短編推理 あなたは解けるか? Part2
レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。
とりあえず、848に乗ってみる。
>「校正前」の原稿に「足下に一本の紐」とは読み取れない誤変換か誤字が偶然残っていたせいで
例えば、原稿には「足の下に一本の紐」とか「足したに一本の紐」とか書いてあった。
>あらかじめ知っていたからで三井に罪を着せるつもりだった
これについては、
>彼女は喜んでそれに応じ、「これで三件目なの」と言った。
と、出題にあるので、三井以外にも少なくとも2人、容疑者になる可能性のある人物を用意していたのだと思う。 『こんな殺しは推理小説の中しかありえない。』 この記述の通り、すべてが小説の中の出来事(作中作)
イコール作者である熟梨による犯行
って事かな? 謎解きじゃないけど
熟梨がカルト的な人気を博したある方面って
スカトロかなとオモタ 出題者です
出題から1週間が経過しましたが都合により解答を3日ほど延長します
せっかくなので、いくつかヒントを出しておきます
「なぜ熟梨は担当編集者を殺したのか?」
「熟梨の意味深な台詞の意味は何か?」
あと>>853が考える方針としてはいい線いってます
頑張ってください >こんな殺しは推理小説の中にしかあり得ない。
これはミスディレクションで、熟梨の書く小説は推理小説ではない
…とも考えられる
じっさい、熟梨が推理小説を書いているとは書かれていない
(だったらどうだと言うんだ……)
>>848
この出題文で、解答に「誤変換か誤字が偶然残っていた」なんてあったら唐突すぎっす
そんな出題はわざわざプリントアウトして製本したあげく壁に投げるよ >>854
>解答を3日ほど延長します
3日と言わず、一週間ほど待っていただけるとありがたい。
今までの考えが見当外れっだので。 思いついてることが色々あるけど
謎解きまでには至ってない
たぶん了は漢字の意味じゃないんだろうな 出題者です
もう少し待ってほしいという発言がありましたので
18日まで解答を待ちたいと思います
これ以上時間を空けると挑戦してくださった方々に
「未完の問題」という印象を与えかねないので
18日以降への延長はないものとして考えていただければと思います
それでは 全然わからん。
「なぜ熟梨は担当編集者を殺したのか?」
「熟梨の意味深な台詞の意味は何か?」
については、
熟梨がネット作家あるいは同人作家で、商業作家になりたいと思って出版社に作品を持ち込んでいたと考えると、
「殺したのか?」編集者に拒否されたあるいは、ぼろくそ言われた。
「台詞の意味は何か?」 は「これで三件目なの」を指しているものだと思われ、
拒否されたのが三作品目、あるいは三社目と解釈することもできる。 明日か。
編集者の元に残された原稿のデータと、三井が保管した原稿のデータの差分から、
刑事は熟梨が犯人であると確信したんだと、思って考えているのだが、まったく思い浮かばない。
「差分が手掛かりになった」と言う部分が違っているのだろうか。
解らん。 出題者です
お約束通り,解答を示したいと思います. 解答
熟梨は盗作被害に遭っていた。
おそらくは担当編集者に何かしらの弱みを握られていたのだろう。
熟梨にはカルト人気があるとは言え、結局は売れない作家であるから、
面白い作品などは新人作家にあてがった方が話題性で売りやすくもなるというものだ。
もちろん、熟梨にはそれが苦痛だったろう。
だから自分の新作小説を(表面上)担当編集者にのみ渡した段階で
その小説の中にあるトリックによって担当編集者を殺し、
警察の捜査を介入させることで小説の内容を知り得る人間が
自分と担当編集者以外にも存在するという事実を突き止めさせることにしたのである。 パソコンのデスクトップに小説を置き放しておいたのは、
その小説が盗作により自分以外の名義で出るのを知っていたためである。
自分の筆名を書くことで相手がファンであることを確かめた上でこれを渡し、
「黄土色の研究は熟梨カズ子の作品である」ことを証言させようとした。
あるいは計画が失敗したときに、犯人に仕立てあげようという意図もあったかもしれない。 一度ここまでの話をまとめる.熟梨の構想は
@自分の小説とまったく同じ方法で担当編集者が殺され
Aかつ自分には担当編集者を殺す動機がない(また決定的な証拠もない)という後ろ盾を利用して
B警察に第三者の存在を予期させ,
Cまた自分のファンを利用することでそれを確定させる
ということである. 事件の構想は以上である。次に、彼女が犯人であるとばれてしまった理由を書く。
彼女が「売れないがカルト的な人気のある作家」であること、
「彼女の作品を見た瞬間に彼女が犯人である線が濃厚になった」ことから推測できるのは、
彼女の作品が「きわめて読みづらい文体で書かれた作品」であるということだ。
売れない小説について少し考えてみよう。 重々承知と思うが、売れない推理小説とは、読み辛くありふれたトリックを用いた作品である
(もちろんこれ以外にも要素はあるが,少なくともどちらかが備わっていれば話題にはなる)。
にもかかわらずカルト人気がある。
これは、この二つの条件の内一方に、ずば抜けた特徴があることを示す。
現実に再現できている時点で,彼女の作品は特殊なトリックを用いているわけではなさそうだ。
だとすれば、彼女の特長は「読みやすさ」の方にある。
刑事が頭を抱えたという描写の意味も、これではっきりするはずだ。
この話は,自分たちの作品の強みを理解していない不幸な作家と編集者の物語である.
