるまで、私は彼と他愛のない小話をしながら、楽しんだ。
「ありがとう、君と話して、悩みもすっきりしたよ」
「いえいえ、こちらこそ楽しかったです」
何時間話しただろうか、今日は少し、寄り道しすぎたなぁと、反省もしつつ、帰宅した。
0049この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 01:38:31.21ID:BwH5Q/NC
ごめんちょっと今日の午後くらいにまた投稿することにする。俺改行くそ多いな…w
0050この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 02:05:26.71ID:JTjAgVMe
>>49
登場人物ひとりひとりに物語があってすごいな。どんどん続きが読み進めたくなる。午後にまた書き込んでくれるの楽しみしてるわ。
0051この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 10:47:02.08ID:tH9DKria
>>50
実は台詞とか表現とかはところどころ自分の気に入ったやつパクったりしてる。
初めて書くもんで、w
0053この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 13:42:36.54ID:JTjAgVMe
>>51
わかる。自分も記憶の中探りつつ頭フル回転で表現とか考えてるから絶対なんか無意識にパクっちゃったりしてると思うわwww
0054この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/08(日) 13:44:32.30ID:JTjAgVMe
>>52
載せてるんだけどいまいち反応が悪いんだよな。
まあまだ載せはじめて2日目なんだがwww
なんかいい方法ない?
0055この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/08(日) 13:44:32.47ID:JTjAgVMe
>>52
載せてるんだけどいまいち反応が悪いんだよな。
まあまだ載せはじめて2日目なんだがwww
なんかいい方法ない?
0056野獣先輩
垢版 |
2023/01/08(日) 17:10:40.37ID:JO+b0Qdn
イキスギィ!
0057野獣先輩
垢版 |
2023/01/08(日) 17:10:40.90ID:JO+b0Qdn
イキスギィ!
0058この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/08(日) 17:15:08.89ID:peEUmslr
その翌日
この日から、大会に参加する人は学校に来なくなり、残った人の授業は全て自習となった。
テニス部は次の日から、大会が始まるので、今日はこのクラスになってから、始めての長時間自習となった。
私はどちらかといえば自習が好きな方だったが、長時間座り続けていて、いつもより疲れた。
改めて勉強を教えてくれる教師の存在の大きさを知った。
自習が終わり、友達も皆、大会に出向いてるため、一人で階段を降り、廊下を歩いていると、心優が話しかけてきた
「ねぇ、明日って一年生は来れるの?」
「うん、試合には出れないけど、みんな先輩についてくよ」
「よかった」
「明日、頑張ってね」
私がそういうと、彼女は黙って頷いた。
明らかに緊張している様子が見てとれる
どうやら、彼女はその緊張を紛らわしに来たのだった
私が来ることなど、百も承知だし、興味もないだろう
試合前日は何時も通りに過ごして当日を迎えるものだが、彼女の所属するテニス部に関しては訳が違った。
一戦目から優勝候補と戦うことになるからだ。
いつもと同じ練習で、全力を出し尽くしたとしても、勝つ見込みは0に近い
それはこの前の練習試合を見ても明らかだった。
賭けに出なきゃいけない。
どんな手を使ってでも、一回戦だけは突破しないとお話にならない。
もし、県大会に行くことができなくても、勝つだけで価値のある、一生の思い出になる、そんな試合を控えていた。
監督もそれはわかっていたのだろう。
3年間の集大成
彼女達は、全力で作戦を練って、その通りに練習をした。
1、2年生は大会には出ないので、私はその日、軽いランニングをするだけで終わった。
ついに大会当日となった
外を見ると、雨が降っていて、部屋の中も、水族館のように、肌寒く、湿っていた
バスは遅れるだろう
そんなことはわかっていたが、今更、集合時間にたどり着くように、足掻こうにも足掻けない。
私は外に出て、近くのバス停へ向かった。
しとしとと、細い、糸のような雨が地面に突き刺さる
私の足音が、その糸にかき消されていく
今私は本当に歩いているのだろうか、そんな単純なことも見失ってしまいそうな、空間だった。
足取りは非常に重たかった
バス停に着くと、いつも以上の人溜まりが見えた
数分待つとすぐにバスが来て、
一番後ろの列に座った。
昨日の疲れが現れたのか、少し眠ってしまった。
目が覚めると、自分が眠っていたことに少し驚いて、料金表を確認した。
まだ終点に着いていなかった
予想通り、道路はいつもより混雑している
このバスの中で仕事に出向いてると思われる人は、心なしかイライラしているように見える
私も同じだ、でもイライラしていても仕方がない
隣の小さな子供がこんな退屈な場所でも、楽しんでいるのを見て、それを知らされた。
目的に縛られず、その場を楽しもうという姿勢が、子供の頃、私も、そしてここにいる大人達みな、あったのかもしれない
一体、どこで、忘れてしまったのだろうか…
しばらく考え込んでいると、バスは終点に到着した。
ここでも相変わらず雨は降り続けている。
0059この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 17:16:38.19ID:peEUmslr
私は会場に入った

