★こうなったら読書マラソンしません? ★第九戦目
【 公式レース規則 】
書き込みは名前の欄にハンドルと総読破ページ数を記入して下さい。
例) 名前:マラソン次朗(5963)[sage] 投稿日:92/13/32 24:28
本文に読んだ本と読んだページ総数を書きましょう。
★漫画はカウントしないでください。
★一冊読み終えた後の書き込みが基本ですが、
読破に時間がかかる本であれば、途中で書き込んで構いません。
★読んだページ数は、大体で構いません。
とりあえずゴールは10000nということでスタート。
10000nのゴールテープを切ったら、総読破ページ数欄に☆を一つ加えて、
ぜひ、もう一度、1nからゴールの10000nをめざして参加して下さい。
☆の使用例) 名前:パンダパン(☆864)[sage] 投稿日:02/10/20 00:27
<推奨>
200前後に下がったら、レース参戦を歓迎する意味を込めて、
マラソンの書き込み時に(『空あげ』はしないで)アゲ書き込みでお願いします。
>>2 読んだ本の『寸評用・評価基準 ABCDEF 』の例。
>>3 過去スレなど。
前スレ
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/books/1292756977/l50 『高校数学でわかるボルツマンの原理』竹内淳 講談社ブルーバックス 222p
【C】 「鏡花全集 巻十三」泉鏡花 岩波書店 698p
【C】
スケッチ風の「露肆」、古典的な怪談「吉原新夜」、奇妙な味の小説といえる「酸漿」が私のお気に入り。 「漱石新聞小説復刻全集 4 それから」夏目金之助 ゆまに書房 227p
【C】
この作品を読むのはおそらく五回目か六回目である。
クライマックスは十四章の終わりで代助が三千代に告白するシーンではなく、その直前の代助と嫂の会話であろう。『カラマーゾフの兄弟』でアリューシャがイワンに「兄さんは犯人じゃない」を7回言う場面を思わせる。
何回読んでもハラハラする。語られることのないもう一つの物語が見え隠れするのだ。 『「道徳教育と社会」ノート』山内乾史 学文社 164p
【D】 アンドレーエフ 七死刑囚物語 河出書房新社 221p
【D】
七人の死刑囚が登場する。テロリストが五人と強盗殺人と主人殺しである。この中で最も筆を割いているのは主人殺しのヤンソン。
これは『それから』で代助が読んでいた小説である。代助が(そして漱石が)読んだのは独訳らしい。私は和訳で読む。『それから』との関連は色々と論じられている。 「漱石研究 No.10 特集『それから』」 小森陽一・石原千秋編 翰林書房 217p
【C】
代助は女性に人気があること。三千代は死のイメージであること。森田芳光監督の『それから』のシナリオを描いた筒井ともみ氏は、書生門野にビートたけしを考えていたことなど。 「森鴎外現代小品集」 森鴎外 晃洋書房 273p
【C】
森鴎外の小説らしからぬ小説を集めた短編集。おそらく一番有名なのは「西洋人は鼻をほじくるか」について考察した「大発見」であろう。私は「里芋の芽と不動の目」と「鼠坂」が好きだ。 『世界カフェ紀行』中央公論新社編 中公文庫 233p
ドゥマゴパリ。【C】 「青年」 森鴎外 岩波文庫 220p
【D】
夏目漱石の『三四郎』に触発されて書かれた小説。
『三四郎』とくらべて総じて暗い。愛嬌のある登場人物もいない。
これが鴎外と漱石の違いなのか。 『フーコー入門』中山元 ちくま新書 238p
【C】 『フーコー入門』中山元 ちくま新書 238p
【C】 「明治文学全集 84 明治社会主義文学集(二)」小田切進編 筑摩書房 464p
【D】
松原岩五郎の「最暗黒の東京」や、横山源之助の「日本の下層社会」を思わせる、幸徳秋水の「東京の木賃宿」が面白い。十首の短歌からなる「平民短歌」もいい。