トリップ #文体
お楽しみいただけましたでしょうか? 少しだけ補足
熟梨の構想@〜Bは編集者の殺され方が自分の新しい小説に酷似していると
自ら告白していることなどから推測できます
Cについては熟梨の誤算が含まれており
a)第三者の捜査に踏み切った警察が,
熟梨のデータの入ったパソコンが近く修理に出されたことを突き止めてしまった
b)ファンが自分の小説を読んだことをすぐに話してしまった
ことは想定外のできごとでした
また,上の方で推理に出ている「三件目」というのは
「自分のファンがいた電気屋の件数」です
目的の達成のためには「症状は見られなかった」という結果でもよく
一台のパソコンさえあればいくらでも「自分の作品を読んでしまうファン」にありつく可能性は上がるのです 解答ありがとうございます。
>彼女が犯人であるとばれてしまった理由を書く。
が、今のところよく理解できません。
明日からしばらく、アクセスできないので、日曜日くらいに、
どこが理解できないのか自分なりに整理して質問しますので、
その時はよろしくお願いします。 もう一度、解答を読み直してみました。
@熟梨は、カルト的人気がある作家である。
Aカルト的人気作家であるためには、「特殊なトリックを用いている」か「読みやすい」かである。
B刑事が読んだ原稿は、とても読みにくかった。
C「特殊なトリックを用いている」ので作家本人しか、殺人の再現はできない。
D熟梨が犯人だと推定されるが、逮捕するためには使われているであろう「特殊なトリック」を暴く必要があり、”刑事は頭を抱えた。 ”
という、感じでしょうか? >>870
カルト的作家である=大衆に人気のある作家ではない
大衆に人気がない→読みにくいかありふれている
現実に再現できるトリックは推理小説として「ありふれている」
つまり熟梨の小説は「読みにくい」
(読みにくさに特徴があってカルト人気がある)
そのあまりの読みにくさに刑事は「頭を抱えた」
ここからは非明示なため取り方はいくつかありますが
・「読みにくい」ため事件を完全に再現できるのは熟梨以外に考えられない
・発売前の小説を読んだ人間がわざわざそのトリックを利用して熟梨に罪を着せることのリスクが高い
(読みにくい小説を完璧に読み解かなくてはならず、発売までという限られた時間でそれを完璧に遂行できるとは限らない)
などの理由で犯人が熟梨に特定できます 突っ込みどころは少なくないと個人的には思ってる
その中で分かりやすいところを一点だけツッコミ…
>・「読みにくい」ため事件を完全に再現できるのは熟梨以外に考えられない
噛み砕くと、「その難解な文章を理解できるのは文章を書いた人物だけだ」だね
ミステリ的ロジックのアイデアとして買うしパクりたいぐらいだけど、
実作では刑事もその難解な文章を理解して「完全に再現」されていると判断したんだよね
「熟梨以外」の刑事が
これを作品内の文章で納得させられていないと思うよ >>872
自分の小説のネタに酷似していると申告したのは熟梨本人です
熟梨以外の人物がそれを確かめていない(あるいは一部分のみを確かめた)のは
最後の刑事のやり取りから読み取れます
ところで、その難解な内容を読み取れるのは〜というロジックそのものは
フェアでないので個人的には嫌いです
だから私は「内容自体を確認しなかった」という形で事件を作ったのです
(裏話的ではありますが)
内容を確認してみたらすぐ分かった、というのはオチとしてはまあまあなんではないかなと自負しています
ともあれ、突っ込みどころを見つけるほど読み込んでくれたのだと思うと涙染み入る限りです
お楽しみいただき、ありがとうございました まった甲斐がありました。
なんとなくではありますが、理解しました。
またの出題をお待ちしております。
因みに872氏とは違いますので、872氏はまだやり取りを続けたい可能性もありますので、
しばらくは、見に来てください。 しばらく来んうちにおもろい問題が出題されとるがな
犯人特定のロジックは
「熟梨カズ子」を「小栗虫太郎」に変換したら
年となく納得できんでもない 前の出題からだいぶたってるのでそれではひとつ・・・
【イヤミ殺人事件:1】
自称フランス帰りの中年男イヤミ(42)が、オンボロアパート「こわれ荘」の二階自室で刺殺された。
警察の調べに対して、イヤミの隣に住んでいた無職ニートの松野おそ松(23)はこう証言した。
「今朝6時半ころのことでした。
隣のイヤミの部屋から、『グギャ』という変な悲鳴と、『何するざます!』という叫び声が聞こえてきたんです。
ええ、ここはボロアパートで壁がすごく薄いんで、隣の物音ははっきり聞こえます。
ついでにいえば各部屋のカギも壊れてるんで、誰でも自由に入れます。
まあそれはともかく、悲鳴が聞こえたとき、僕は目がさめたばかりでまだ頭がボンヤリしてたんですが、何事かと思って自分の部屋のドアを開けて廊下に出ました。
すると階段を駆け下りようとしている男の姿がチラッ目に入りました。
それがどうやら僕の兄弟の一人みたいでした。ただ、僕たちは六つ子でお互いソックリなんで、チラッと見ただけでは誰かまではわかりませんでした。
僕はその男を追いかけてやはり階段を駆け下りようとしたんですが、まだ寝ぼけてて足がもつれて、ガラガラドッシャーンと階段の下まで転げ落ちてしまいました。
もう痛いのなんの。しばらくは立ち上がることさえできませんでした。
そのとき、一階の階段向かいの部屋に住んでいる弟のカラ松が部屋から出てきました」 【イヤミ殺人事件:2】
以下カラ松の証言
「僕はまだ寝てたんですが、ガラガラドッシャーンとすごい音がしたんで目が覚めて、部屋のドアを開けました。
すると階段の下に兄のおそ松が倒れてました。腰を打ってひどく痛そうでした。
おそ松は『上に行ってイヤミの様子を見てきてくれ』と僕に言いました。
僕は『朝っぱらからめんどくせえなあ』と思いましたが、おそ松が立てそうにもないので、しぶしぶ見に行きました。
そしたらビックリしたのなんの! イヤミがベッドの上で刺されているんです。