学生達、一人一人の声が大合奏のように、共鳴し、一つの試合会場を作り上げていた

時計を見ると、どうやら試合開始から、小1時間が、既に過ぎているようだった。

集合場所に着くと、男子テニス部の監督である前田先生がいた

かなり遅刻したので、遂に怒鳴られるかと思いきや、遅れてくる生徒が他にもいたお陰で、

「前日に、交通情報とか、諸々確認しといてね」

の弱い一言で片付いた

1試合目は既に終わっているようで、我が校の男子テニス部は無事勝利したそうだ。

そんなことよりも、心優の試合が気になって仕方なかった

私は早歩きで、女子テニス部の集合場所の、近くまで行った

すると、遠くに、泣き顔で下を向いている心優が見えた

結果は、彼女を見れば、明らかだった。

私が話しかけようと近づくと、
誰か、わからなかったが、背の高い男の人が彼女を慰めているのが見えた。

恋人なのか?

そうではないように、私の目からは見えたが
私は、その場で彼女に話しかけることができなかった。

私だって、試合を見れなかったことくらい、謝れるんだ

でも…

この後の先輩達の試合も、
心の底から応援する気になんてなれなかった。

私の学校にしては珍しく、先輩達は、二試合目、負けてしまった

帰る準備をしていると、心優と目が合ってしまった

「…」

私の胸に空いた風穴に、冷たい風が吹いてきた。

地平線まで広がる野原の真ん中に一人、取り残されたような孤独感さえ感じた
0060この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 17:25:47.33ID:peEUmslr
以降、私は彼女と学校で話すことはなくなった
当たり前だ。部活も引退して、会う機会も少なくなったし、なんせ彼女は受験生なんだから…
そう思い込んで、彼女のことを忘れようとした
それから、三ヶ月ほどが経ち、夏の午後の蒸し暑い沈黙がのしかかる、八月のお盆のこと
すっかり、心優のことは忘れて、部活に熱中していた。先輩達の無念の敗北の、仇をとってやる
そんな動機だった
そこには無意識のうちに、彼女への意識もあったのかもしれない
今日は部活がなかったので、私は友達を何人か誘い、近所にある屋外のテニスコートで練習をした
アブラゼミが暑さを煽るように鳴いている
そんな中、友達とテニスの軟球を打ち合っていた
テニスは中学の頃からしていたが、未だに飽きない。私は時間を忘れて、夢中になっていた
段々と、辺りは暗くなり、飛んでくる球も、見えづらくなって来たので、その日は解散することにした。
夕陽もとっくに沈み、たちまち暗い夜が重い幕のように落ちてきた。
死人のように、冷たくて、静かな夜だ。
ふと私は足を止めた。近くの風鈴が、折々思い出したかのようにかすかに鳴っていた
前に、部分月食を一緒に見た、中年の男性の家の縁側に彼ともう一人、見覚えのある女性がそこに彼と恋人のように仲良く並んで座っていた。あの人…誰だっけ?
なぜか、私はどうしてもそれを思い出したくなって、覗き見をした。
ーー
「心優には…申し訳ないことをしたなぁ…」
「そんなに、泣かないでもいいじゃないですか…それに、謝りたいのは私の方よ」
「…君がそう言っても…もう届かないんだ」
「…でも…あの子…とってもいい子でしょ?」
「…うん」
「ここ数ヶ月でちゃんと好きな人もできたみたいで」
「恋人かぁ…もう、そんなに大きくなったのか…」
「えぇ…でも今はその二人の間に距離があるみたい」
「…ありがとう」

「え?」
「ずっと見ててくれてるんだね…もうすぐわしもそっちに行くから」
「そんなこと…言わないでくださいよ…」
「…」
「ねぇ」
「ん?」
「私のこと、どれくらい好き?」

