5バックを毛嫌いする人もいるがその理由を語る時必ず出てくるのが守備的過ぎるということとプレスの話が出てくる。
数字だけ見れば確かに5バックは守備的だと言えよう。しかし実際にはどうなのかという答えが重要となる。
3バックと似ているが違う部分で言えばサイドバックの位置だろう。前々回の代表の試合を見ただろうか。長友が上がり過ぎた事で非常にわかりやすい見本を作ってくれたがあれが3バックがダメな理由だ。センターバックからのビルドアップ時にパスコースの選択としてサイドへの繋ぎが消えてしまっている。日本が3枚のセンターバックに対し相手が寄せてくれば当然日本はパスコースが必要となる。
しかし現状ではそのパスコースが無い為に寄せられる前にパスを出すしかプレーが選べないというのが最大の欠点。
それならサイドが下がってくればいいという話になるが上がる必要があったのかの疑問点に日本はまだたどり着いていない。
上がった状態から下がれば自陣方向を向いてボールを受ける事になりその時点で遅れている。
縦の関係は必要ないとは言わないが日本がサイドを最初から上げたところで敵への影響はほとんど無い。元々ウイングバックはサイドバックの様に深い位置に戻ることが定位置とされていない為に戻る意識は5バックよりも弱いのも1つだが前に攻めるより戻る方が大変なのは経験者ならわかるだろう。
では逆に5バックは3バックより攻撃意識が弱いかといえばそうではないのが面白いところ。後ろからタイミングよく上がれることや前を向いてボールを保持出来ることや5バックにすることでより日本がビルドアップしやすい形を作ることが出来る。
さらに言えば3バックの場合センターバックとウイングバックには決定的な段差がありウイングバックが下がればセンターバックはさらに下がることとなる。
4バックの場合もセンターバックが2枚な為にサイドバックが居たとしても安全の為に下がりがちになる。
当然ここが下がればオフェンスが下がらない限り間延びするチームとなる。何故か日本はこの状態を作りながら前に急ごうとしているから当然間延びするのは避けられない。
改善するキッカケとしてどちらの要素も兼ね備えている5バックを採用することを勧める。如何に優れているか理解出来るだろう。