ええ、アイスピックが胸にズブッと刺さってました。
姿勢ですか? 仰向けに寝てて『シェー』のポーズをとりかけてました。
たぶん眠ってて無抵抗なところをいきなり刺されたんでしょうね。
まだ息があったので、『しっかりしろ! 誰だ! 誰がやった!』と聞くと
息も絶え絶えの声で『コレ……コレ……ヤッタザマ……』と言いかけたんですが、そのままこと切れてしましました。
逃げた男ですって? いえ、ぜんぜん気づきませんでした。ただ僕は寝起きでモーロ―としてたんで、気づかなくても不思議じゃありません」 【イヤミ殺人事件:3】
警察が現場検証を行ったが、二人の証言と矛盾する点は発見できなかった。
なお、アパートの他の住民はその時間にすべて寝ていたため、何の証言も得られなかった。
死因は心タンポナーデ、すなわちアイスピックで刺されたため心嚢に血が溜り、心臓が鼓動できなくなったためで
刺されてから遅くとも10分以内に死亡したと見られた。出血はわずかで、被害者のシャツに少しにじんでいる程度だった。
凶器のアイスピックからは、おそ松と同一の指紋が採取された。
ただし六つ子の指紋は皆同じなので、誰かまでは特定できなかった。
なおおそ松がチラッと見た男について、「カラ松ではなかったか?」と警察が聞くと、
おそ松はこう答えた。「カラ松じゃありません。なぜならカラ松は部屋から出てきたときパジャマを着てましたが、僕がチラッと見た男はパジャマ姿ではありませんでした。
あの短い時間に着替えるのは不可能と思います」ちなみにおそ松はカラ松と仲が悪く、カラ松をかばってウソの証言をすることは考えにくい。
なお六つ子の他の四人、チョロ松、一松、十四松、トド松は実家住まいだが、アリバイのあるものは一人もいなかった。 【イヤミ殺人事件:4】
以上のような部下の報告を聞いたデカパン警部はウーンとうなった。
「ホエホエ、難しいダスな。早朝の犯行で目撃者がいないのが厳しいダス・・・
いや・・・まてよ・・・ひらめいたダス!
ひとつ質問があるダスが、イヤミは、六つ子の区別はついたダスか?」
部下の一人が、イヤミと六つ子は古くからの知り合いなんで、間違えることはなかった、と答えた。
「そうダスか、それなら、
絶対確実とは言えないダスが、ひときわ怪しいのが六つ子のなかに一人いるダス!
ガイシャの最後の言葉にヒントがあるダス!」
さて、デカパン警部がひらめいた犯人とは?
(問題文に書かれている以外の「おそ松くん」に関する知識は推理に必要ありません) カラ松が犯人
パジャマの件は「急いで着た」などの解釈をつけざるを得ないが
メッセージが示すのはカラ松 ホエホエ
人があまり来ないダスな
もう少し待ってみるダス
>>881さん
回答感謝するダス
じゃが「着替えの時間は本当になかった」ということにしておいてほしいダス
だいいちダイイングメッセージ聞いてるのはカラ松だけなんで、
もしカラ松が本当に犯人ならわざわざ警察に言わなくてもいいダス 出題、ありがとうございます。
>『コレ……コレ……ヤッタザマ……』
>自称フランス帰りの中年男イヤミ(42)
から、チョロ松、一松、十四松、トド松のフランス語が、ダイイングメッセージに関係するのかと思ったが、
それらしいものが無かった。
と言うわけで、取りあえず、おそ松の証言が嘘で、おそ松が犯人。
多分、違うと思うので、ゆっくり考えてみます。 ホエホエ、書き込みありがとうダス
フランス語は全然関係ないダス ≫仰向けに寝てて『シェー』のポーズをとりかけてました
こんなポーズだったということにする。
(`ш´)
──┼──
│
/│
∠─┼
十
4
ダイイングポーズは十四松を指していたんだ!
≫六つ子の指紋は皆同じ
んなワケあるか! >>885さん
ズバリ正解ダス!
瞬殺だったダスな
ホエホエ 問題文をもう少し短くする工夫が必要だと思いました。 【イヤミ殺人事件:解決篇】
「ホエホエ。
ワスが不思議に思ったのは、イヤミが『シェー』のポーズをしようとしてるのに、おそ松が『シェー』という声を聞かなかったことダス。
壁が薄いんで聞き洩らしたはずはないんダスのに・・・
もうひとつの不思議は、イヤミが最後に『コレ・・・コレ・・・ヤッタザマ・・・』つまり『これがやったざます』と言いかけながら、
肝心の『これ』が何のことか、わからないことダス。
そこでひらめいたダス。あのポーズは『シェー』ではなく、口を利く力がなくなったイヤミが犯人を示そうと必死でとったポーズではないかと。
それをイヤミは『コレ』と表現したのではないかと。
あとは>>885さんのご推察のとおりダス
指紋の件は推理に関係ないしフィクションということで勘弁してほしいダス」
おそ松さまでした〜 解答、ありがとうございました。
イヤミ殺人事件、面白かったです。
>指紋の件は推理に関係ないしフィクションということで勘弁してほしいダス」
私は気にしてません。
多分885もそんなに本気でクレームをつけているのではないと思う。
色んな人間がいますが、またの出題、お願いします。 出題乙でした
なお小生はカラー(服の首の部分)のフランス語がコレ(collet)なのでということでカラ松犯人という解答だったのですが深読みしすぎですたな 繁華街の裏道で、額を撃ち抜かれた男の死体が見つかった。
即死だった。
男は周辺で幅を利かせてる暴力団の構成員で、抗争に巻き込まれたものと思われる。
また、この男自身も銃を所持しており、その銃と合致する2発の銃弾が付近から発見されている。
他に発見されたもう1つの弾丸、すなわち男の額を撃ち抜いていた弾丸は、男の所持する銃とは一致せず、他の拳銃から撃たれたのは明らかであった。
男が所属していた一家は報復の準備を進め、抗争の激化は必至であったが、相手方は「先に仕掛けたのは死んだ男の方だ」と主張した。
問題は死んだ男が先に仕掛けたのか、相手が仕掛けたのか…
男の射殺現場を調べた鑑識の米沢氏は、先に撃ったのは被害者の方だという結論に至っていた。
何故か? 出題ありがとうございます。
何という好タイミング。
なんとなく解った気もします。 メ欄?