「…今夜の月の光り方…あの感じ」

「うふふ……なんだか、頼りなさそうじゃない?」
「…自分も思ってたんだ」
「それに、少し欠けちゃってるし…」
「ご名答」

「うふふ……私達がこうなるのも…神様はぜーんぶ…お見通しみたいね」
ーー
私は見覚えのある女の人を見ていたが、結局思い出せなかった
その日は諦めて、帰ることにした
それにしても…誰かに似ているような…?
そんなことを考えていると、家の近くの道を心優が歩いていた
「あ、心優」
「あ、尚樹君!久しぶり〜」
0061この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 17:27:32.29ID:peEUmslr
読み返してて、〜た。ってめっちゃ使ってたり、違和感すごいな
訂正する良い機会になった
改めてありがと
0062この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 17:34:42.87ID:peEUmslr
「久しぶりだね、どうしたの?こんな時間に」

「ちょっと考え事してて歩いてたの、尚樹君は?」

「この辺でテニスしてて、今帰ってたとこなんだ」

「そうなんだ、最近殺人事件、ここらへんで夜に起きたよね」

「そうなの?俺ニュースとか全然見ないんだよね」

「うん、なんか長身で、黒いパーカー着てる人」

「怖いな〜、そんなに分かってて、まだ見つかってないの?」

「うん、尚樹君殺されないでよね」

「あはは、大丈夫だよ、きっと犯人は今頃遠くに…」

「犯人は現場に戻るって言うじゃん」

「怖いこと言わないでよ」

「うふふ、あ、ねぇ来週の文化祭、一緒に回ろうよ!」

「いいね、三年生も準備とかするの?」

「うん、私、午前中は模擬店で店番するの」

「じゃあ、俺も午後空けとくよ」

「集合場所〜…」

「昼は混んでそうだから、14時くらいに、屋上がいい」

「いいね、じゃあ楽しみにしとくね!」

「うん」

彼女は、結局あの大会のことについてひとつも話さなかった

そんな自分も、言い出すことができなかった

「あ、私、こっちの道だから、バイバイしちゃうね」

「うん、バイバイ」

「またあした!」

彼女は、顔の下で、小さく両手を振った

私は、来週の文化祭に胸を躍らせながら、家に帰った
0063この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 17:45:28.22ID:BwH5Q/NC
今日は文化祭
夏休みももう時期終わりになる
休み期間の課題の進捗は絶望的だったが、そんなことも忘れるくらい、今日が楽しみだった
教室に入ると、クラスの皆が
つなぎをお洒落に着こなしていた。
午前中は、心優の予定に合わせて、店番をしていた
私のクラスはお化け屋敷をすることになっていた
準備をしていた時から、クオリティにはそこそこプライドがあったのだが、思ったよりも人は来なかった。
暇になってしまい、二年生が出しているお化け屋敷を見ると、そこには長蛇の行列ができていた
そんなに怖いのか
私は心優となら、ここに行こうと決めた
昼になって、予想通り、玄関や、教室は昼食を取る人で混雑していた。
私も昼食をとって、14時前に屋上に向かった
屋上に来たことがなかったので、入学式振りに、とても新鮮な気分になった
屋上には、ベンチが一基あって
七本の向日葵が咲いていた
屋上から、景色を眺めていると、心優が来た
「尚樹君〜」
「心優、ちょっと遅かったね」
「ごめん、もう三年生なのに、どこから行くのかわかんなかったの」
「そっか、確かに、北階段からしか行けないからね〜」
「じゃあ、どこ行く?」
「お化け屋敷行こうよ、二年生の、面白そうだったよ」
「いいね、じゃあ行こっか」
心優と階段を下りて、二年の教室へ向かった
辿り着くと、午前中に見たように、また行列ができていた
「なんかさ、お化け屋敷っていっつも混むよね」
「みんな好きなんじゃない?心優は行ったことあるの?」
「うん、だけどこんなに混むの初めてよ、なんか午前中も人いたよね」
「そうそう、俺も見た。すごかったよね」
「そんなに怖いのかな?」
「う〜ん、わかんない」
「怖かったら、尚樹君にくっつくからね」
「うそ、でも俺もちょっと怖いかな〜」
そんなことを話していると
いよいよ私達に順番が回ってきた
受付の説明を軽く受けて、小さな懐中電灯をひとつ渡された
カップルと間違われたのか、
入る直前に
「お幸せに〜」
と小声で言われた
入ると、真っ暗で何も見えなかった。
「ねぇ尚樹君、この懐中電灯、ちっちゃくない?」
「うん…」
「きゃ!」
と心優が叫ぶと、私に抱きついた
私は、あまりにもクオリティが高いお化け屋敷に驚嘆していたので、それどころではなかった
「尚樹君〜これやばい」
「まって、後ろの人誰?」
「え?…やだ見たくない、尚樹君走ってよ〜」
「危ないから、走れないって、わ!」
「なに!」
何者かに足を掴まれて、心優もくっついているので身動きがとれなくなった
なんとか振り解いて、お化け屋敷を出た
「怖かった〜」
「うん…俺の出してるお化け屋敷と、比べものになんないや…なんか、ごめんね」
「でも、楽しかったからいいよ、次怖くないの行きたい」
「そうしよっか」
0064この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 17:54:03.27ID:BwH5Q/NC
その後、私たちは
ビンゴ、カジノ、射的等を楽しんだ
外を見ると、すっかり暗くなっていた
「ねぇ、ちょっとだけ屋上に行こうよ」