ちなみに私がこの本を読んでいるのを知ったとある美女が「〇〇さんは社会主義なんですか?」と心配そうに質問してきた。 「大逆事件 幸徳秋水と明治天皇 1 黒い謀略の渦」 神崎清 あゆみ出版 264p
【D】
これは青春の書である。天皇暗殺という夢に取憑かれた若者が夢破れて死刑執行という壮絶な最期を遂げる、その記録である。
驚くのは著者自身がその夢の中にいることである。
それにしても左翼はなぜ下半身が緩いのだろうか? 「大逆事件 幸徳秋水と明治天皇 2 密造された爆裂弾」 神崎清 あゆみ出版 266p
【D】
大逆事件の関係者で最も興味深いのは女性死刑囚・管野スガである。
>>247で書いたように下半身が緩く、6歳年下の夫・荒畑寒村が監獄に入っている隙に男から男へと渡り歩き、妻を持つ幸徳秋水の恋人になる。(幸徳秋水夫妻は離婚)鼻が低いと言われ巡査にからかわれて隆鼻術を受け、失敗。後遺症に悩まされる。
おそらくは瀬戸内晴美あたりが彼女の生涯を小説にしているであろう。
さて、大逆事件の方は、この巻で爆弾が完成する。 「大逆事件 幸徳秋水と明治天皇 2 密造された爆裂弾」 神崎清 あゆみ出版 266p
【D】
大逆事件の関係者で最も興味深いのは女性死刑囚・管野スガである。
>>247で書いたように下半身が緩く、6歳年下の夫・荒畑寒村が監獄に入っている隙に男から男へと渡り歩き、妻を持つ幸徳秋水の恋人になる。(幸徳秋水夫妻は離婚)鼻が低いと言われ巡査にからかわれて隆鼻術を受け、失敗。後遺症に悩まされる。
おそらくは瀬戸内晴美あたりが彼女の生涯を小説にしているであろう。
さて、大逆事件の方は、この巻で爆弾が完成する。 「大逆事件 幸徳秋水と明治天皇 3 この暗黒裁判」 神崎清 あゆみ出版 313p
【D】
大逆事件の主犯である宮下太吉も下半身は緩く、娼妓上がりの9歳年上のカミさんに逃げられた後、同士の奥さんと関係を持つ。
宮下太吉が、もしもカミさんと復縁出来たら運動を止めてもいい、と漏らすところは興味深い。
つまり、このカミさんが復縁を了承していたら大逆事件は起らなかったのかもしれないのだ。 『なぜ豊岡は世界に注目されるのか』中貝宗治 集英社新書 270p
豊岡前市長。【C】 『なぜ豊岡は世界に注目されるのか』中貝宗治 集英社新書 270p
豊岡前市長。【C】 「大逆事件 幸徳秋水と明治天皇 4 十二箇の棺桶」 神崎清 あゆみ出版 408p
【D】
結局十二人が死刑にされる。戦後になりこの事件は冤罪でありでっち上げとなった。
この本によると、文学者でもある弁護人の平出修は「自分が裁判官なら宮下太吉、管野スガ、新村忠雄、古河力作の四人は死刑、幸徳秋水と大石誠之助は無期懲役にする」と言っている。これは百年後の私の感覚とだいたい一致している。
処刑された一人(森近運平)の発言はあまりにも空しい。
「みな殺されるのだ。そして、それでつよくなってやるのだ。これでなくっちゃ、ほんとうの革命はこない」 「早稲田文学 明治四十三年六月之巻」 早稲田文学社 170p
【D】
二葉亭四迷が死んだ直後のようで、坪内逍遥や内田魯庵が追悼文を寄せている。
ハウプトマンの「寂しき人々」がいい。 「石川啄木と幸徳秋水事件」 岩城之徳 吉川弘文館 281p
【D】
啄木といえば金田一京助だが、この金田一京助は啄木研究者にとってあるときは味方になり、あるときは敵になり、いずれにしても啄木研究において最大のキーパーソンである。
この本は啄木研究者である岩城之徳が金田一京助といかに戦ったかの記録である。 「逆徒「大逆事件」の文学」 池田浩士編 インパクト出版会 299p
【D】
大逆事件の死刑判決から執行まで約六日間。その間に獄中で書かれた三人(内山愚童、幸徳秋水、菅野須賀子)の文章が納められているのだが、菅野須賀子の「死出の道艸」が最も詩情にとみ魅力がある。