しかしこんなに簡単でいいのか?
もう一つくらい罠がありそうなもんだが 先の出題(>>894)が叩かれているようなので
フォローと言うわけではありませんが、便乗で出題させてもらいます
米沢は自ら事件を解決したという自負心から友人の松阪探偵の元を訪れ
自分がいかにして解決の糸口を見つけたか、
その事件がいかに自分のひらめきを必要とするものであったかを繰り返し語った。
「私のような名探偵が鑑識にいたのでは、君も食い扶持に困るだろうな」
その言葉にカチンときたのか、松阪探偵は急におとなしくなり、
しばらく考え込んでから一言、米沢に尋ねた。
「君はさっき『被害者は額を撃ち抜かれていた』と言ったね」
「ああ、言ったが、それがどうかしたのか?」
米沢は不思議そうな、けれども自尊心の抜けきらない顔で松坂探偵を見つめた。
「どの方向から撃たれたかは分かっているのかい?」
「そりゃ、まっすぐに撃たれていたんだよ。後頭部に向かって、弾が抜けていたんだ」
「それはおかしいな」松坂がにやりと笑う。「それはおかしいな。近くに隠れられそうなところはなかったのか?」
「そりゃ裏路地だからね。エアコンの室外機だとか、そういうものは辺りに点々としていたが……」
「君が言おうとしているのはこれだろう? 『言われてみれば、被害者の死んだ近くには、一台しか置かれていなかった』!」
「あ、ああ。確かにそうだが……」
米沢は見もしない事件現場のことを鮮やかに言い当てる旧友を気味悪く思い、困惑した。
先ほどまで笑みはすでに消えていて、奥歯のひりつくような痛みを感じていた。
そしてすぐ後に松坂探偵が語った次の言葉にはいよいよ愕然として、返事を失うことになるのであった。
「米沢、弾丸の数に注目した君の観察眼は実に惜しいところまで行っていた。
しかし君はその弾丸がどこを通ってきたかということにも目を向けるべきだったんだ。
僕が言いたいことは分かるね? つまり、先に仕掛けたのは被害者の方じゃない。その相手の方だってことさ!」
さて、松坂探偵はどのようにしてこの結論にたどり着いたのだろう?
そして事件現場では何が起こったのか? 推理してください。 出題文が上手ですね。僕も相手の撃った1発目が空砲だったとか、弾丸が未発見のままだとかの場合はどうなんだろうとか、思ってはいたんだけどね。
あるいは被害者を仕留めた後に、被害者が所持する拳銃を2発撃っておけば、被害者が先に仕掛けたと主張できるかもしれないね
で、答えはさっぱりわかりませんw とりあえずいくつか
・解答は(出題者都合で申し訳ないですが)8月1日以降となります。
・質問が多数ある場合はそれに回答した上で解答日を延期する可能性があります。
・>>894に便乗した問題ですので>>899になく>>894にある情報はすべて有効となります。
・また、探偵はすべての有効な情報を知り得たものとします。
・一応、メ欄に着想のヒントを置いておきます。利用の有無は自由です。 出題、ありがとうございます。
期限まで時間があるのはありがたいです。 「一体何を疑ってらっしゃるんでしょうかねぇ警部どの?これは飛び降り自殺で決まり。そゆこと」
担当の伊丹刑事は捜査権の無い特命係のほくが現場に居ることに不快感に満ちた口調でそう言うとブルーシートをかけた死体を見下ろし、次にホテルの25階の窓を見上げた。
ホテルの高層階の窓ガラスが割れている。風にカーテンが舞っていた。
「彼の泊まっていたあの部屋の窓ガラスは内側から割られていた。ハンマーもある。これはどう考えても覚悟の自殺」
ぼくは彼のプライドを損なわないよう言葉を選ぶ。
「その結論はまだ早いでしょう。なにか見つかるかも知れませんよ」
「仮に殺人だとして、犯人はハンマーがあるのに、わざわざ窓を割って相手を突き落としますか?何でわざわざそんな事を?」
伊丹はめんどくさそうに言う。この人の悪いクセだ。
「ホトケは会社社長。資金繰りで困っていた。だから自分の生命保険をそれに当てようとした。奥さんも共同経営者も、社長はここのところ、暗い顔をしてふさぎ込んでいたと証言もしてる。自殺の動機としちゃ完璧でしょう」
ぼくが一言言おうとしたとき、鑑識の米沢さんが現れた。米沢さんはぼくに目礼だけすると、担当の伊丹刑事に報告した。
「裏口から、新しい靴あとが見つかったんです」
「ホテルの従業員とかのじゃないのか?」
「いえ、全員の靴を調べたのですが、一致するものはありません。もちろん泊まり客の靴も、被害者が死亡時に履いていた靴とも一致しません」
「….…そうか、それならさすがに、調べる必要があるだろう。やれやれ。自殺か他殺か決定的な証拠がないから、両面から捜査するしか無ぇか……」
ぼくは我慢できずに口を挟んだ。
「自殺の線はありません。他殺に絞って捜査して大丈夫だと思いますよ。差し出がましいようですが、他殺だとすると、奧さんや共同経営者も容疑者となりますねぇ」
「どうして自殺の線は無いと言い切れるんでしょうか?警部どの」
ぼく、杉下右京が他殺と判断した根拠を推理してください。 >>904
靴を履いたまま飛び降りていること
部屋の内側から窓を開けるのにわざわざハンマーを使っていること
自殺では生命保険は降りないこと
それから>>899の問題がまだ解決していないよ 出題ありがとう
まさか、現場が24階のバルコニーだったとか、プールの溺死体だったとかというようなことではないよね
>>899 はメタ推理系統のような予感がするけどね ブルーシートをめくると、絞殺死体だったという落ちもあるかな
25階から落ちたというのは伊丹の速断であって、説明は無いみたいだから 長い時間があったのにもかかわらず899がまだ解けない。
なんの閃きもわかない。
あー、899に申し訳ない。
>>905
参考までに。
>靴を履いたまま飛び降りていること
これはおかしくないんじゃないか?