「なんで?」

「内緒!」

言われるがままに、屋上に向かった
重たい鉄の扉を二人で開けて、二人きりで屋上を歩いた
そして、向日葵が咲いている場所を前に、空を見上げた
雲一つない、美しい空で、星が
一つ一つ、丁寧に光っている
「うふふ…綺麗でしょ?」
「綺麗だね、あ、あれって姫星かな?」
「ほんとだ、彦星もいる!」
「七夕の時に、出会うんだっけ、すごいロマンチックだなぁ」
「姫星は、いろんな星達に囲まれて、楽しそうね」
「でも、彦星は、ひとりぼっちで寂しそうだよ」
「うふふ、ほんとだぁ〜…ねぇ尚樹君」
「ん?」
「私さ、来年から大学行くんだけど…」
それから、彼女は黙ったかと思うと、私の目を見てきた
私も見つめ返した
彼女の瞳は湖のように澄んでいて、美しかった
胸の鼓動が、いつも以上に激しく体中に響く
私はまるで、キスでも始まるかのような、そんな甘い空間に、呑まれていた
少し気まずくなってしまったので、私から口を開いた
「少し、寂しくなるね」
そう私が言った瞬間
その空間を置き去りにするかのように、チャイムが鳴った
彼女は、思い出したかのように言い出した
「…あ、私もう帰らないと」
気づかないうちに、彼女の顔は、少し赤くなっていた
「じゃあ、バイバイ」
「うん…また今度!」
彼女がそういうと、階段まで走って下りていった
私は、何が言いたかったんだろうと、景色を眺めながら考えていた
綺麗な街並みだ
遠くを見ると、心優のアパートが見える
その時私は、アパートの一階の、ちょうど心優の部屋の前に、不自然な人影が彷徨いているのを見かけた
身長が高く、黒いパーカーを着ていた
まさか、と思ったが、次の瞬間、そんな私の疑いが確信に変わる
その男の手から、ギラリと、鋭いナイフのようなものが、光を反射したのだ
…大変だ!
ぱっと見誰を狙ってそこに彷徨いているのかわからなかった
でも、なぜこんなアパートを狙うんだ
どうせならもっとお金のありそうな、豪邸を狙うべきではないのか?
そんなことを考える頭よりも先に身体が動いていた

心優が…殺される…
0065この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 17:57:46.81ID:BwH5Q/NC
階段を猛スピードで降りながら
周りに心優がいないか確認していた
しかしどこにも彼女はいない
帰られることが一番まずい
そう思った私は、一直線に心優のアパートまで向かうことにした
はっきり言って、無謀だ
でも自分のことを考える余裕なんてなかった
学校から出ると、いつもの帰り道が、少し焦りを感じているように見えた
息をきらしながら、やっとのことで、アパートについた
その時、長身の、黒いパーカーの男と、目があってしまった
ここで初めて、自分のした愚かさに気づいたが、顔をよく見ると
「悠太…?」

その黒いパーカーを着た長身の、ナイフを持った男は
悠太だった
彼は私の顔を見ると、すぐ逃げ出した
あの時、私がすぐに警察を呼ばなかったのは、偶然なのか
それとも…
私は迷わず彼を追いかけた

彼は、どこかの知らない、世間を脅かす殺人犯なんかじゃない

社会から取り除かれるべき危険因子なんかじゃない

彼は、私の、一人の大切な友人なのだ

もう少しで追いつく…!