永井荷風や森鴎外の作品は、どこか他人事である。 「蘇らぬ朝「大逆事件」以後の文学」 池田浩士編 インパクト出版会 323p
【D】
舞台をロシアに移して大逆事件を描いた沖野岩三郎の「いたづら書」が圧倒的に面白い。 「荒野」 武者小路実篤 警醒社 257p
【D】
武者小路実篤の処女出版らしい。五つの小説と七つの論文といくつかの新体詩から成っている。
最も出来がいいのが学生を主人公にした小説である。 『ヒトはどこからきたのか』伊谷原一 三砂ちづる 亜紀書房 261p
対談。日本のサル学の第3世代以降が語られる。【B】 『ヒトはどこからきたのか』伊谷原一 三砂ちづる 亜紀書房 261p
対談。日本のサル学の第3世代以降が語られる。【B】 「谷崎潤一郎 第1巻」谷崎潤一郎 中央公論社 p.609
【C】
全集の第一巻なので初期作品が納められている。有名な「刺青」や「少年」より、白樺派風の「彷徨」やファースといっていい「The Affair of Two Watches」が面白い。また古典に材を取った「麒麟」や「信西」は芥川龍之介風で、谷崎が様々なタイプの作品に手を染めていたことがわかる。 「明治事物起原 4」石井研堂 ちくま学芸文庫 600p
【D】
第四巻になるといささか退屈してくる。目ぼしいものを挙げてみる。
・Chemistry(化学)の訳語として当初「舎密学」が当てられていた。
阪大の理学部の前身は大阪舎密局であったこと
・「ペンネームに雅号をつかわないぞ」と最初に宣言したのは堺枯川で、後に堺利彦になること
・明治二十五年当時の東京四大新聞とは報知・日々・時事・朝野、明治四十三年当時の五大新聞とは報知・朝野・毎日・曙・日々であったこと 「凛たる人生 映画女優香川京子」 香川京子述, 立花珠樹著 ワイズ出版 317p
【A】
私はこの本を香川京子さんご本人から手渡しでプレゼントされた。
【A】評価を付けずにいられようか? 「日本文壇史(十七)転換点に立つ」 伊藤整 講談社文芸文庫 247p
【C】
この巻では漱石が『門』を書き、徳冨蘆花が『寄生木』を書き、近松秋江が『別れたる妻への手紙』を書く。
一方、大逆事件の死刑囚には死刑が執行され、山田美妙と大塚楠緒子が死ぬ。
漱石と大塚楠緒子の関係に多くのページが割かれている。 「椋鳥通信(中)」 森鴎外 岩波文庫 502p
【C】
この巻ではトルストイが死ぬ。彼が家出をしてから死ぬまで、欧州の雑誌は彼の動向を取材している。同様にリアルタイムに取材されるのは、ルーブルから盗まれた「モナリザ」の行方である。 「寄生木」全三冊 徳冨健次郎 岩波文庫 315p+299p+299p
【D】
著者はおそらく、この二十六歳で死んだ軍人の手記を読んで感動したのだろう。
その手記をもとにこの小説を書き、印税の一部は遺族に与え、姉妹を自分の家に引き取ったりしている。
しかし、私には感動はおろか、興味をそそる部分の全くない作品であった。 「漱石研究 第十七号 特集『門』」小森陽一、石原千秋編 翰林書房 175p
【D】
特集である『門』に関する論文より、坊ちゃん論である朴裕河の「恐怖と排除の構造」が面白かった。 「漱石新聞小説復刻全集 5 門」 夏目金之助 ゆまに書房 215p
【C】
漱石の『門』を読むのはこれで5回目が6回目。今回は朝日新聞の復刻で読むのだが、主人公宗助の奥さんの名前が「お米」になっていることに驚く。
調べてみると、春陽堂の初版や大正七年発行の漱石全集(漱石全集刊行会発行)では「お米」。昭和11年に発行された漱石全集(漱石全集刊行会発行)では「御米」になっている。それ以降はおそらく、ずっと「御米」のはずである。 「虚無党奇談」 ウイリアム・ル・クユー 警醒社 119p
【D】
大逆事件にかかわった人たちはこの小説をよく読んでいたらしい。
題名にある「虚無党」とはロシア皇帝の暗殺をたくらむグループ。
冒険譚でありそこそこ読ませる。