>部屋の内側から窓を開けるのにわざわざハンマーを使っていること
あとホテルの高層階は窓が開かない場合も多い。
問題文にないから何とも言えないが、例えば死体の上にガラス片があったとか。
これは、違うでしょうけど。 またなぞなぞで
「右京が犯人だから」
だったりして 899についてこんなのはどうだ。
犯人は、エアコンの室外機の陰に隠れていて、被害者を金づちで襲った。
金づちは被害者の額にヒットし、被害者は朦朧としながら拳銃を発射した。
その後、犯人は傷跡を隠すように被害者の額を銃で撃ちぬいた。
何の証拠もないので推理でも何でもないが、
これで、誰かの閃きに貢献できたら嬉しいのだが。 お約束通り8/1に来ました、>>899です
少し難しかったようなので、2つほどヒントを出した上で、後数日待とうと思います。
ヒント1(>>901のヒント)
「カチンときた」松阪探偵が考えていたことは何か?
これはおそらく簡単だと思います。
「私のような名探偵が鑑識にいたのでは、君も食い扶持に困るだろうな」
皆さんが名探偵だったとして、素人同然の鑑識にこんなことを言われたら、どう思いますか?
鼻っ柱をへし折ってやろうと思うのではありませんか?
そのために必要なことは何でしょう?
松阪探偵の思考の前提はここにあります。皆さんもここから出発して考えてみるのが良いでしょう。
ヒント2
松阪探偵が最初の質問で得た決定的な証言は、次の一文です。
「そりゃ、まっすぐに撃たれていたんだよ。後頭部に向かって、弾が抜けていたんだ」
一体どこが「おかしい」のか? それを理解するのが、事件解決への早道となります。
「後頭部に向かって弾が抜ける」ように「まっすぐ撃たれる」ためには、どんな条件が必要でしょうか?
被害者と加害者の位置関係は? それが分かったら、被害者の立場に立って考えてみるのです。
果たして、あなたが思い描いているように動くのが妥当でしょうか?
現場がどこであったかも重要です。殺人が起こったのは、広場ではなく「路地裏」ですから……
皆さんの健闘を祈ります。 んんん?
ヒント2って、言わんとすることはわかるような気がするけど、随分と危険なロジックのような気がするなあ
でも、作者さんって、プロみたいですね
ほんとにありがたいことです とりあえず、ヒント2のように考えてみよう
「まっすぐ撃たれる」ためには、
1.両者ともしゃがんでいた
2.両者とも立っていた
必要があるんじゃないかな?
一発で仕留めている状況から、犯人は目線の位置に銃を構えて狙ったのではないか?
とすると「後頭部に向かって弾が抜ける」のは自然なように思うが如何? 後頭部からの被弾ということは
被害者は加害者の前にいたことになる
また、まっすぐに撃たれたということは
加害者は暴れたり走ったりしてはいなかった
つまり被害者は後ろから加害者に気づくことなく撃たれたことをなる
なので先に撃ったのは加害者
とかでしょうか??
出題ありがとうございます! あ、すみません
「後頭部から抜けた」ですね
読み間違えしてました…恥ずかしい >>914
その2つのケース以外にも考えられる
片方がしゃがんでいてもう片方が立っているパターンでも
銃が斜め上を向き被害者の顔がうつむいていれば「まっすぐ撃たれる」ことができる
問題はそんなことが起こり得るか? ということだが いろいろな体勢からまっすぐ撃たれるのはあり得るのだけども、
そのような位置関係になるためにどのように動くのが妥当か?ということについては
可能性がありすぎて「わからない」というのが感想だ
そこで、ヒント1が出てくるのだろうけど、どのように推理したら、相手が先に仕掛けたことになるのだろう? >>918
>それが分かったら、被害者の立場に立って考えてみるのです
大事なのはむしろこっちなんじゃなかろうか
といって何か案があるわけでもないんだが 被害者がひざまづいていたところを犯人が撃ったということなのだろうか?
ひざまづいていた理由は、命乞いをしていたとか?
殺害後、犯人が被害者の銃を2発撃った?
暴力団同士の抗争で、命乞いもなんかなあ、という気もするが、そこでヒント1ということで >>920
書き込みする人がたくさん増えてきたら、こういう自由な問題のほうが楽しくなるのだと思うよ >先に仕掛けたのは被害者の方じゃない。その相手の方だってことさ!
もしかして、「仕掛けた≠撃った」かな?