その時、彼は車が通ってることなんて、考えもせず道路に飛び出した

彼の真横から、猛スピードで、トラックが近づいている

「…悠太!危ない」

私は彼を庇った

悠太はトラックが突っ込む方向から大きく逸れて、歩道に倒れた

しかし、私は、トラックの真ん前に立ち尽くした

その時、心優のような、女の人の声が聞こえた気がした

「まだここに来ちゃ…だめ」

私は、自分の身体の意思と関係なく、トラックの正面から、少し遠ざかっていった

もし、この不思議な現象がなければ、私はもう、この世にいなかったろう

それでも、完全にトラックから身を守ることはできなかった

その瞬間、頭に強い衝撃が走った

頭蓋骨が粉々になるような、とてつもない痛みが私を襲う

私はその場で、倒れてしまった

「尚樹…!」

悠太の声が聞こえたかと思うと
私は、そのまま意識を失った
0066この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 17:59:38.61ID:BwH5Q/NC
ここまでだな
違和感あるとこ書き直して、続きも仕上がったらどっかにだそうかな
0067この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 18:47:38.26ID:0FhBtFoX
以下好きなラーメンスレ
0068この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 19:37:41.50ID:JTjAgVMe
>>65
悠太、いったいなにをしていたんだ…
おもしろいな、続きが気になる
ふたりぽっちの方も続きできたらまたスレ立てるからよかったらまたそこにも続きのっけてくれよ
0069この名無しがすごい!
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2023/01/08(日) 19:40:08.41ID:JTjAgVMe
>>67
ラーメンなら町田商店濃いめかな。あの体に悪影響を及ぼしそうな塩分がたまらん。
0070この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/08(日) 20:24:59.62ID:BwH5Q/NC
>>68
おん
ありがとないろいろと()
0071この名無しがすごい!
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2023/01/09(月) 21:32:24.85ID:mhR2FuSi
失礼します。ドライブ映像、小説付きです。こんな読書はいかがでしょう。 下の「或る日、バイクに乗る、」は、もうダメだと思った時、神様はきっと助けてくれるという物語です。   拡散希望
https://youtube.com/playlist?list=PL-KpIeuAOre-P5jurQLGGYRWYuRQkuH87
0072この名無しがすごい!
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2023/01/10(火) 12:46:33.71ID:/5g1IZ56
なろうやカクヨムで載せてTwitterで宣伝するって方法あるよ
結構伸びるそうだ
0073この名無しがすごい!
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2023/01/11(水) 20:06:12.64ID:5/bRhK1Q
>>72
やっぱそれが一番だよな、Twitterアカウント持ってなくて一から始めても伸びるのかな
0074この名無しがすごい!
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2023/01/15(日) 11:11:04.65ID:PzFEym4u
Twitter垢作らないの?
0075この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 12:57:27.30ID:cRElWQai
俺も書いたから呼んでくれ

ーーーーーー


「キャーやめて!」
バシャバシャ。私に冷たい水が振りかかる。
ここはトイレ。私はいじめを受けている。
「お前うざいんだよ」「きも」「学校来なくていいよ」
リサ・ユイ・マイカのいじわる3人組が私に罵声を浴びせる。
「うっ・・・そんなこといわなくても・・・」
私が悔しくてシクシク泣いていると・・・
「ちょっと、何してるの?」
「え?誰?」
突然トイレの外から声がした。
「アンタたち、いじめているんでしょ。最低だね」
「は?お前誰だよ」「そうだよ」
「うるさいよ!!!!」ばん!!!
「!!!」
「に、逃げるよ!!」
「あ、ありがとう・・・
 あの、あなた、名前は・・・?」
「私は斎藤和子。斎藤和子でいいよ」
「フルネームじゃん!!」
なんだか・・・面白そうな人!
0076この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 12:57:48.18ID:cRElWQai
「あっそうだ!
 どうして私を助けてくれたの?」
「そんなの友達だからに決まってるでしょ☆!!」
「友達!?私たち友達!?」
「うん!!」
こうして私たちは友達になった。
校舎をウロウロしていると・・・
「あっ!あそこにいるの、伊藤由美ちゃんじゃん!
 あの子、AKB47に入ってるんだよね~☆羨ましい!」
AKB47というのは、今人気のアイドルグループだ。
「私も入りたいな」
「入ればいいじゃん」
「そうかな?」
私はAKB47に入った。
0077この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 12:58:39.56ID:cRElWQai
「ハッハッ!」
バタン!
「きゃあ!!」
「ちょっと~新入り~~~
 こんな簡単なダンスで転んでんじゃないわよ!!」
「すいません!!」
いま、AKB47のレッスンダンスが行われている。
思ったより厳しく、私はあまり着いていけない。
「和子ちゃん・・・
 AKB47のオーディション落ちちゃったんだよね・・・」
和子はオーディションで落ち、私は受かってしまったので
いまとても気まずく、私には友達がいない。
「うう・・・・どうすればいいの・・・」
私は地獄のどん底で悩んでいた。

