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このミス大賞と出身作家や作品について語るスレ2

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0001名無しのオプ
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2010/11/23(火) 00:38:57ID:3HzTcnkJ
このミス大賞受賞作や出身作家について語りましょう。
最新の第9回の受賞作は1月刊行予定。
ttp://konomys.jp/

このミス大賞出身作家の読み切り短編を掲載する新雑誌『STORIES』(ストーリーズ)創刊。
ttp://tkj.jp/book/?cd=20171101

【前スレ】
『このミス』大賞と出身作家や作品について語るスレ
http://mimizun.com/log/2ch/mystery/1126233651/

【過去スレ】
===第一回このミス大賞===
http://book.2ch.net/mystery/kako/1028/10288/1028810007.html
 ◆ 第2回このミス大賞スレ ◆ 
http://mimizun.com/log/2ch/mystery/1058841417/

このミステリーがすごい!のランキング等については下記のスレで。
このミステリーがすごい!2010【終盤戦】
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1284037016/
0207名無しのオプ
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2019/03/10(日) 19:38:31.90ID:R0qGnyEJ
作者であ る柊サナカの作品はこれが初読。

物語は92歳になる八木ハツ江が自分の名前を呼ぶ男の声で目を覚ます所から始まる。ソファーに寝かされていたらしい自分に声を掛けてきた相手に目をやると声の主は身なりを整えた若い男。この場で長らく写真館を営んでいる平坂と名乗った男だったが、ハツ江には見覚えのない相手であった
。写真館の主人が自分に何の用か と訝しむハツ江だったが、写真館の中を案内されるうちに、ふと「自分は死んだのではないか」と気付いてしまう。
0208名無しのオプ
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2019/03/10(日) 19:39:03.49ID:Nu5nsfnb
ハツ江の疑問を素直に認めた平坂は自分はあの世に旅立つ人間の案内人だと正体を明かすが、旅立ちの前にハツ江にやってもらいたい事があると申し出る。平坂はハツ江に膨大な数の写真が積み上げられているのを見せた上でハツ江の歳と同じ92枚の写真を選んで欲しいという。
選んだ写真は人が亡くなる時に見る走馬燈に張り付け「振り返りの儀式」を執り行うのに必要らしい。写真を選び始めたハツ江だったがその中に古い都バスが写った物が複数ある事 に目を止める事 に。

ハツ江の人生の中で一番振り返りたかった写真がその中に混じっている筈であったが色褪せてしまっていた事 に落胆。もう一度昭和24年7月4日のあの風景を見たいと願うハツ江に平坂は過去に戻ってその一枚を取り直す事が出来ると申し出る。
平坂は地下の倉庫にあった膨大なカメラの中から一台を選ぶとハツ江の記念すべき「バスの日」へと遡る。そこには駆け出しの保母として奔走する若いハツ江の姿があった… …
0209名無しのオプ
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2019/03/10(日) 19:40:31.15ID:NwPIdRML
心温まる物を読ませて貰ったな、という心地よい読後感が残る一冊。
市井の片隅に生きた人々の人生を、それもあの世に旅立つ事 になった時に「あの日は自分の人生が一番輝いた」と思える日にまで遡り、自分の人生は悪くなかったと納得してもらった上で旅立っていく彼らを見送る案内人の話だけども、見送られる人々の送ってきた人生最良の日がどんなものだったか、彼らが人生の中で交わったのがどんな人たちであったのかを活き活きと描くタッチが非常に素晴らしい。

構成の方は80、90頁程度の中編が二本と40頁ほどの短編一本(最後の短編はある意味長めのエピローグみたいなものだけ ど)。
あの世に旅立つ事 になった人々があの世とこの世の中間地点にある写真館の主人・平坂と「人生最良の日」を振り返るために過去に遡行して「最高の一枚」となる写真を撮るというのが基本のパターン。平坂と過去に旅立つ人々は92歳になる元保母の老婆、47歳で刺されて死んだヤクザ、7歳の児童となかなかヴァリエーションに富んでいる。
0210名無しのオプ
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2019/03/10(日) 19:41:05.99ID:te39nuNv
なんといっても秀逸だったのは上にも導入部分を紹介させて貰った元保母の八木ハツ江が駆け出しの保母だった頃を描いた昭和24年のエピソード。
戦後すぐのモノの無い時代に足立区の片隅で共働きでないと食べていけない父母の為に設けられた保育園で「ないない尽くし」で給金すら滞りがちな中、自分でもなんでこんなに頑張らなきゃならないんだろうと思いながらも奮闘する若き日のハツ江の姿が誠に健気。