仮に被害者を山太郎、相手の方を稲次郎とする。
山太郎が路地裏を歩いていると、エアコンの室外機の陰に隠れていた稲次郎が「モモンガーッ」と言いながら立ち上がる。(仕掛けた)
驚いた山太郎が稲次郎に向けて発砲するが、稲次郎はしゃがみ込んでこれを回避、弾丸は壁に跳ね返って山太郎の眉間から後頭部へ。
面子を重んじる暴力団員がオウンゴールでは恥ずかし過ぎるので、稲次郎は武士の情けとばかりに自分の拳銃で山太郎の眉間に重ね撃ち。
大体はこんな感じで概ね説明できるけど矛盾点も多いな。例えば弾丸が二発とかね。
ところで被害者の最期の書き込みを見つけたよ。(自演)
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1284624032/792 >>899の出題者です
難航しているようなので、もう少しだけヒントを差し上げます。
ただこれ以上のヒントは皆さんのひらめきの余地を奪ってしまいかねません。
したがって、ヒントはこれで最後とさせてください(次の書き込みは解答編になると思います)。
ヒント3(ヒント2の補足と現場の状況に関する考察)
まず前提として「まっすぐに撃たれる」ためには二人の人間が正面に向かい合っていなければなりません。
これは>>914や>>917が書いている通りです。
さて、現場にはトドメになった1発の弾丸以外に2つの弾丸があります。
つまり最後の1発が撃たれる前に、すでに2度の発砲があったのです。
(現場に大掛かりな仕掛けの出来なかったことは、放置された遺体や銃弾が示しています。
このことから、2度の発砲は致命傷を作った最後の発砲の前にあったと断定できるでしょう。)
だとすれば、不意打ちで撃たれるなんてことはまずあり得ないと言うことになります。
少なくとも先に撃たれた側は相手が拳銃を持っていて、交戦意識を持っていることを知っていますし、
撃つ側にも明確な殺意があった、つまり相手の職業を知っていたと考えられますから。
(つまりお互いに拳銃を持っていたことは予想できたということ)
では、これから何が言えるのか?
まず、先に撃たれた方はまず先に撃った方から距離を取っただろうということが推理できます。
銃を持った相手の真正面にいるなんて、自殺行為としか言えませんから。
しかしそうするとまっすぐに撃たれた理由が説明できません。
先に撃たれた側は先に撃った側に背中を向けていますし、
仮に撃つ側と撃たれた側の被害者-加害者の関係が逆で、
迎え撃つ際に殺したとしても、先に撃たれた側が組員であることを撃った側が知っているなら
そう迂闊に正面に出て行ったりはしないでしょう(これも前者と同じ理由です)。
この矛盾を上手に解釈してください。
もちろん、ただ現場の状況を精査するだけではダメです。
そこには発想の転換が必要になります。
ヒント1も参考になるでしょう。
また、撃たれた側がどこへ逃げ込んだかということもよーく考えてみてください。 出題者さん、どうもありがとうございます
でもこのヒント3は何を言おうとしているのかよくわからない
何と何が矛盾と言っているのだろうか?撃たれたことに対する行動と、その結果、正面からまっすぐ撃たれたことに特に矛盾は感じないが 撃たれた側は、路地裏に逃げ込んだということなのだろうか?
路地裏に逃げ込んで、正面を向いて応戦した。その結果、まっすぐ撃たれたor撃ったというのは、あり得る行動の一つだと思う
そこで、発想の転換というのだが、これがわからない。
きっとこれがわかった人が正しく解答できるのだろう >>928
出題者です。
その点少し説明が足りなかったかもしれません(と言いつつ、解答編にも同様のことを書いているのですが)。
相手の拳銃から逃れているならば、銃の持つ方向をまっすぐに見るのは愚行です。
一方、拳銃を構えて相手を狙っているならば、正面は向けません(試しに銃を構えてみてください)。 なるほど、わかりました。ありがとうございます
つまり、被害者は撃たれた時に銃を構えて相手を狙っていたわけではない
かといって、逃避行動をとっていたわけでもない
ということが言いたいのですね
推理ドラマに出てきそうな話ですね とりあえず、今まで出された条件から考えてみると、犯人から襲われた被害者は裏路地に逃げ込み、エアコンの室外機に隠れて2発応戦した。
その後、路地の角でしゃがみながら身を隠した犯人に正面から撃たれた。
エアコンの室外機は隠れるのに十分な大きさではなく、はみ出た頭を狙われた。
発想の転換というのがどういう類のものかわからん そろそろ潮時の予感がするので、唐突ですが解答編をやります。
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米沢の呆然とした顔を見て、松坂は声を上げて笑った。
それから探偵として、警察である米沢に一つだけアドバイスをくれてやった。
「警察に、被害者と交戦したという組員が一人だけ自首してきただろう。
君はそいつにこう言ってやると良い。『相棒はどうした?』ってね」
米沢は驚いて口を開き、けれども失った言葉を取り戻すことはできなかった。
松阪はますます笑い声を大きくした。
翌日、米沢は再び松坂探偵の邸を訪れている。
今度は心底悔しそうな、けれども尊敬のこもった目をしていた。
松阪探偵は彼のその視線にかすかな快感を覚えたが、努めて表情に出さなかった。
「僕のアドバイスは役に立っただろう?」
淡々とした口調で尋ねると、米沢は「ええ」と言って、
「おかげさまで、真相にたどり着くことができたよ。いや、しかし驚いた。まさか二人いたなんてね」
それから不思議そうな顔になって、
「しかし、君はどうしてそれに気づいたんだ?」
と聞いた。松阪探偵は「ああ」と答えてから、
「なに、簡単なロジックだよ。答えを聞いたら、君だって拍子抜けしてしまうだろうね」
それから半ば早口に、自分がどのようにして推理を進めたのかということについて、雄弁に語り始めた。 2/5
「現場には三発の弾丸、二発は被害者の手に握られた拳銃から発射され、
一発は現場から持ち去られた、もう一つの銃から発射されている。
そして最後の一発が被害者の額を貫通して後頭部に抜け、致命傷となっている。
君は弾丸の数に注目して被害者が先に二発を発砲し、
この場にいたもう一人の組員が最後の一発を発砲したものと推理した。
これは確かに、至極まっとうな推理だよ。
もしも被害者の傷についての情報がなかったならば、最も可能性の高い答えの一つとなっていただろう。
被害者は額を撃たれ、弾丸は後頭部に抜けている。
これが意味するところは、『弾丸は被害者の真正面から発射された』と言うことだが、
君、これは非常におかしな話であると気が付かなければなるまい。
現場にはすでに二発の弾丸があったとすると、被害者ともう一人の組員とは、
ある種の緊張状態にあったことになる。
つまり二人は、互いに互いの銃を警戒しあっていた。
そんな二人が真正面に立ち、大人しく撃たれることなどあるはずはない。
では二発の弾丸は、被害者の命を奪った一発の弾丸の後に撃たれたものか?