そんなとき、死んだはずの母親から電話がかかってきたのだ。
「京香・・・頑張るんだよ・・・」
「お母さん・・・」
私は嬉しさで涙した。
「よし、がんばろう!!!」
心機一転頑張ることにした。
0078この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 12:59:01.08ID:cRElWQai
「緊張するなあ~」
今日はAKB47の総選挙の日だ。
1位になると、センターになって踊る権利が生まれる。
「堂々の1位は・・・・・・・・・・・・
 三山京香!!!!!!!!!!!!!!!!」
ワーーーーーーーー。歓声が上がった。
「私!!!!!!!??嬉しいわ!!!!!!!!!!」
私はその場でコサックダンスをした。
0079この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 12:59:22.46ID:cRElWQai
「あの・・・京香さま・・・
 さすがにそろそろ新曲のダンスの練習をした方がいいんじゃ・・・」
「いいんだよアタシは!!!!!!!
 へったくそなダンスでも、アタシが踊ってるってだけで
 馬鹿みたいに金をつぎこむファンがいるからねぇ!!!!!!!」
私はコーヒーをマネージャーにかけた。
「熱いです」
「うるさいよ!!!!!」
私はコーヒーをマネージャーにかけた。
そのとき、1本の電話がかかってきた。
「はい、AKB47事務所ですが・・・・えっ!!なんですって!!
 はい、はい!!わかりました!!」
「京香さん!!!!!!!!!
 新曲の発売日、あの大人気ライバルグループ『モーニング娘、』
 とかぶってるそうです!!」
「えっ!!!!!!!!なんですって!!!!!!!!!」
どうしよう・・・
オリコンで1位がとれなくなってしまう・・・。
0080この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/20(金) 13:00:21.25ID:cRElWQai
モーニング娘、は斎藤和子がトップをつとめる
ライバルグループだ。
正直、AKB47より人気がある。
「うう・・・・・・・どうすれば・・・・
 握手会じゃなくて写メ会とかにすれば・・・」
「それはもうモー娘、がやってます!」
「えっ!!!!!!あくどい!!!!!モー娘あくどい!!!!!!」
私はじだんだした。すると地割れが起きた。
そしてモー娘の事務所が壊れた。
「やったあ!!!!!!!!!!!」
私はコサックダンスをしながらペペロンチーノを食べた。


「ちょっと、どういうことよ!!!」バン!!!!!!!!!
扉が勢いよく開き、そこには斎藤和子がいた。
「アンタが三山京香ね?」
「そうだけど・・・」
「アンタ、昔はいじめられっ子だったじゃない」
「昔のことでしょ」
「ほんの1カ月前のことよ」
「私は生まれ変わったのよ」
「何調子づいてんだよ。センターとかきもいんだよ」
「ハ?お前のがきもいし^^」
「私のが絶対かわいいから」
「ハ?モー娘とか入ってる時点で負け組だよね。今時代AKBだから」
「いやいや(笑)モー娘のがルックス上だし。売上も」
「いやいやいや、もうモー娘落ち目じゃん。AKBはこれからだけど」
「キモ(笑)しょせんオタ専だろ。モー娘は世間にも認められてるんだよ」
「ハァ?お前のがキモオタ寄ってくるグループじゃん。何が写メ会だよ」
「ハグ会やってるアンタには言われたくない」
「おやめなさい!!!!!!」
「お母さん・・・」
死んだはずのお母さんの声が聞こえた。私は涙した。
「和子さん、タッグ組もうよ☆!!!!!!」
「うん!!!!」
AKB娘、の誕生だった。
0081この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/20(金) 13:00:42.66ID:cRElWQai
AKB娘、デビューシングルは100万枚売れ、
一躍世界トップのグループになった。
しかし、そんな私たちの活躍をよく思わない人々もいたのだ・・・。
黒ずくめの怪しいヒト3人が、私と和子の目の前に立ちはだかった!
「おい、アイツを殺れ」
「イエッサー」
ドカッバカッゴン!和子が死んだ。
「和子おおおおおおおおおおおおおおお!!!」
私は絶叫した。しかし、和子は返事することはなかった・・・。
「和子のためにも、私が頑張らなきゃ・・・」
こうして、私の胸にまた1つ大きな炎が燃え上がった。
0082この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 13:01:04.32ID:cRElWQai
「今日もいい天気だなぁ~」
私がプールでダイエットをしたあと、公園でブラブラしていると、
突然黒ずくめの怪しいヒト3人が私の前に立ちはだかった。
「?あなたたち、誰?」
「和子を殺した奴だよ」
「!!!!!!!!!!」
和子が誰かは思い出せなかったが、私はアイドルとして驚く演技をした。
「あのときはよくも和子を!!!!!ハッハッ!!!!」
私は波導弾をうった。
「フン。バリアー」
「!!なんですって!」
「お前にも死んでもらう。来い」
「いやっ!!やめて!!私は今からプールにダイエットに行くんだ!!」
必死の抵抗も空しく、
私は黒ずくめのヤツの車に乗せられたのであった・・・。
0083この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 13:01:33.16ID:cRElWQai
目を覚ますと、そこは車の中だった。
よく見ると、運転をしているヤツは
黒いコートの下に、私が通っている学校のセーラー服を着ていた。
「!!!!アンタまさか!!!」
「そうさ・・・私はリサだよ!!!」
「!!!!!!」
リサ・・・私をいじめていた3人組の1人だ。
ということは・・・
「他の2人もまさか!!」
「そうさ・・・ユイ・マイカだよ!!!」
「!!!!!!」
私は許せなかった。
和美?和江?だったか忘れたが、私の同級生を殺したヤツが
今自分の目の前でのうのうと生きているのだ。
「許せぬ!!!!!!!!」ドカッ!!!!!
「何するんだ!!やめろ!!」
リサは死んだ。車が止まった。私は降りた。そこは海だった。

