「柳生十兵衛死す」は
老いと病の中で書き上げたにしてはタイトルの構造をよく
纏めた方だと思うけれど(最近の少年漫画家や石川賢とは大違いだ)
やっぱり駆け足過ぎて未消化というか
全盛期のこの人なら更に上手くやれたのではとい思わせる非常に残念な作品。
史実では名のみを残してあの後も生き続けることになった女帝や
主要キャラっぽい扱いであったりんどう、十兵衛の息子(又八だっけな?)といった少年少女など、あそこで掘り下げて活かしたいものがまだ山程あったと思わせるものだった。
せめて十兵衛死語の彼等のエピローグ的エピソードは欲しかった。