実はこれもおかしいのだ。ひとつには、なぜ二発撃ったのかということ。
一発でも被害者が先に仕掛けたことは主張できるはずだ」 3/5
「ちょっと待ってくれ」
米沢が口を挟んだ。
「一発だと、撃たれた瞬間に引き金を引いた可能性も考えられるんじゃないか?
だから彼らは念を入れて、二発の弾丸を発砲した」
「それはあり得ないな」
と松阪探偵は言った。
「彼は即死しているんだ。自分から仕掛けておらず、一方的に撃たれたのなら、
拳銃を取り出すことすらできなかったはずだよ。だから工作としては、拳銃を握らせておくだけでいい。
念を入れて、一発弾丸を撃つか撃たないかというところだ。二発撃つのは理性的でない」
米沢はまだ納得のいかない顔で「しかし」と言った。
「彼らが理性的とは限らないが……」
「確かにね。だがそれを言ってしまったら、僕らは推理なんてできないことになる。
この世は何でもありだ。被害者が二艇の拳銃を用意して乱射し、その内一本で自殺した後、
近くを通りがかった人が片方の銃を持ち去った可能性だってある。理性的でないとはこういうことだよ」
松阪探偵は皮肉っぽく笑った。
「僕らができるのは、最も可能性の高い事象を推理することだけだ。
今回は犯人の自供を取れているんだから、そこのところは心配せずに、先に進むことにしよう」
「さて、それじゃあ二発の銃が撃たれた後に何が起こったのか?
銃を撃たれた側の人間は、銃を撃った側の人間から距離を取ったはずだ。
どこへ行ったのか? 路地裏には、幸い、隠れられるポイントがある。
それについては聞いたはずだ。エアコンの室外機があったとね。
撃たれた側の人間は室外機の裏にまわる。撃った側の人間はそれを追っていくがしかし、
これでも額を撃ち抜くには足りない。
互いに銃を警戒しあっている状況では、額を狙う隙などあるはずもない。
それも、片や室外機の裏にしゃがみ、片や、室外機の裏を警戒して身体を細くしているのだ。
これでは膠着状態になるのは必至だ。ここに至って僕らは、はじめて発想の逆転を必要とするのだ 4/5
すなわち、どうやって額を撃ち抜いたのかではなく、なぜ額が撃ち抜かれたのかを考えるのだよ。
額を撃ち抜く以外どうにもならない状況を考えるのだ。そのためには、何が必要か?
被害者の正面に、狙撃手がいる必要がある。つまり、被害者の想定の外側に、狙撃手が立っている必要がある。
だが被害者ともう一人の組員はすでに緊張状態にある。互いに互いの銃を警戒し合っている。
想定の外側の狙撃手はこの二人の中には存在しないことになる。
もう分かったかな? そう、現場にはもう一人、狙撃手がいたのだ。
狙撃手が隠れていた場所は室外機の裏以外にないだろう。
近くには他に隠れられる場所はないし、
遠くからでは被害者の額を撃ち抜けない。
すると矛盾が生じるね。
被害者が発砲し、組員が室外機の裏に隠れたとすると、
狙撃手はもはや想定の外側ではなくなってしまう。
そう、つまり始めに発砲したのは組員の方だったのだ。
被害者は室外機の裏へ逃げ込もうとし、そこに隠れている狙撃手と対面した。
そこで額に弾丸を浴び、息絶えたのだ。
事件のあらましはこういうことになる。
まず組員が被害者の後ろ、おそらくは遠方から、弾丸を発射する。
二発の弾丸はいずれも当たらず、被害者は間合いを取るため
付近に一台しかない室外機の裏へ逃げ込む。
そしてそこに隠れていたもう一人の狙撃手が被害者の額を撃ち抜き、絶命させる。
つまり被害者は、挟み撃ちにされていたわけだね。
最後に、初めに二発撃った方が拳銃を被害者の手に握らせてその場を後にし、
狙撃手が警察に自首し、相手が先に仕掛けてきたと主張すればいいってわけだ」 5/5
米沢は分かったような分からないような表情で松阪の顔をじっと見ていたが、
やがて「ひとつだけ教えてほしい」と言った。
「君はいつ、その真相にたどり着いたんだい?」
「簡単なことだよ」
と松坂探偵は笑って言った。
「だってそうだろう? 暴力団の襲撃が、たった一人の手で行われるわけがない」
松阪探偵は表面上そう言ったが、内心は違っていた。
彼は初めから、先に仕掛けたのは組員の方だと確信していたのである。
それはひとえに、そうでなければ米沢の鼻を赤せないからであった。
組員が先に仕掛けたとすると、弾丸は確かに二本の銃で三発撃たれているのだから、
一人で二本の銃を持っていたか、今度の推理のように、二人の人間がその場にいたかのどちらかであろう(※)。
二本の銃を持っていたなら弾丸は交互に発射されると考えられるから、
命を仕留めた方の銃の弾丸の数が、もう片方の弾丸の数と同じかそれより多くなければおかしい。
とすれば、二人の人間がいてそれぞれ一本ずつ銃を持っていたと考えるよりほかない。
そう考えていくと、いともたやすく今回の答えに至ることができたのである。
松阪探偵は短い息を吐いて、目の端で微かに笑った。
※コメントのあった「弾丸が持ち去られたケース」について、
辺りが明るい場合には目撃の恐れがあるのでそんなことはできません。
また、暗い場合には弾丸を探すのは至難です。
したがってどちらも現実味がありません。
トリップ #ふたり
楽しんでいただけましたでしょうか?