ザーザー。海が波打っている。
「いい気持ち・・・」私は穏やかだった。
「よし、この海を渡ってアメリカに行こう!
 そして、世界のアイドルになってやる!」
私はバタフライをして、38秒でアメリカに着いた。
「ニューーーーーーヨーーークに
 きたぞーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
私はとりあえず叫んでおいた。
0084この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 13:01:52.98ID:cRElWQai
「よし、まずは契約ね!」
私はアメリカの芸能事務所をいくつか訪ねた。
しかし・・・
「ハーハー!・・・ハッ!
 どうですか!?」
「No.」みんなこう言うのであった。
「どうしてかな・・・」私は公園のベンチで悩んでいた。
アメリカはもっと優しい国だと思っていたのに・・・
私はアメリカの心の狭さに憎みを感じ始めた。
「ハァ・・・」
「ちょっと、あんた!三山京香ね?
 アタシはアリス!よろしく!」
「よろしく!」
「アタシ、アンタの才能ベリーグッドと思って、スカウトしたいの!
 いいわよね?」
「いいよ?」
「じゃあアリス事務所に来て!」
私はアリス事務所に行った。
0085この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 13:02:18.96ID:cRElWQai
「ここが事務所?」
正直、事務所とは思えないほど小汚くて小さい部屋だった。
すると、アリスが突然顔をはがした。
ベリッ!!
「!!!!!アンタは!!!」
「そうさ・・・ユイだよ!!!」撲殺した。
「よーし、今日からここは私の事務所♪頑張るぞ~!!」
私は心機一転アメリカで頑張ることにした。
AKB47inAmericaというグループとして!
0086この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 13:02:54.68ID:cRElWQai
そして、今日は総選挙の日だ。
今年は誰が1位になるのだろう。
といっても、どうせ私が1位ということはわかっているけれど・・・。
「そしてお次は!!なんとなんと!・・・・・・・・・
 第2位!!!!!!!!チームA、三山京香!!!!!!!!!!!」
「えっ・・・」
「堂々の第1位は、斎藤和子だああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!」
斎藤和子は生きていたのだ。
「許せない!!!!!!フンガッ!!!!」
「効かないね」
「!!!!どうして!!!!」
「アタシは自分の人気のためにタッグを組んだだけ・・・。
 利用してたんだよ!!」
「そんな!!」
「いじわる3人組にもアタシがアンタを襲うように仕掛けただけ!!
 アイツらはアタシの手下だからね!!」
「ひどいわ!!」
「マイカ!!おいで!!」
「はい」
マイカが出てきた。マイカはデブだった。
「マイカさん!!プールダイエットしようよ!!」
「うん!!」私たちは日本に帰ってプールダイエットの仲になった。
0087この名無しがすごい!
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2023/01/20(金) 13:03:11.29ID:cRElWQai
「えいさ、えいさ」
「・・・・」
マイカはプールダイエットをしても、まったく痩せない。
私は32キロになったのに・・・。
「マイカ、泣かないで」
「ぶふぅ・・・ぶうぅ・・・だって・・・ぶふっ・・・うう・・・・」
あまりにもマリカがデブで、醜すぎるので
AKB47のマネージャーに事情を説明した。
「ということなんですけど・・・なんとか痩せる方法はありませんか?」
「ないよ」
「!!!!!!!!」
私はマイカのことは放っておくことにした。
メアドも電話番号も住所もすべて変えた。突き放すことも優しさだと知った。
0088この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/20(金) 13:03:36.75ID:cRElWQai