豊島区の片隅の自宅から片道一時間半もかけて通勤しなきゃならない上に製鉄会社の片隅に設けられた小さな保育園で近所の意地悪な奥様に苦情を入れられながら働いていたハツ江が圧力で向上の片隅に借りていた部屋を取り上げられ土手で保育を始めざるを得なくなるなどハツ江には次から次に難事が舞い込んで目を覆いたくなるほど。
それにしても一つ一つのエピソードがリアルだなあ、と思っていたら何とこれ実話がベースらしい。足立区にある青空保育、都バスの払い下げ車両を用いた園舎と変遷を辿って来た創立70周年の新田保育園の歴史をベースにしているのだとか。
0211名無しのオプ
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2019/03/10(日) 19:41:36.19ID:7DltZoP4
そんな人生やり切った婆さんのエピソードに続くのが中年ヤクザ・鰐口の話なのだから読む手は止まらない。
47歳で刺されて野垂れ死にとハツ江とは対照的な人生ではあるのだけ ど、このヤクザがシノギの一環として始めたリサイクルショップで「形だけの修理工」として雇われた「ねずみくん」と呼ばれる奇妙な青年との交流は別の意味で心温まる話となっていた。

この「ねずみくん」壊れたモノの修理に関しては疑いの無い天才。ただ、ある種の発達障害みたいな感じで人とのコミュニケーションが絶望的に取れない青年で何より「命」の概念が理解できず「壊れたハムスターの修理」を引き受けてしまう場面など読んでいて「ぞっ」とする様な部分もある。
そんな「ねずみくん」が引き裂かれた大切な写真を悲しむ異国の少年から引き受けた顛末はヤクザながらも妙に情け深い鰐口の姿が描かれニヤリとさせられる。この世を去る前に会いに行った「ねずみくん」が口にした言葉には命の概念が理解できなかった青年に起きた変化にはっとさせられる
素晴らしい幕引きと言えよう。
0212名無しのオプ
垢版 |
2019/03/10(日) 19:42:04.01ID:NlTMsPrf
この中編二作はあの世に旅立つハツ江と鰐口が主役みたいな部分があるのだけ ど、最後の一編は少々趣が異なる。
写真館の主人・平坂には記憶が無く、持っているのはどこで撮ったかも分からない写真が一枚だけなのだけ ど、最後のエピソードでは被虐待児の7歳になるミツルちゃんと遊ぶ傍らで何故か色々教えようとする平坂自身の姿が描かれ ている。その意図が明かされた時に平坂が持っていた写真の正体が明かされるという中々凝った仕掛けとなっている。

天寿を全うしたにせよ、人生途上で野垂れ死にしたにせよ人生のどこかにあった「最良の一日」を確かめにいくという趣向もそこで描かれる故人と生前に関わった人たちとの心温まるエピソードも「あ、こういうの好きだな」と思わされた上で嫌味なく読み終える事が出来た。
尖ったものは無いのだけ ど、こういう丁寧に作り込まれた良作で幸せな気分になれるというのは読書として良い体験だなと改めて思わされた、そんな一冊。疲れている時なんかには是非お勧め。
0216名無しのオプ
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2019/05/11(土) 15:32:36.50ID:smAF59qu
>>215
月刊神家正成とか、どんだけ自分好きなんだって感じww
0218名無しのオプ
垢版 |
2022/07/26(火) 20:38:39.49ID:Xj8lWNRk
もう完全にゴミ大賞になっちまったな。
0219名無しのオプ
垢版 |
2022/07/26(火) 20:42:33.55ID:Xj8lWNRk
もう昔みたいな読み応えのある作品は中々出てこないんだろうな。人間を不覚描いたような作品。
目先の奇抜さや、変わったトリックや舞台で誤魔化しているだけの作品が年々増えてきている。
読書離れが進んでいると言われるが、これは出版社と作家にも問題があるんだろうな。
0220名無しのオプ
垢版 |
2022/09/27(火) 14:13:34.90ID:ugbaQdpv
>>219
219今もいるかわからんがw
@satouseinan
「出版社と作家にも問題があるんだろうな」
沸点低くDM晒す作家がこのミス出身だからね
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