今回は便乗ネタでしたが、また何か思いついたら書き込みますので、
そのときはよろしくお願いいたします。 あ、もしよろしければ今後の参考のために
1)問題の難易度と
2)ヒントのタイミング
3)出題から回答までの期間
についてご意見いただけるとありがたいです。 どうもありがとうございました
良い作品ですね。複数犯人という着想はとても良かったです。
問題の難易度はすごく高いです。もう少し伏線があった方が良かったのでは?出てこない人物が鍵になっていますのでね
ヒントのタイミングは特に意見はないです。むしろヒントを出していただいたのでありがたいです
解答までの期間は長かったですが、気にはなりませんでした 被害者が発砲していないのなら硝煙反応が出ない
そんな基本的なことを見落としている米沢氏は鑑識を辞めて探偵に転向する方がよさそうだ とある警察庁幹部からの依頼で、ぼくは内密にとある未解決事件を調べる事になった。
「わざわざ刑事部長自らご案内いただき恐縮です」
「ふん、特命に力を貸せと上からの通達だ。最大限に内密にでだと言うからワシが出るしか無いまでだ」
特命係を、と言うかぼくを疎ましく思っているであろう内村刑事部長の案内で本庁の証拠品倉庫にぼくはやって来た。
「これが全部、未解決事件ですか?」
「ああ。刑事諸君も靴の底を減らして日々捜査してくれてるのだがね、日夜犯罪は行われ我々としても手一杯なのだが犯罪者は待ってはくれないのでな」
ぼくは未解決事件の山のような資料の中から今回調査する事件の証拠品らしき箱を見つけ手に取る。まだ電子事務処理される前の事件である。
「2002年のE区での強盗事件か、今年時効になってしまう事件だな、おまえが調べたい事件はそれか?
その事件なら担当刑事は先日辞めたばかりだ」
箱はホコリを被っていて、しばらく触れられた様子がない。ぼくはホコリを払い、箱を開け、ざっと中を改めて見た。
物証は少ない。犯行に使われ捨てられたナイフや目出し帽、犯人の買い物レシートなどが袋に入ってあった。
「目出し帽に毛髪や皮膚の痕跡は無かったんでしょうか?DNA鑑定はされている筈ですよねぇ?」
「ん、資料によると、該当者無しらしい。前科者ではないようだ」
「こっちはレシート。ええと……2002年11月31日2時13分……1522円の買い物をしていますねぇ。猫缶、ガムテープ、ろうそく、弁当……」
「その弁当がくせ者でな。温めようと店員が後ろを向いたすきに、ナイフを押しつけられたそうだ」
「手慣れてますねぇ。前科が無いとは思えませんが……どうも、これは単なる強盗事件じゃ無い気がしますねぇ」
「何かおかしな点があると言うのか?」
「この証拠は捏造された物です。信用できません。こんなものを警察の証拠品に入れておくなんて、担当刑事が怪しいですね。早急に当時の担当刑事を調べ直してください」
「何だと!?」
「部長のお嫌いな『身内の恥』になりますよと申し上げているのですよ!」
さて、ぼく杉下右京はこの事件の証拠品に疑念を持ちましたが、それはどこでしょうか? そのレシートにどんな意味と効果があるのか教えてほしいわ
アリバイ工作にもならないし すまんな
ドラマ自体に粗を感じてただけにテーマが相棒になると構成の矛盾にどうしても目が行く
気を落とさずまた新しい問題できたら頼む >>940
硝煙反応は誰が撃ったかを特定するために使うものであって
撃った人物が明らかと思われる場合には調べんよ
指摘があってはじめて調べるくらいがむしろ自然なんじゃないかね
つかそもそも火薬が反応したときの窒素酸化物の有無を調べる検査だから
本人が撃ったわけでなくても近くで発砲があれば硝煙反応が出る可能性はある
問題文で触れてない以上そこには特別な意味はなかったと考えるべきだろう
>>941
弁当をレンジに入れる動作って会計前にするんじゃないか?
そのときにナイフを突きつけたならレシートがあるはずはない
つか目出し帽を被るタイミングが分からん >>941
この問題はすぐに解けた。正解の鍵を問題文からコピペしてトリップで入れておくよ >>938
◆Ydqn7jQieEさん、どうもありがとう
トリックの発想と問題構成の技量には脱帽
あえて批判するとロジックが細すぎて、単独犯を含む様々な解釈が可能だということ
だからこのトリックはもっと大きな小説の伏線の1つとして使うのがよいと思う
とても楽しかったので、またよろしく あと、ヒントと解答のタイミングは、作者の裁量で良いと思う >>945
ああなるほどわかった
確かにこれはおかしいわww
どうしてこんなの見逃したんだろう >>941
出題ありがとうございました。
またよろしくおねがいします。
>>945
あんた紳士だ。 レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。