最近のAKB47は、ドラマの仕事が入ってくる。
しかしそれは気軽に使える下位メンバーであって私のような上位メンバーが主演をつとめたのに視聴率が悪かったりしたらAKBのイメージがガタ落ちなので上位メンバーにドラマの仕事は来ないのであった。
しかしー
プルプルルルルル!!プルプルプル!!!
「はい、AKB47事務所ですが・・・
 ・・・えっ!三山にドラマ主演をお願いしたい!?
 はい、はい!嬉しいです!おねがいします!」
「京香ちゃん、君ドラマに出れることになったよ!主役で!!」
「えっ!!本当に!嬉しいわ!」
私は嬉しさのあまりコサックダンスをしながら
ペペロンチーノを食べ半身浴をした
0089この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/20(金) 13:03:57.17ID:cRElWQai
「三山ちゃん、君が出るドラマは恋愛モノなんだけど・・・
 彼が君の恋人役だよ」
「あっ、ドモッス」
出てきた男はリュックサックを背負っていて、
シャツインをしていて、マイカ並のデブだった。
「汚いんだよ!!!」
私は正直者なのできちんと注意してあげた。すると・・・
「ひどいよ!!僕泣いちゃうぞ!!!!」
号泣し始めた。
あまりの汚らわしさに戸惑っているとマネージャーが出てきた。
「キミ、もういいから。クビね」
「えっ」
「もう代役用意するから帰りなさい」
「待て待てぃ!!!!!!!!!!!」ドシン!!男が地団駄をした。
「キャー地震よ!!!」ドシャーガラガラ。ドラマは中止になった。
0090この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/20(金) 13:04:13.42ID:cRElWQai
当然、このことはマスコミに大注目された。
「どうしてAKBのドラマ中止になったんですか!?」
「三山さんが監督を怒らせたって聞いてますけど!?」
「真相はどうなのよ!!」
「うるさいよ!!!!!!!!!」私は一喝した。
「アタシじゃなくてデブの男がやったんだよ!!!
 デブの男がワーワーやってドシンドシンしてガシャーガラガラだよ!!
 わかったかい!?」
「うん・・・うん・・・」マスコミはデブの男がワーワーやってドシンドシンしてガシャーガラガラしたとメモした。
ニュースとして報道され、AKBドラマが中止になるという大失態は世間に広く知られていった・・・。
0091この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/20(金) 13:04:31.96ID:cRElWQai
すると、妹から電話がかかってきた。
「あー、もしー?」
「もう、もしー?じゃないでしょ。もしもしでしょ」
「あのさーウチさー今チョー金ないんだけどぉー」
「もう、チョーじゃないでしょ。すごくでしょ」
「金貸してくれなーい?今月マジやばくてさー」
「マジじゃないでしょ。とてもでしょ。いいわよ貸してあげる」
私は一千万貸した。
「ありーじゃあねー」プープープー
私は妹が自分を頼ってくれているのがとても嬉しかった。
しかし私は気付いた。
「ハッ・・・・最近AKBは人気がないのに、
 お金なんて貸せる場合じゃない・・・・・
 ガッデム!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドシン!!!地震が起きた。
「キャー地震よ!!」妹が死に、一千万を返していただいた。
「妹よ・・・」私は死んだ妹のためにも頑張る事にした。
誇り高きAKB47として!

~完~
0092この名無しがすごい!
垢版 |
2023/01/20(金) 13:09:27.96ID:cRElWQai
【あとがき】
どうですかね? アイドルとバトルをテーマに書いてみたんですけど。
でも、このくらいなら普通に>>1さんなら書けそうな気がしますね(笑)
まぁ、その辺は色々と書きながら調整していけばいいかなと思います! とりあえずは完結を目指して頑張りますよー!! それでは~!ノシ
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