そのままふつうに会話が続き、一定間隔で2日間くらいやりとりをした。
その間、特に嫌悪感を示すような発言もなく。
だが、あの時ヒカルがRに送った文章を俺は知っている。
ヒカルはそれを気づかせないために敢えて普通に話しているのだと思った。

ほどなくして、俺は器楽科の友人と飲みに行き、そのメンバーでチューバの友達の家に押しかけた。
みんな疲れ切っていてすぐに寝たが、仕事の性質上夜型になっていた俺は寝付けることもなく。
そんなとき、ヒカルから直前のトークの返信が来た。
まだ起きてると分かった俺は、深夜テンションみたいなのでそのままヒカルに通話の提案をしたが、これが案外すんなりと通った。
通話の声で起こすと悪いので友人宅を出て公園に行き、通話をするとイメージ通りの話し方のヒカルがいた。
声を聞いたことがないわけではないが、なんだか新鮮だった。
そこで思い切って俺は、あのRに送った文章の真意を聞くことにした。

俺「(中略)てことでさ、俺ヒカルに嫌われてるのかなって...」
ヒカル「え、なにそれ(汗)まったく行った覚えがないんだけど...」

俺はRが嫌いになった。
どうやらRのあの発言はねつ造で、実際俺は嫌われていなかったらしい。
むしろ、それから俺が若干ヒカルを避け気味にしていたのでヒカルの方も俺に嫌われていると思っていたらしく...。
全てはRの仕組んだ罠だったのである。
Rはキモい上に嘘つきゴミ野郎だった。

だが、そのギャップもあって俺とヒカルの距離は縮まり、朝起きれない俺のためにモーニングコールもしてくれるよう約束してくれた。
マスクでしっかり顔が確認できないものの、かわいい女の子に朝起こしてもらえると考えると俺のテンションは上がり、結局電話が来るまで起きていてウキウキで着信に反応した。
そして、同じようにその夜も電話をする流れになった。