ロシア革命はおろか日露戦争も始まっていないときに書かれた小説だから、皇帝は暗殺されず「オレ達は頑張るぞー」と気勢を上げて小説は終わる。 「夫・幸徳秋水の思ひ出」師岡千代子 東洋堂 87p
【D】
幸徳秋水はいいとこのお坊ちゃんなので、千代子夫人もいいとこのお嬢さんである。
しかし、>>248で書いたように秋水が管野スガに走り、離婚させられる。
同士による証言では得られない、革命に熱中する前の秋水の姿が描かれている。 「平沼騏一郎回顧録」 平沼騏一郎 平沼騏一郎回顧録編集委員会 335p
【C】
大逆事件で悪役になる平沼騏一郎であるが、この回顧録を読む限り優秀な法律家である。
彼の言葉をいくつか引用する。
「個人の道徳が仏教によって養われたことは争えない。国体観念のことは儒教の影響が多い。(中略)明治維新が出来たのは儒教の力だと思う。」
「何時も世の変わり目には悪いものが出て伝統を壊す。明治維新の時もやった。その時は仏教である。廃仏毀釈が是である。」
「幸徳(秋水)は親孝行であった。親孝行は自分の主義実行に困るので親不孝になりたいと思ったが、出来ぬと言っていた。陛下の御聖徳は知っているが倒さねばならぬとひどいことを言っていたが、後には倒さなくとも主義さえ通ればいゝと言ってゐた。」
「東條君は断行力のあるのはいゝ。陸軍辺りで一番困ると思っていたのは、武藤(章)軍務局長等であるが、これを中央から出した。出すに就いては大分骨が折れたようである。兎に角、あゝ云う者ではいかぬと気がついた。」 「幸徳秋水集」 幸徳秋水 改造社 184p
【D】
「老人の手」がやや面白い。革命などにうつつを抜かさず中江兆民の研究だけしていればよかったのに、と思う。
もっとも結核で短い命だったので、死刑になった方が歴史に名を遺せてよかったという考えもできるが。 『ワンルームから宇宙をのぞく』久保勇貴 太田出版 221p
宇宙工学者のエッセイ。【C】
『俊徳丸・小栗判官』兵藤裕己編注 岩波文庫 397p
【C】
『道徳授業を変えたい!と思ったときに、まず読む本』加藤宣行 東洋館出版社 173p
【C】 「大逆事件に於ける国民的反省」 田中智学 師子王文庫 80p
【D】
日蓮宗からみた大逆事件。師子王文庫は田中智学が創った出版社。 「フィリッピン独立戦話 あぎなるど」 山田美妙 中公文庫 294p
【D】
山田美妙がなぜフィリピン独立運動に興味を持ったのか全く不明だし、小説を書くほど入れあげているようにも思えない。 「美妙選集 (下卷)」山田美妙 立命館出版部 583p
【D】
「日本韻文論」と目当てに読んだのだが、あまり面白くなかった。
「女装の探偵」と「戸隠山紀行」はやや読む価値あり。 「近代「書生気質」の変遷史」 八本木浄 丸善プラネット 226p
【C】
森鴎外『舞姫』から阿川弘之『雲の墓標』まで「書生気質」というキーワードを中心に論じた本。
ここでいう「書生」とはようするに「学生」と同義語。
私が想像した金持ちの屋敷に居住する雑用係ではないのが残念。 「東京遊学案内」 黒川文淵 山縣順 190p
【C】
極めて実用的な本。
東京の学校の授業料や受験料や入学料、都内の交通案内、下宿の選び方、果ては一高や高等商業学校の受験問題など、至れり尽くせりの本である。 「大君の都(上)」 オールコック 岩波文庫 420p
【C】
1年たったのでこれで終わりにします。 『モロッコの迷宮都市フェス』米山俊直 平凡社 295p
【D】 『<責任>の生成』國分功一郎 熊谷晋一郎 新曜社 429p
対談。【B】 『能力はどのように遺伝するのか』安藤寿康 講談社ブルーバックス 237p
結果を並べているだけ。【D】 『発達障害当事者研究』綾屋紗月 熊谷晋一郎 医学書院 219p
【C】 『フラクタルと数の世界』西沢清子 関口晃司 吉野邦生 海文堂 180p
【D】 『おわりの雪』ユベール・マンガレリ 白水uブックス 157p
【C】